4年目WEBディレクターがライティングスキルを分解してみた。

ライティング能力は定性部分も多く、客観的にスキルを評価するのが難しいという問題がある。

社内で「あのライターさんはいいよね!」という話をしていても、なぜいいのか、どこがいいのかを上手に言語化できないことは多い。

とくにWEBメディアのディレクション経験が4年になって、最近束ねる組織が大きくなってきたので、ライターさん一人ひとりの能力を、つぶさに監督できなくなってきた。

そこで、ライターさんのスキルをどのように評価したらいいか、自分なりの今の考えをまとめてみた。気になる部分や、追記してほしい部分などがあればコメントなどをいただけると嬉しいです。

注)備忘録的なものなので、「お前ディレクター4年もやってるのに、誤字ってるじゃねーか」ということもあるけど無視してね。

STEP1)情報収集

情報収集するときに必要な能力。WEBライティングでは、情報を収集して、それを元にライティングすることが多い。そのため、情報収集力は大変重要なスキルだと考える。

情報発見力

まず、欲しい情報を探す能力が必要になる。

①検索能力

一度に欲しい情報にたどり着くことはないが、2回目の検索でより制度の高い検索語を入れられるかどうかが重要になる。

また、検索コマンドの使いこなしもここに入る。

③情報評価
その情報に信憑性があるかどうかを判断する能力。
EATを人為的に判断できるかどうかによる。

読解力

①基本読解
文の意味を読み解く力。1文の中の文章の意味を把握する能力だ。
複文や重文の主語を適切に理解できるかも、ここに含まれる。

②指示読解
指示語を読み解く力。「こそあど」場合によっては「てにをは」も含まれる。
個人的には基本読解と結構な部分が重複してるのではないかと感じている。

③図表読解
グラフを読み解く力。
前の会社の人で、折れ線グラフが読めない人がいた。必要最低限の、数学的な能力にあたると私は考えている。

④論理読解
文章全体の流れを段落をもとに読解できる能力。
これを逆側から定義したものが、文章構成力になる。現代文のセンター試験で大概問われる内容だ。
ここで躓く場合、筆者の視点や立場を追って文章を読めていない可能性がある。

⑤接続読解
文と文の関係性を考えることができる能力。逆接・順接など、様々な種類がある。
筆者の立場が分かっていない場合、この接続理解が困難を極める。何に対して「しかし」なのか、「たとえば」なのかを見失ってしまう。

STEP2)書くときの能力

読解力の裏返し

①文法・語彙(⇔基本読解)
文法的に問題ない文章が書けるかどうか。1文の中で矛盾がないかどうか。
1文の中で「は」を繰り返して使ってしまったり、「小春日和」を「春」の言い換えとして使ってしまったりしている場合がこれにあたる。

②指示語(⇔指示読解)
指示語や「てにをは」が正しく使えているかどうか。目的語などが混同していないかどうか。
指示読解が基本読解と重複している部分が多いのと同様に、文法・語彙と重なる範囲がある。しかし、ライティングの場合には、特に適切な指示語が使えるかどうかが問われる。

③算数力(⇔図表読解)
正しい表・グラフの判断力。
どんなデータのとき、どのグラフを選択するべきかの知識。100%で表すべきデータとN数で表すべきデータか判断できるか。

例えば1人が複数選択できる質問の集計結果を、円グラフで表すのは誤解を招く。この場合は棒グラフを選択するべきだ。

④文章構成力(⇔論理読解)
構成案の作成能力。
どんな論理展開がわかりやすいか判断したり、筆者の視点の定義をする。

⑤接続表現(⇔接続読解)
文と文の関係性を考えることができる能力。逆接・順接など、様々な種類を使い分ける。
「しかし」を続けすぎると筆者の視点が右往左往してるように見えたり、矛盾だらけの文章を書いているように見える。

メタ的視点

自分の書いたライティングを第三者的視点から見て、問題ないかどうかを判断する能力。

英語のテストで、「この文の間違いを3箇所指摘しなさい」という問題があるが、あれが日常的にできるかどうかである。

STEP3)コンバージョン方法の理解

オウンドメディアやアフィリエイトの場合、特に必要な能力も定義する。情報を伝えることが目的のメディアの場合は、あまり必要が無いが、企業コラボ案件などでは、この能力も必要だと考えている。

セールストークの理解

トークパータンの理解。
顧客課題から、コンバージョンまでの流れを理解し、その動線をライティングに落とし込めるかどうか。

クリック導線

CTRの高いクリック導線を設置できるか。
クリックしたくなるテキストリンクや、顧客の欲しい情報を適切に提案し、高いCTRのクリック動線を設置できるかどうか。

STEP4)コーディング理解

WEBライティングの場合は、この部分の理解が必要な場合もある。

HTML(中級レベル)

一般的なHTMLの知識。
CMS入れ込みの際には、ここの理解はしておいて欲しい。ここを理解できているかどうかで、ディレクターに対するCMSに関する質問量が圧倒的に減ると感じている。

CSS(入門レベルでOK)

基本的なCSSの理解。
自分が書いているサイトに太字が使えるかどうか、HTMLで入れ込んだコードのどこまでがCSSでデザインが入れ込まれているかどうかの判断ができるライターさんがいると、かなり競争優位になると感じている。このような人の場合、スキルアップの手段としてUXライティングを提案できる。

STEP5)SEO

WEBライティングの場合は、この部分も理解しておいてもらえると、ディレクターとしては嬉しい。

この部分に関して書くと果てしないので割愛するが、パンダ・ペンギンが分かっているだけで、ライターさんのライティングの質や危機意識が違うと考えている。

おわりに

ライターのスキルアップを考えるときに、具体的なスキルが可視化されていないと感じている。オペレーション職という色が濃いのがその原因かも知れないが、ライターとしてスキルアップの方向性を示すのはディレクターの役目だ。その方向性を示すことで、ライターさんがモチベーションを維持し、自己鍛錬を進めスキルアップを可能にする。(それが最終的には自分の工数削減につながる笑)

とりあえず、現状私が「必要だな」と思うスキルはこのようなもの。追加が出てきたらそのタイミングで追記していきたい。


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