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母と星空

「たけのこ煮えたから取りにおいで」

母から連絡が来た。

スマホを変えたので、LINEの音声メッセージで届く。

文字を打つより話した方が速いからそうしているみたい


実家は我が家から車で40分ほど離れた山の中にある。

日中はゴールデンウィークの観光客の車の渋滞が酷いので、夜遅くに出かけることにした。 

くねくね山道をひたすら走り、到着。

車を降りてふと空を見上げると…。

わぁー、綺麗な星空。

家を出るときは綺麗な三日月🌙だけが空に見えたのに、実家に来ると🌙は見えずに星空がたくさん見えた。

「たけのこ取りに来たよー」

とお土産のかりんとうを置いてすぐに、

「星見に行ってくる」

と出かける私。そこへ母もやってきて 

「私も行くわ」

と母と娘の星空散歩に。

先日亡くなった近所のおばちゃんの話をしたり、どこまで行ったらもっと見えるかねなんて話をしながらてくてく。

母の畑の近くになると、

「あー、動物来ないよねぇ」

「えっ?なに?ハクビシンとか?」

「違うよ、シカ🦌」

「えっ?シカ🦌なんて山から降りてくるの?」

「来るのよ、畑のものを狙ってさ」

「えー、猪🐗はわかるけど、まさかシカ🦌までくるとはね。でももう春だし出て来ないでしょー」

そんな話をしながら、八幡神社の近くの畑道を歩く。

上を見上げると北斗七星がキラキラと輝いている✨

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「綺麗だね。私の家からなんて今日は星全然見えなかったよ。やっぱりここに来るとこんなにたくさんみえるんだねぇ」

「そうね、綺麗よね。でもさ、昔は忙しくてさ、こんなに星が綺麗だなんて事気づかなかったんだよね」

「そうだね。私も。夜は外でることもなかったしさ、この星空が当たり前だったから、こんなふうにお母さんと見上げて綺麗だねなんて言ったことなかったね」

しばらく二人でのんびり星を眺めながら、ぼーっとする

(お母さんなにを考えてこの星空見てるのかなぁ)

そんな事を思いながら、母の横顔を見る。

年取ったなぁ…。

「さて、帰ろうか?」

「あっ、ちょっとお母さんの畑よってよ」

「畑でイノシシ🐗に遭遇するかもよ」と私が言うと

「イノシシ🐗いたらやっつけるから平気よ」

「えっ、それはやばいでしょ。なんにも持ってないじゃん」

なぜかイノシシ🐗には強気な母でした。

母の畑に寄ると、何にも見えず🤣

「ねぇ、何にも見えないよ」

「ほんとね、でもほら、星見えるから」

たしかに星は綺麗でした。

ただ、街灯がすごく明るくて、昔はこんなに明るい街頭なんてなかったのになぁ。

山の向こうも空が明るくて。

もっと昔はまっくらだってよねぇ。と話しながら帰宅。

久しぶりに流れ星も見ることができました😊


思いがけない母との星空散歩。

なんだかとっても心が温まりました。

母を独り占めにした気持ちは、ずーっとそうしたかった自分の気持ちに応えられたようで。

私はお嫁に行って、3人の母親になったけれど、私も母の子どもでまだまだ母に甘えたいって思っている自分がいるんだなって思いました。

たまにはこうして、母との二人っきりの星空散歩をしていきたいなぁと思いました。


                  みぃわ🌠 






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