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確固として好きなものが自分の中にあるだろうかと考えてみたとき、たしかにそこにあるのはおぼ…
高校のときに中古の一眼レフカメラを買った。 初めての大きな買い物。貯金をはたいた買い物。…
いつだって心地よい空間を求めている。そう思った。 自分が落ち着いて、安心していられる場所…
あの人の普通と私の普通は違うんだ。 そんな当たり前のことを何度も何度も考える。 でも、私は…
窓を開けて、網戸の網目の一つ一つからぴりっとした冷たい空気が部屋の中に流れ込んでくる。一…
窓を開けると心地よい気温の、湿気を含んでいないすっきりした空気が部屋の中に入り込んでいま…
秋になると空気が変わる。 それまでの、夏の湿気がさっと引いてさらさらとしていて、冬のようなきりきりした厳しさがないのが良い。肺いっぱいに鼻から空気を吸い込んで吐くと、体の中に秋が満たされるような充足感がある。空気が変わるのと同じように、不思議なことに彼女の1年間は秋が転換点になることが多い。もしかしたらこれは同じことを思っている人が多いのではないかと感じることがあるけれども、彼女だけの秘密である。9月の終わりから秋ははじまると思っている。台風が何度も何度もやってきて、10月の
今年は夏を夏として過ごしてみようと思った。 それはあっという間に過ぎていくいつものほかの…
朝起きる。コーヒーを淹れて飲む。煙草を吸う。なんとなしにニュースサイトを開いて頭の中に目…
視界がぼやけるように頭の中もぼやけるけれど、ぼやけている視界も好きだったりするからぼやけ…
彼女にはいつまでにやらなければいけないことをやろうと思うたびに考えても仕方のない答えがな…
ちょうどいい雨。 肩にカバンをかけて、左手で傘をさして、右手にカメラを持って散歩。傘があ…
光に当たると影ができて、その影はいろいろな色で形になる。 眺めていてこれほどきれいなもの…
綺麗なものを見ている。焦りもないし恐怖もない。 ただ目の前にあるものだけを目にして、過ぎていく。 実はそれが一番怖くって、いつの間にか過ぎている。 過ぎたものは戻らなくって、なんであのときこう思わなかったんだろう。こういう行動をしなかったんだろうという後悔が溜まっていく。 そうやっていろいろなことがゆるやかに過ぎていくことが一番怖い。