健康管理の秘訣は、自分の状態を把握して不足分を補うこと(『荘子』達生篇)
今回取り上げるのは『荘子』達生篇からの言葉。
よく養生するということは、さながら羊を養うようなものである、という意味。
羊を養うとは、いわゆる羊飼いのことです。
「養生」の意味も改めて確認してみましょう。
今回は、前者の「衛生をまもり健康の増進に心がけること」の意味となります。
要するに、健康に生きるためには羊飼いを参考にしなさい、ということですが、これは一体どういう意味でしょうか?
荘子は、羊飼いについて以下のように述べています。
群れから遅れた羊を見つけたら、鞭打って落伍させないようする、という意味。
まとめると、自分の中の短所や欠点を把握し、それを補うように行動しなさい、そうすれば健康に長生きすることができる、ということですね。
ここで、荘子の例え話をご紹介しましょう。
あるところに、健康意識の高いAさんがいました。
しかし、彼は自分の健康管理は完璧だったのですが、虎が出没する危険地帯に足を踏み入れ、虎に襲われて死んでしまいました。
また別のところには、安全意識の高いBさんがいました。
彼は臆病で、危険なところには決して近寄らなかったのですが、自分の健康管理を疎かにした結果、熱病にかかって死んでしまいました。
この例え話では、AさんもBさんも不幸なことに亡くなってしまいました。
それは、自分の欠点や短所を把握して補おうとしなかったからだ、と荘子は言います。
Aさんの場合は、自分の危機感のなさに気づいていれば、わざわざ危険な場所を通らずに済んだはずです。
Bさんの場合も、自分の健康意識の低さに気づいていたら、健康的な生活を送るように努力したことでしょう。
さながら羊飼いが羊の群れに対応するかのように、彼らも自分の中の短所や欠点を把握し、それを補うように行動できてさえいれば、結果は異なっていたということですね。
健康に長生きするためには、自分に足りていない部分を補う意識が大切なのです。
現代では、食事や運動がイメージしやすいと思います。
私の場合は、アレルギー持ちで野菜や果物があまり食べられないので、いつもサプリを飲んで栄養素を補っています。
それ以外では、意識して魚やタンパク質を摂るようにしていますね。
また、運動不足の場合は定期的な運動が大事です。
WHOの基準では、「週に150分間の緩い運動、もしくは75分間の激しい運動をしない人」を運動不足と定義しています。
運動といってもそれほど激しいものをする必要はありません。
各種の研究を総合すると、1日20分早歩きをするだけで、大部分の生活習慣病のリスクが減少し、死亡リスクも約半分に軽減され、平均寿命が4年半も延びることが明らかとなっています。
20分だけなら片道10分のお散歩でも大丈夫なので、割とハードルは低めですよね。
毎朝通勤されている方なら、朝と帰りの道をいつもより早歩きで移動するだけで達成できそうです。
その他の健康増進に関するポイントは、以下の書籍が分かりやすいので、必要に応じてご確認ください。
イラストでパッと把握しやすく、科学的研究結果の紹介も豊富なので、私も勉強になりました。
自分の健康状態を把握し、規則正しい生活・食事・運動を心がけていきたいですね。
自分の中の短所や欠点を把握し、それを補うように行動しなさい、そうすれば健康に長生きすることができる、という言葉をご紹介しました。
本記事投稿時点では3月も終盤。
季節の変わり目で体調を崩しやすい時期だと思いますので、自分の体調に合わせて、サプリでの栄養補給や運動を取り入れていきましょう。
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