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周囲の支えに気づく目と、それに感謝する心を持つということ【教養を深める中国古典のお便り#13】

皆様、こんにちは!

メンバーシップ向け特典記事の「古典のお便り」13通目になります。

こちらのシリーズでは、普段の記事では取り扱っていない古典・史書から、さまざまな名言をお届けします。

前回は『後漢書』からお届けしました。

今回は司馬遷の『史記』を取り上げます。

『史記』の概要説明は以下の記事で行っていますので、確認したい方はこちらの記事をご覧ください。

というわけで、今回は『史記』の周公旦と成王に関するお話から、周囲のサポートに気づくことの大切さについて、学んでいきましょう。


『史記』魯周公世家に学ぶ

今回取り上げるのは『史記』魯周公世家からの言葉。

昔周公、王家に勤労せり。これわれ幼人にして知るに及ばず
(読み:ムカシシュウコウ、オウケにキンロウせり。これわれヨウジンにしてシるにオヨばず)

『史記』魯周公世家

かつて周公は王家によく尽くしてくれていたのに、私は幼くて気づくことができなかった、という意味。

つまり、いつも側で支えてくれている人の頑張りに目を向けられるようになりなさい、という教えですね。


周公とは、周公旦(しゅうこうたん)のこと。

周王朝の2代目の王である成王が幼いときに摂政として活躍した人物で、あの孔子も憧れるほどの偉人でした。

周公像、Wikipediaより

今回の言葉は、周公旦が亡くなったあとに「あるもの」を見つけた成王が、涙ながらに語ったものになります。

成王は一体何を見つけたのでしょうか?

というわけで、今回は初期の周王朝のもとで、幼い成王をひたむきに支え続けた賢臣のお話を見ていきましょう。

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