なぜラグビーの構造を理解しなければならないのか

ラグビーには二つの制約があります。

ルールと物理的制約

これら2つからなる枠組みをラグビーの構造と表現しますが、構造というものは戦略、戦術よりも上位のものです。

戦略、戦術は時代によって、チームによってコロコロと変わります。
トレンドもありますし、これを追いかけてもキリがありません。
しかし、構造を理解していればどんな戦略を提示されたところで、肝をすぐに抑えることが出来ます。
肝を抑えていれば、対戦相手の攻略も容易になり、良いと思った戦術を導入することもスムーズに効果的にできるようになります。
要するに、戦略や戦術を理解するということはそれほど重要ではないということです。

構造を理解していれば戦略や戦術といった瑣末なものにとらわれる必要がなくなります。

もちろんゲームを見ていて表面に現れるのは戦略や戦術でしかありません。
そのせいで構造を理解するということは少し困難かもしれませが、これを理解する一つの手段として、「全てのプレーを疑って根拠を探る」ということがあります。

そうして理解したラグビーの構造と、ゲームに現れる戦略を見ることによって、チームのゲームモデル(コンセプト)を理解することが出来ます。

ラグビーの構造>ゲームモデル>戦略>戦術>戦法

僕は上記の関係がラグビーにおいて成り立つと考えています。
ラグビーの構造を念頭に置いた上で戦略を眺めてみると、チームを分析することが容易です。
ラグビーの構造はもちろん一つではありません。様々なものがあります。
ゲームという表面に現れる戦略を見ていると、チームがどの構造や原則に基づいたゲームモデル(コンセプト)を持っているのかわかります。

チームのゲームモデルを理解してしまえばあとは簡単です。
戦略戦術というものは有利なシチュエーションの再現性を求めるものですが、ゲームモデルはこれらの基盤となる価値観であるので、ここから外れるような戦略が採用されることはありません。
つまり、ゲームモデルという相手の思考パターンを理解すれば、戦略という相手の行動パターンの予測までも可能になるということです。

しかし戦略までしか理解していなければ、相手が同じゲームモデルのもとで戦略やパターンを変えてきた時に対応できなくなります。そういった点で、相手の価値観となるゲームモデルを知ることは重要であり、そのためにも構造を理解することは重要なのです。

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