認知の話

最近、スポーツにおける認知がよくTwitterなどで話題にのぼっているので、僕なりの認知について記事を書きたいと思います。

一概に認知と言っても、僕は色々な形の認知があると思っているので、それらを分類して紹介したいと思います。

僕は学者でもなんでもなく、専門的な用語は分かりませんので、自分なりの言葉で書いていきます。

認知の段階

認知は大きくわけて、3段階あると思います。
大局的な認知から超局所的認知へと切り替えていく必要性があります。

俯瞰
注視
凝視

この記事の中ではこの3つのワードで説明していきます。
また、コールなどを聞く耳からの刺激に対しては常に敏感であるべきだと思うので、それはこの分類の限りではありません。

俯瞰

最近話題にのぼる認知のほとんどはこれのことをさしていると思います。

首を振ってグラウンド全体を見渡して、どこにスペースがあるのか、どこに誰がいるのかなどを認知することがこの段階です。

このツイートの動画はまさに最高の俯瞰の例です。
ぼんやりと周辺視を使いながら首を振って、全ての選手の位置を把握する。
また、位置だけではなく、移動のベクトルにまで注意を払うことが必要です。

俯瞰のレベルが上がってこれば、視界にない相手の動きも推測することが可能になってくるので、試合の映像を沢山見ることも俯瞰スキル向上に役立つでしょう。

注視

俯瞰をすることによって、全体のバランスや、相手の弱点を発見することが出来ます。

その次に選手に必要とされるアクションは目の前の問題に対処することです。
これに対処する為に、俯瞰で得た情報はとても大切です。
目の前の局面の重要度、相手の意図、相手の次の行動の予測に繋がるからです。

しかし、俯瞰で得た情報のみでは小局面の問題に対応することは難しいです。
俯瞰はあくまでも全体の状況の把握なので、近くの選手の詳細な動きを知りたい時は、注視に切り替える必要があります。

注視は例えば、ラグビーのアタックにおける2対1、3対2などの局面で使うことが必要だと思います。
こうしたシチュエーションは、ラグビーにおいては完全に有利であり、仕留めるべき局面です。
その状況下に置いて大局的な情報は必要ではありませんし、ノイズにもなりかねません。
そのため、仕留めのフェイズの精度を高めるために注視へと意識を切り替えることが必要になります。

凝視

この段階では目の前の相手1人だけにフォーカスします。
ラグビーにおいてはヒット、タックルする瞬間やステップを切る瞬間に必要になります。

この認知が出来なければ、ヒットしても仰向けにタックルされたり、的はずれなステップを切る事になります。

相手の体の重心はどこにあるのか。
足はどっちに向いているのか。
相手の姿勢の高さはどのくらいなのか。
あとどのくらいでタックルモーションに入ってくるのか。

などなど、目の前の1対1に勝つための情報を収集するのがこの凝視という局面です。

とても大雑把に3段階の認知を紹介しましたが、トップレベルの選手ほど、この認知をスムーズに切り替えているのでは無いかと考えています。
大局で相手に勝つ、小局でも相手に勝つ、1対1のバトルにも勝つ。
これを全て積み重ねなければ、試合に勝つことは難しいと思います。

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