現象の多面的理解
簡単なタイトルにしようと思ったのですが、思いつきませんでした😅
簡単に内容を説明すると
〇〇は××である
といった論調に対しての問題提起です。
例えば、どんな人でもラグビーのプレーを見て一言で理由を説明することは出来ないと思います。するべきでは無いと思います。
ひとつのプレーの裏側には無数の理由が存在します。
その最たる例がハイパントではないかと思います。
ハイパントには複数の目的があります。
1.再獲得
2.エリア獲得
3.相手のBDの位置のコントロール
他にもATの仕切り直しなど色々と理由があります。
しかしながら、現在ハイパントを論じる際には再獲得を出来るかどうかという面にばかりフォーカスしているように感じます。
実際に再獲得の可能性があるのがロングキックとの大きな違いであることは間違いありませんが、これだけを目標とするならば、再獲得に失敗した時点でただボールを捨てたという結果しか残りません。
次にハイパントにはエリア獲得という目的があります。ロングキックの方がいいのではないかという意見はあると思います。ただ、40m程のロングキックの後にカウンターで20m戻されるのであれば、20mのハイパントの方が再獲得のチャンスがある分ベターです。
他にもハイパントの大きな特徴として、「落下地点=BD形成地点」になることがあります。僕にとってはこの観点はとても重要です。
タッチライン際にハイパントを落とせば相手はエッジラックからのATをしなければなりません。ここからのATは攻撃方向が1方向しかないため効果的なものになりづらいです。つまり、キックを蹴った側が相手の次の行動をコントロール出来るのです。
このようにシンプルに見えるハイパントひとつとっても多くの意図が存在します。そしてこれを一概に「ハイパントは再獲得のために行う」と表現するのは危険です。「ハイパントの目的のひとつに再獲得がある」くらいの表現がいいのではないかと思います。
現象の一面を捉えて、それが全てであるように表現することは、不十分な現象の解釈を世に流布していく危険性があると感じています。
これは毎日、古田京さんと岸岡智樹さんと一緒にラグビーを見ていて感じたことですが、ラグビーには正解が存在しません。3人の意見が全て揃うことはそれほど多くありません。都度議論をしながら新たなアイデアを引き出しに加えていきます。
人によって色々な解釈の仕方が存在するからこそ、ラグビーに面白さがあり、追求していく余地が存在すると思います。
既存のセオリーといったものが何故存在するのか?それ以外にベターな解決策はないのか?
と言ったものを常に考え続けることこそが重要です。つまり、現象の多面性を理解することが重要であると僕は考えます。
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