マガジンのカバー画像

戦術的ラグビー観戦入門

14
「ルールは覚えたけど、やっぱりラグビーはよくわからない...」という方から指導者の方まで対象を幅広くラグビーの戦術について解説していきます!
運営しているクリエイター

#戦術

「抜けたら外」の再考察

みなさんこんにちは。 今回は少しミクロな話をしていきたいと思います。 テーマはラグビー経験者なら誰でも一度は言われるであろう、 「抜けたら外!外にパスしろ!」 と言うこのセリフです。 本当に外に行くことが正解なのか?なぜ内側はダメなのか?と言う部分について考えていきます。 抜けたら外に行く理由タイトルにしておいてなんですが、この項目はサラーっといきます笑 ラインブレイクをした後にDFに来るのは相手のキック処理にあたっていたBK3とSH、バッキングアップのDFです。

戦略はラインアウトで7割分かる

タイトルで大きく出ましたが、最近僕は本当にこう思っています。 流石に7割かどうかは調査していませんが大体わかります。 ラインアウトからチームの戦略を考える時には相手のナンバーとそこからの3フェイズを見ることが大事です。 この記事ではラインアウトでいかに獲得するかではなく、獲得した後の狙いは何かという点にフォーカスしながら書いていきます。 ◇ALL men◇ALL menラインアウトをチョイスする理由: ・BKに55mの幅でATさせたい ・相手FWのDFスタート位置を1

キックオフレシーブの教科書

<記事のポイント> ◎キックオフを取った後は、BDの位置によっては大きくゲインするチャンスがある。 ◎キックオフレシーブでアタックをするかキックを蹴るかは、「アタックが成功する確率」と「アタックをするリスク」/「キックを蹴るメリット」を天秤にかけて判断する。 ◎どのようなキックを蹴るかは、「ボール再獲得のシナリオと期待値」によって判断する。 近年、キックオフレシーブからすぐにキックを選択するチームがとても多く感じます。しかし、構造的に考えてみるとキックオフレシーブからボール

ラグビーの数合わせ的側面

久しぶりにマガジンに追加する記事です。 今回はラグビーの基本構造について書いていきたいと思います。 ラグビーは陣取り合戦では、キックを用いた縦のスペースのマネジメントについて解説しました。 今回は、パスを用いたアタックのベースとなる横のスペースの使い方について解説します。 今回の記事はプレーヤーの方々にとってはあまり新鮮味のあるものでは無いかもしれませんが、観戦時に一層意識するきっかけとなればと思っています。 また、今回のW杯で増えたであろう、にわかファンの方々に、もっと

ラグビーは陣取りゲーム

という風にラグビー界ではよく言われています。 昔からある考え方だとは思うのですが、現在のラグビーを見ていても、ラグビーの簡単な説明はこの言葉に尽きるなあ...と感じます。 ラグビーの戦術を理解するにあたって一番とっかかりやすい部分だと思うので、今回は陣地の取り合いについて記事を書こうと思います。 現在のラグビーでは自陣のゴールラインに近いところでプレーすることを避けるチームがほとんどです。これは、感覚的にもわかるかと思いますが、ミスした時の失点のリスクが高いからです。

戦術的ラグビー観戦のすゝめ

この写真は日本代表vsイタリア代表を神戸で生観戦した時のものです。 日本では2019年ラグビーW杯に向けてこのような綺麗なスタジアムが急ピッチで作られています しかし、W杯を自国開催するというのに日本人のラグビーリテラシーはとても低いのではないかと思います。 これは私たちが不勉強だということではなく、日本ラグビー界全体が戦術という面にフォーカスしていないことが原因です。 確かに、ラグビーは素晴らしいランやタックルなどの迫力のある個人スキルという部分が見どころの一つではあ