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翻訳という知的ゲーム

仕事上、業務連絡メールなど簡単な翻訳をすることが多く、なんちゃって翻訳者なのですが、一流翻訳の柴田元幸さんの「翻訳教室」はレベルが違う!読んだ感想を是非書き留めなければと思いnoteにまとめました。

「翻訳教室」は、東大文学部の講義を書き起こした本ですが文学作品の翻訳の真髄について色々学べる本です。

どのように英語から日本語にしたら同じシーンが、脳内に再現できるのか、そのためにどのような日本語を選んだら良いのかを吟味するプロセスが興味深い!

まさに言葉の職人という感じですね。村上春樹の小説を英語に翻訳したものから日本語に翻訳し直す授業がとても面白い。

Frogと大文字で始まるのとfrogと小文字で普通名詞のものの訳し分け方でFrogはかえるくんなのかフロッグなのか。frogは蛙かカエルかとか。原文は前者がかえるくんで後者が蛙なのですが。

英語版翻訳者も登場して色々コメントしており、作品を愛すると同時に言葉を操る面白さも楽しんでいる風景がとても刺激的でした。

自分が日常携わっているビジネス翻訳は素早く内容を正確に伝えるだけなので言葉を味わう余裕がほとんどありませんが文学翻訳は高度な知的ゲームを、楽しむという感じで憧れます!

ビジネス翻訳はAI翻訳で今後ほとんど間違いなく置き換わるようになるのでしょうが文学の翻訳は人間の叡智が詰め込まれているのでまだまだ置き換わることはないのかなと思います。

秋の読書におすすめの一冊📚です。
最後まで読んでいただきありがとうございました😊


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