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来週の読書リスト

6年ぶりの再読本が2冊リスト入り。再読っていいよね、過去の自分が現在の自分と違うことが感じられる。


①『堕落論 現代語訳名作シリーズ』

坂口安吾 著

 坂口安吾は、いつも私たちに睨みをきかせる。鋭い眼光とヤクザみたいな笑い方をもって。
 適当な綺麗事語ってんじゃねえ。
 理想ぶんな。
 平成生まれの能天気な平和ボケ人間からすると、ちょっと息を吞んでしまうほどのありありとした「現実」の痛みの手触りがそこにはある。
 そして安吾に睨まれている自分を知る。
 私たちは安吾の生きた戦後を超えた時代を生きている。だけど、安吾の睨みからいまだに逃れることはできない。
 いまだに堕ち切ることができずに、きれいごとや理想論を語りたがり、夢を見たくなる。幻想を信じたがる。たまに誰かの見ているところを見計らって「しにたーい」なんて呟いてしまう。
 そんなんじゃないのに。生きて、戦って、堕ちて、初めて安吾は「生きた」って許してくれるのに。

『人生を狂わす名著50』

現代語訳があったので、ハードルを下げてそちらにしてみた。坂口安吾という存在は『文豪ストレイドッグス』でしか知らないから、これを機にちょっとお近づきになれたらいいな。

前回

先日読み始めたところ。1作ずつが短いのと、現代語訳なのとでサクサク読める。でも引っ掛かりなくサクッと読み流してはいけない気がして、何度もページを戻って読み直した。

②『結婚と家族のこれからー共働き社会の限界』←NEW

筒井淳也 著

これは再読。
昨日弟の結婚式があって、家を出るときにフォーマルバッグに入るサイズの新書を本棚から物色してサッと入れたのがこれ(『堕落論』がちょっとサイズ的にきつかったので)。「ちょうど結婚式だし」ということで。
とはいえ結婚式のめでたい雰囲気にはまるでマッチしないわりとシビアなテーマなんだけど、隣の山田昌弘著『結婚不要社会』や山口慎太郎氏『「家族の幸せ」の経済学』よりはオフェンシブじゃないかなーと…(笑)
行きと帰りの電車で第二章まで読んだので、来週は続きをじっくり読む予定。最後に読んだのはたぶん6,7年前でわたし自身のライフステージも大きく変わったので、また違った気持ちで読めそう。

③『わが心のフラッシュマン』←NEW

中島梓 著

「文学は飢えた子どもを救えるか?」という問いに対して、岸田秀の「人間は本能の壊れた動物である」というテーゼを用いつつ答えた一冊。幻想欲=物語は、飢えた子どもは救えないが、1日飢えを忘れてワクワク過ごさせることができる……と中島は述べている。

『人生を狂わす名著50』

実はこの本、本棚にある。しかも一度読んでいる。
6年前の今頃に友人にプレゼントされて読んだのだ。そして著者の中島梓氏といえば、この間Kindleで読んだ『コミュニケーション不全症候群』の著者である。
正直なところ、前回この本を読んだときはしっくりこなかったというか、とくに何の感慨も持たずにサラッと終えてしまった。せっかく勧めてもらって、しかも絶版だからと大事なお古を譲っていただいたのにもかかわらずこの体たらくで、だからずっと心の底に罪悪感が横たわっていたのだ。
『コミュニケーション不全症候群』を読んだ今だからこそ、読み返したらもっと面白さに気づけるかもしれない。そんな期待を込めてのリスト入り。


▼これまでの読書リスト


以下は、少しずつ少しずつ読む予定の本。

・『人生を狂わす名著50』

三宅香帆 著 / 今日マチ子 絵

今回はこちらから2冊がリスト入り。どんどん読むぞー!


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