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2泊4日のカタール遠征記(2日目)

さてさて、2日目を書かせていただきます。
2日目はこの旅の主目的であるアジアカップ2023のイラクvs日本戦。


1/19AM ドーハ観光(金曜礼拝)

さて、仰々しく金曜礼拝なんて書いてますが、僕はイスラム教徒でもないので礼拝に行くこともなく。

書いた理由は、金曜礼拝によるアウェイの洗礼。
この日から1日遅れでドーハに入った友人Yくんと合流。が、Yくんがハマド国際空港に着くや否や僕に電話。

「ドーハ市内に行く地下鉄が動いてないんだけど」

なんと。僕は高校以来、世界史とかをロクに勉強していなかったので忘れていましたが、敬虔なイスラム国家は金曜日の午前中は礼拝で仕事ができません。

そのため、金曜日である1/19の午前中は地下鉄のほか、バスなどの公共交通機関が動いていなかったというわけです。とてもとても勉強になりました…

そんなわけで、19日の午前中に計画していた旅程は全てスクラップ&ビルド。どうしようかと考えていても仕方ないので、Yくんにはタクシーでスークワキーフに来てもらい、そこで合流することに。

ホテルからスークワキーフまでの道のり

さてさて、Yくんにスークワキーフまでタクシーで来いと言ったものの、僕も移動手段としていた地下鉄が動いていません。

僕が取ったホテルはLa Villa Suitesというホテルでして、最寄駅は地下鉄GreenLineのAl Mansoura駅から徒歩5分程度のホテル。

ここから前述のMsheirebで乗り換え、1駅でスークワキーフ。
地下鉄にして、2駅分。まあしのごの言っててもしゃーないので、ホテルからスークワキーフまでおよそ3km弱、40分かけて歩きました。非常に健康的な朝です。
道中、目ぼしいものがあるわけでもないですが、写真撮りながら歩くと結構面白い。

ホテルから最寄りのモスク
僕は建設会社で働いてるので、いちいち工事現場が気になりました。アウトリガー付きのタイヤショベルは初めて見ました。
横断歩道のゼブラがカタール国旗の模様。面白いですよね。
ここは標識のシルエットが民族衣装を着ていました。

1つ大事なことを忘れていました。
ドーハの市街地は車線が片道4車線くらいあってめちゃくちゃ車が走っているのですが、そんなところを市民は飛び出して横断します。
何考えてんの、めちゃくちゃ危ないじゃん、と思うのが正解です。僕も初めはそう思いました。
しかしドーハ市内、恐ろしいことに信号が変わるのを平気で5分とか待つ上、ようやく歩行者用信号が青になっても10秒足らずで赤に変わります。

もはや正気の沙汰ではありません。しかし、それをみんな承知しているので、結構無理して渡ります。
ドーハ行って最初に覚えることは、赤信号を無視したor信号のないところでの横断です。これマジです。

ドーハ市内、車線がめちゃくちゃ多い。そして歩行者に優しくない…

さて、赤信号をいくつも無視したその先に、スークワキーフ。無事怪我もせず到着しました。

金曜礼拝ということで、前日とは打って変わって人がいません。そしてそこに突如現れる「かねもち」というひらがな4文字。あとで食べたんですが、雪見だいふくみたいなアイスの専門店でした。美味しかったです。

かねもち
人っ子ひとりいないスークワキーフ。

散歩

さて、ここでYくんと合流。何をするにも公共交通が動いてないので、とりあえずスークワキーフを散歩。

ここで彼はアラブ人の民族衣装である「トーブ」を購入。店の爺さんと交渉して3000円くらいで買ってたかな。

折角なので着付けもしてもらって、スークワキーフで記念撮影。本当にアラビアンコーストである。

イスラム美術館

スークワキーフで写真を撮ったあとは、前日に僕が1人で行った真珠記念碑とドーハスカイラインビューポイントを経由して、イスラム美術館に。もちろん金曜礼拝なので休業。

ただ、ご覧の通り外観がめちゃくちゃかっこいいので、見るだけでも楽しい。

カクカクの見た目がとてもかっこいい!
金曜礼拝で人がいないので、もはや家主になった気分になれました。

ここまででAMパートを終了としたいと思います。ちなみに朝ごはんはこの時ロクに食べられていません。

1/19PM イラクvs日本

さあこの度の最大の目的、アジアカップの日本代表戦の観戦です。海外アウェイで受けた数々の洗礼を書いていきますよ!!

Education City Stadiumまでの道のり

今回のイラク戦の開催地はEducation City Stadium(エデュケーションシティスタジアム)。
後に、ベスト8で敗れたイラン戦も開催したスタジアムですね。

ここまでは、メトロのGreenLineに乗って、ムシェイレブ駅から大体20分くらい。
ちょっと早めに行ったので地下鉄もそんなに混んでなく、イラク人に写真を求められて応じたり。

イラクキッズと記念撮影

第1の洗礼

その後、駅に着いてからスタジアムの入場ゲートまで徒歩10分くらい。するとその手前でイラク人集団に絡まれる。

ここで第1の洗礼。絡まれても、もはやファンサービスの領域で写真や動画に応じるわけではありますが、この時に「おい、このつり目野郎!」とシグナル付きで煽られるという、、笑

人生で初めてアジア人として差別を受けて、流石の僕もご立腹。
ちなみにこの時なぜか、「お前日本人じゃねーだろ!チャイナチャイナ!!」という、謎の否定をされるという。SDGsのへったくれもないイラク人、逆に好感を持ててしまうレベル。

この写真を撮ったくらいまでは笑顔でしたが…笑

第2の洗礼

とりあえず差別集団とさいならすると、今度は手荷物検査場。写真は撮れなかったんですが、金属探知機、X線検査と、空港の保安検査場と同じような感じ。

そこで第2の洗礼。
検査員「おい、お前これなんだ?」
僕「カメラです」
検査員「メディアパスを出せ」
僕「アマチュアカメラマンだからそんなんないよ」
検査員「じゃあ持ち込み不可」

ええーーー。なんと。本格的な一眼カメラは持ち込みが出来ないという。
ただ、記念撮影用にどうしても持ち込みたく、粘り強く交渉。
その結果、ボディとちっちゃい単焦点レンズだけは持ち込みできました。魚眼レンズと標準ズームレンズはクローク的なところに預けることに…

この時点でガン萎えなのですが、さらにこの後、これらをかっ消す様な第3の洗礼を受けることになろうとは。

さて、手荷物検査場を抜けるとスタジアムが見えてくる。道中では親日家のフィリピン人とかが、日本のグッズを持って歩いてる。
なんだか嬉しくなっちゃいますよね。

親日家のフィリピン人御一行
イラク人にも絡まれる。

第3の洗礼

さて、記念撮影をしながらスタジアムコンコースに到着。
すると、一緒に来たYくんと、チケットに記載の入場ゲートが違うため、一旦離れ離れに。

で、入場。ん、何かおかしい。3階…?
全席指定で販売している今大会。なんと僕のチケットはイラク側(正面左側)の3階席。

セクションが300番台だと3階席でした。

「いやお前、座席買う時にそんなん指定とかちゃんとしなさいよ…」
というご意見もあろうかと思いますが、こちらの座席割をご覧ください。
なんと、チケットのカテゴリは4つのみ。この中で左右、階層は全てランダム。

座席割。購入時にカテゴリー以外は選択できず…

ちなみにチケット購入時は、「(グレーではあるけど)指定場所じゃなくてもゴール裏に集まろう」
なんて友人らと話していました。

しかし、そこはさすが、仕事ができるアジアサッカー協会。なんと階層間の階段を全て封鎖し、移動を不可能にしていました。
友達に会いたいから下に行かせて、と言っても"No!"と一点張りのセキュリティのみなさま。そんなことに力を入れるなら、チケット購入時点で希望座席を取れるようにして…

もう、こうなってしまうと試合前から絶望です。今まで現地でスポーツ観戦を200試合近くした僕ですが、試合前からガン萎えして絶望の底に叩き落とされたのはこの試合が初めてでした。。笑

ガン萎えしながらもピッチをバックに撮ってもらった写真。
遥か彼方にULTRAS NIPPONの弾幕が見えますね。

しかししょげていても仕方がないので、近くにいた親日家の皆様に声をかけて即席で"NIPPON GOOD Boys"を結成。みなさん、試合前に無料配布してた日の丸を持って嬉々として振ってくれました。

こちらは一緒に応援してくれたフィリピン人のみなさま。
こちらは僕の持ってた旗を「よこせ!」と奪い取ったネパール人。
そんなネパール人と仲良く記念撮影。
こちらが一緒に応援してくれたネパール人のみなさま。
色々なことに絶望していたハーフタイムに、
「まあ元気出せよ!」とネパール人がコーヒーをくれました。

まあ試合内容、結果はみなさんご存知の通りなので特筆しません。とりあえず、統率もしていないのに自然発生的に起こるイラクの応援凄い。
360°見渡す限り、イラク人以外にもアラブ人全員がイラクを応援するという、半端ない中東アウェイを味わうことができました。

唯一持ち込んだ超広角レンズで撮影。

さて、試合後は外階段を通って一度退場し、日本ゴール裏へ。友人のYくんと4時間ぶりくらいの再会。
そして、僕のカタール行きを焚き付けたY氏(Yくんとは別人。ややこしくてすみません)によーやっと会うことができました。


1-2まけ!!

座席の件もあった上、試合にも負けてしまいガン萎えしていましたが、アウェイの洗礼はまだまだ続く…!

第4の洗礼

試合も終わり、弾幕の片付けも終わり、スタジアムを退場。
すると外はお祭り騒ぎ。イラクが日本に勝ったのは42年ぶりらしいし、そりゃみんなお祭りである。
そして僕らも歩いているだけで"2-1!!!"とすっごく煽られる。アラビア語分からんかったけど、とにかく煽られてるのはわかる。

しかし煽られっぱなしは性分ではないので「うるせえ!お前ら決勝でボコボコにしてやっから覚えとけよ!!!!」と言い返す僕。
そうすると無限に湧き出るイラク人たち。気づいたら100人くらいに囲まれてた。
ちなみにYくんやY氏は「決勝で会おうな!」と爽やかに返す。ヌルい。ヌルすぎる。お二方とも、育ちの良さが出過ぎです。僕の人としての未熟さが目立ってしまうばかりです。

めちゃくちゃ囲まれるし耳元で歌うし太鼓叩きまくるし、
やっぱりサッカーファンは万国共通でアホです。
威勢よく「優勝するのは日本だから!!イラクボコボコにすっから!!」と言っていましたが。両チーム早々に散りましたね。。笑

夜ご飯

幕を片づけながら、日本ゴール裏の皆さんと仲良くなり、Yくん、Y氏、さらに2人加えた5人で夜ご飯を食べよう!となりました。

しかしスタジアム周りでめぼしい場所もなく、じゃあスークワキーフで食べようかとなり、一旦解散してからスークワキーフで再集合。
夜のスークワキーフの雰囲気もとても素敵。

スークワキーフ北部の広場から望むイスラム文化センター。異国の建物って感じがしますね。
夜の雰囲気もまた素敵。
あと、カタールの建物全般なんですけど、日本で言う「鉄筋」が木炭なんですよね。
びっくりしちゃいました。

しかし、スークワキーフはどこ行ってもイラク人の集団がお祭り騒ぎ。ロクに歩くことすらできないし、店もどこも人でいっぱい。

と言うわけで、僕が前日に行ったDamasca One Restaurantへ。
店に入ると店員のおじさんが「昨日も来てくれたよな!?日本人だったのか!まあ元気出してくれ!」と僕を慰めてくれる。
いや覚えてるの凄いな。そんな規模の小さいレストランではないんだけど。あまりの優しさに泣きそうになりました。笑

料理は5人でシェア。どれもこれも美味しかったです。ワールドカップに行った日本人が口揃えてカタール料理微妙、と言ってたけど、このレストランはそんな高くないし味も美味しいし、本当にオススメ。

お肉の盛り合わせ
揚げナスの乗っかったサラダ
ピタパンとそれにつけるパテみたいなやつ
チーズとハンバーグ
中東風のチャーハンみたいなやつ

夜のスカイラインビューポイント

ご飯にも満足したし、せっかくだからみんなで夜のスカイラインビューポイントとか行こう!となり、夜散歩。

夜のウェストベイ。これまたカラフルでとても綺麗。

ワールドカップモニュメント

みんなで記念撮影だなんだした後に、「多分こっから西に行くと、ワールドカップのモニュメントがあるはずなんだよね」とY氏。
それじゃせっかくだしそっちも行ってみましょうと、お散歩は続く。

真珠記念碑から歩くこと10分、ワールドカップモニュメントが見えてきました。実は僕もカタール大会に現地入りする予定を立てていたのですが、ベスト16で敗退してしまったため中止に。
1年越しのワールドカップを味わうことが、少しだけできました。

次大会は1試合だけでも現地観戦したいなあと思いました。
一緒に応援は出来なかったけど、楽しい思い出。

と言うわけで、2日目は朝からしっかりアウェイの洗礼を食らいましたが、最終的には大変良い思い出となりました。

カタール遠征記、もうちょっと続きます。割と早く2日目の更新が出来たかなと思いますが、もうしばらくお付き合いくださいませ。

・・・追記

僕のアジアカップカタール行きを焚き付けたY氏のnoteは名作です。
リンク貼っておきますので、皆さんぜひ読んでください。世の中にはすごい人がいるんだなあと感心させられるばかりです。


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