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こみどりの下で

陽射しがきびしいことも

汗まみれの額も

ちょっとも好きじゃないのに

高木の並木道を歩いたり


緑のあふれる中で

銘々にひとやものことが

やって来ては過ぎてゆくのを

見つめていた


昨日とよく似た今日を

昨日の続きの今日を

だれもが似たようなことを

こだまのように為している


こだまするこゝろは

浅らかに降る蝉声に重なり

隠しておきたいものまで

夏の光があらわにする


いくつもの葉がわずかに動いて

からだの中に染まり込む

夏には日陰を

冬には日向を歩きたい


豊かな彩も美しいけれど
萌黄色から移ろった真夏の濃緑も好きです。

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