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覚え書きから下書き、そして

形を変えながら雲は流れ
雲路に沿うように
西日が山に沈んでゆく
そのような夏の終わり。

居なれた部屋での夕飯は
チキンライスに目玉焼きをのせて。
子どもたちとの会話の主旨は
24時間TVの感動を語り合います。
お腹にご飯がいっぱいおさまると
ケチャップの匂いで満たされた部屋が
しっとりとよい感じに落ちつきます。

今日のわたしの中には
今日までの日々が
たくさん詰まっています。
泣いて笑った数えきれない時間と
計り知れない思いごとに
ひとつひとつ触れてみました。
紛れもない今があるとゆうだけで
どれもこれもすべてがもう
しあわせじゃないかと
噛みしめるよりほかはありません。

カップアイスを食べました。
冷凍フルーツがのっている
コンビニのあの。
大きいのでやっと半分食べました。
ティラミスも食べました。
実は数年ぶりの
モスバーガーも食べたのでした。
本日大食いデーと呼ぶことにして
暴食を肯定したりしながら。



*****


痛い思いをして産み
わたしを抱える
美しい放物線を描いたような細い腕は
わたしに母というものの
確かな鼓動を伝えてくれました。
貧しくも健やかに育ててくれた母は
今、人生の清書に取り掛かっています。

人生のいち過程で
ノンフィクションであるし
あまりにちっぽけで
特別でも何でもなくて
過ぎし日のことなのですが
葉月の出来事を
記しておきたいと思って。

おかげさまでこの夏
またひとつ
歳を重ねられました。

いつの日かわたしも
母にならい、すてきな清書が
書けることをこゝろに
置きつつ。


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