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「自分らしさ」と街の居場所を考える――『インフォーマル・パブリック・ライフ』が問いかけるもの

今年の5月に発売された、飯田美樹さんの著書『インフォーマル・パブリック・ライフ』を読みました。

『インフォーマル・パブリック・ライフ』は、現代における「街のあり方」や「居場所」についての考察が記された本です。特に「サードプレイス」としての役割を果たす場所、すなわち仕事や家庭とは異なる、リラックスして自分らしくいられる場所が重要視されています。街のデザインや交通システムが人々のライフスタイルに与える影響や、誰もが気軽に訪れ、予期せぬ出会いや心地よさを感じられる場所づくりについて、具体的な提言がなされています。

本を手に取ったきっかけ

所属するGreenCitiesの代表であるミツさんとの対談イベントが9月13日に開催されることきっかけに手に取りました。

『インフォーマル・パブリック・ライフ』の意味に興味を持ち、人が惹かれる街のルールが記されているとのことで、現在私が関わっている南砺市井波のまちづくりにも参考になる部分があるのでは、と期待して本を開きました。

メモ

詳しく書くとネタバレになるので印象的な言葉とメモを箇条書きで記します。

・インフォーマルパブリックライフとは、気楽に行けて、予期せぬ誰かや何かに出会えるかもしれない、あたたかみのある場所
・現代に求められているライフスタイルは、ヒューマンスケールで自分らしくあれる生き方。それを可能にする街のあり方には、まちのデザインや交通システムが大きく影響する
・インフォーマルパブリックライフの核は「サードプレイス」。肩書や社会のコードから一旦離れ、リラックスし、自分らしくいられる場
・インフォーマルパブリックライフがもたらす意義
 ①身分を超えて混じり合う「ソーシャルミックス」
 ②視点を変え、視野を広げる→「そんなんありか!」の価値観と出会える
 ③本来の自分自身になれる
・自分らしくいられる瞬間はどんなとき?
・若い女性が惹きつけられるキラキラ感とは、世界とつながっていることや最先端に触れられていること:スタバが例
・自分の行動範囲から近い場所で短時間で気分転換できる
・歓迎されていると感じるデザイン→自分は場ちがいだと思わせない
・母親にとって大抵の公園は、自分のしたいことができず、長居したくない場所→インフォーマルパブリックライフを体現する公園は、大人も子どもも好きなように過ごしていられる
・エッジのあたたかみがある空間

読んでみて

『インフォーマル・パブリック・ライフ』は、それぞれの地域においてすべてを叶えられるものではないかもしれません。真似できることを小さく試していきたいなと感じています。なによりも、飯田さんが等身大の状況にフォーカスし、徹底的にその場所や人びとの“違和感”や“惹きつけられる理由”を言葉にしている点がこの本の魅力だと感じました。これまでなんとなく気に入って足を運んでいる場所だったり、なんとなく違和感を感じているまちの状況というものを、自分と向き合って素直な目線で言葉にしていくことも必要だと感じる一冊でした。これからの地域での活動のなかで「自分らしくいられる瞬間や居場所」について、周りの人たちと対話を重ねていきたいと思います。

著者の飯田さん(左)
ミツさんと飯田さんのトークイベントの様子

トークイベントの内容についてはGreenCitiesのnote記事にて公開予定です!後日この記事にリンクを追記しますね。

ご覧いただきありがとうございました!

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