読書記録『グスコーブドリの伝記』

ブドリは受話器を置いて耳をすましました。雲の海はあっちでもこっちでもぶつぶつぶつぶつつぶやいているのです。よく気をつけて聞くとやっぱりそれはきれぎれの雷の音でした。

宮沢賢治 著/青空文庫

雑なあらすじ

働き者で勤勉な若者グスコーブドリが自然と人が共存する理想郷イーハトーブで一生懸命生きる物語

雑な所感

高校の生物の授業で窒素固定という言葉を習った。
窒素固定は大気中の窒素を栄養に変えるプロセスのことで、畑に住む細菌(作物の根にいる根粒菌)なんかはこの窒素固定を実現できる。
畑の雷はこの窒素固定の触媒となるそうだ。
宮沢賢治はこの窒素固定を理解してるんだ、という先生の言葉が気になっていたが、この話に出てきた「窒素肥料」はまさに窒素固定の話と重なった。
よく観察して研究していたようだ。宮沢賢治の田舎愛をしっとりと感じた。

ちなみに、注連縄が五穀豊穣のお祈りに使われるのも、雷と雨雲を模しているからで、窒素固定により畑が豊かになることに気付いた先人がいたからだそうな。本当かな。

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