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電車の中、しょうがいと非社会的行動の狭間との出会いから


いつもは乗らない電車での出来事。

私のしたことはよかったのか?
もし私が何もしなければ、
どうなってたのか?

形は違うけど、「しょうがい」と名のつく
子の親として、
子育て支援や地域活動に携わってきた経験からして、
少ーしもやついてるから
ここに書いていきます。

その行動はやばい?!

電車ドアすぐ脇の横すわり席の端っこに私。
その私の隣にある
ついたてとつかまり棒を挟んで、
気がついたら
私の身体半分斜め前に立っている青年。

寝不足な私はうつらうつらと
目を閉じていたけれど、
青年の動きがそれを妨げるように、
気になり出した。

落ち着きなく、やたらと手を動かしている?
なんとなく視界に入る程度だけど、
視線をそこにまっすぐ向けていないけれど
「気になる」くらいの落ち着きのなさ。

から、
青年の右手指先が自身の股間を
トントントントンと
小刻みに、でもはっきりと強く
叩き出した。

ん!!!!
それはやばくない!!!!!
なんだろ!!!!!

見てはいけないような
心理が働きながらも
その動きは気になる!!!!

という思考から、
『もしかしたら、なにかしらの「しょうがい」があるのかも!』
と、数秒して思考変換されたら、
色々と納得。

見た目、落ち着きのなさ、
通常では受け入れ難い仕種。

あー、彼は今、
緊張しているのか 
すごく不安なのか
頑張りすぎているのか
怖いのか心配なのか

何か心の動きがあって、

それをどうにかするために、
多動と言われる行動なのかも。

そう思うと、私の心は
一つ整理されたけれど、

斜め前にいる20歳前後の女子二人が
何やらスマホでメッセージを送り合い
笑い出している

「マジ、やばすぎーーー。笑笑!!!」

二人でメッセージやりとりしては
笑いをこらえても堪えられない様子。

   青年の仕種のことでないと
   いいんだけど、、、、

まっすぐに見れないけれど、
なんとなく、
なんとなく、

斜め前の女子は
時折青年を見ては
顔を下に向けて、
笑いを堪えているように
見えてしまう私。

それを感じてか
それは全く関係なくか、

彼の股間を叩く動きは
時々止まるんだけど、

手をどうしたらいいかわからない様子で、
爪を噛んで、
頭をかいて。

さらに、
柔らかげな素材のTシャツをめくりあげ、
ズボンのベルトを緩めようとする!!!!

けど、
思い直して、
Tシャツの裾を両手で
2、3回、グッと下にひっぱり
意識を取り戻す感じ。

  大丈夫かなー。
  大丈夫じゃないよねー。

  がんばってるんだ。
  わかっているけど、止められないんだな。
  うーん、どうしたらいいんだ?
  サポートできることある?

  席を譲ろうかー。

  いや、
  むしろ座ってじっとしてる方が
  辛いかもしれないしー。
  
  どうしたらいいかわからない「手」の
  やり場として、つかまり棒をすすめて
  みようかなー。

  いや、でも、知らない人に急に
  そんなこと言われてパニックに
  なるかもしれないしー。

そんなことを頭の中でグルグルさせながら、
彼が少しでも気持ちが落ち着くことを願い、

また、斜め前の女子たちの笑いの元が青年の仕種だとしても、
青年が気にしていないことを願い。

でも彼の落ち着きのなさはエスカレートしていく感じ。


我慢の限界!

なんとか電車を降りるまで
持ち堪えて欲しかったけど、
私の願いとは裏腹に、
急に!
ものすごい速さで、
Tシャツをめくりあげ、
ズボンのベルトを外しにかかり
ズボンを下げようとするもんだから


「それはしません」

咄嗟に、
手を伸ばし、
青年の背中なのか腕なのかに触れ、
静かに、かつゆっくりはっきりと
声に出して伝えました。

その私の言葉に青年は我に返ったのか
外す時と同じ速さで
ズボンのウエストを持ち上げ、
ベルトをしっかりと締め、
私に背を向け
静かに動きを止めるように。

「よくできました」

ベルトを締め出した青年に
そんな言葉を伝えながら、

  脱がなくてよかった

と、安心感。

笑笑の斜め前の女子たちは
顔つきが変わり下を向いて
さっきまでの笑いは無かったことに。
スマホのやり取りも終了。

笑笑の女子以外の乗客たちは
気がついたのか気がついていないのか
わからないようにしながら、
変化なしの様子を装う妙な空間。

それからほんの1〜2分あったかなかったかで、
次の駅につき、
青年は元々の多動的な動きなのか、
または私に声をかけられ
体裁悪く感じてなのか、
はたまた自分の行動に
恥じらいや後悔を持ってなのか
落ち着きなく電車からホームへ。

青年がいた場所には
入れ替わりにドヤドヤと
沢山のJKが乗り込んできました。

 青年は元々ここの駅で
 降りるはずだったのかな? 

 あの出来事が
 こんなにも沢山のJKと
 一緒じゃなくてよかった。

気持ちを重ねての願いと想い

私は私で、
発達しょうがいの診断ある
長男の進路候補のひとつとして、
障害者限定の3日間のスクール体験のため、
長男といつもは乗らない
電車に乗っていてのこと。

隣の長男は
ずっと与えた本を読んでいて、
多分全く気にしていなかったはず。

長男はその青年とは
タイプや特性は違うけれど、
社会の中でひとりで行動するには
少しずつ体験して
少しずつ安心を持っていかないと
難しい。

その青年にも親がいると思われ、
どんな思いで、
彼を電車に乗せているのか。

心配したらキリがない。
不安を全面に出したら何もさせられない。

  青年を信じて、社会の中に出す勇気。

でも、その社会の中で、
意図せず、
非社会的な行動を我が子がとってしまったら。

周りがそれを理解できず、
笑い物にしたり、
犯罪扱いにしてしまったら。

たまたまたまたま
隣にいた私。

これが、ドアひとつ違っていたら。

笑笑の女子も悪いわけではない。
そんな行動、目の当たりにしたら、
どうしたらいいかわからないし、
友達がそこにいたら、
その驚きの気持ちを
笑いあえた方が安心になるんだと思う。

普段電車に乗らない私は、
慣れない電車で
何をしたらいいかわからず、
目を閉じていたり、
景色を見たり。

車内のほぼ9割はスマホを見て過ごしているし。

みんな何かしらのことをして、
電車という社会の中で
自分を保つ手段や
自分の世界を
何かしらで作っているんだと思うんだけど、

その青年は、その行動が
えっ!!!!と思わせる仕種だったもんだから、、、、、。


誰か、
「電車ではこうしているといいよ」って、
適切な行動を具体的に、
かつ、青年が苦痛でなく安心できる
何かを伝え、
できたら認めて、
一緒に喜んで、
青年が安心して電車で過ごせるようになるといいなぁ、、、、、とは
私よがりな願いかな。

毎日、青年が電車に乗っているのかいないのかもわからない。

たまたまその時だけ居合わせた
私が何かできるわけではない。

青年の姿と
これから社会に出ざる得ない長男と、
青年の親と私の気持ちと、

色々重ねてしまって

あれでよかったのかな、、、、。
あの時はあれでよかったかもだけど、、、、。

もしその青年が
ヘルプマークをつけていたとしても、
きっと周囲はなにも変わらなかったんじゃないかとも考えたり。

今ここでの答えはなく。

この経験は
これからの私に必要だったこととして、
理解しやすい知識と社会に貢献したいなんて、
簡単に言えないけれど

少なくとも、
「人ごとにしない」私では居続けたい。




サポートいただけたら嬉しいです。今は自立が難しい長男のアート作品を使ったグッズ制作販売やそのためのスキル取得など、彼と共に生きる術に活用します。