ご質問にお答えします!『話を聞くのも苦手…というジャンルがあります』
脚本家志望の方から、こちらのご質問をいただきました。
ご質問、ありがとうございます。
質問者さんがこういう不安をお持ちになったのは、2020年1月クールの地上波の連続ドラマに医療モノが多かったことの影響ではないかと思います。
このように特定ジャンルの作品が集中して制作されることは今後もあり得ますが、時が経てばあっさり別のジャンルに取って代わられるような、「一時的な流れ」と考えるのが自然ではないでしょうか。
ですので質問者さんにとっては、病気の話題が苦手であることを気にするよりも、本質的な筆力を上げることの方が、何倍も、何十倍も重要だと私は思いますし、そちらに注力されることをお勧めします。
……とはいえ、脚本家を目指しているのであれば、「面白いと感じられることの範囲が広い人ほど有利」だとも感じます。
おそらくその傾向は、小説家よりも脚本家の方が顕著です。
例えば、私は過去に一流ホテルを舞台にしたドラマの脚本を書きましたが、この作品に携わる前からホテル業に詳しかったわけではありません。
まずは「ホテルを舞台にしたドラマ」が企画として成立していて、その作品に参加することになったことから、ホテルに関するリサーチを始めて知識を増やしていきました。
このように脚本家は「〇〇を題材とした作品/××という小説を原作とする作品の制作が決まったので、脚本を書いてほしい」という形で依頼を受ける場合があります。
その際は「まず、題材となっている分野に関して学ぶこと」が執筆の第一段階となることが多いです。
小説家の場合、執筆依頼の際に題材の指定をされることは珍しいのではないかと思いますが、脚本家にとっては珍しい話ではありません。
そうなると、「それまで興味を持ったことのない分野に関して情報を集めること、知識を増やすことを楽しめる人」が有利になるわけです。
仮に書き手が「この題材で書けって言われたから書くけど、別に興味はないんだよね……」と思っていると、隠しているつもりであっても、不思議なほど読み手にはっきりと伝わります。
誰にでも嫌いなことはあって当然だと思いますが、未知のことを知るのは基本的に楽しいことだとも思いますし、可能な限り多くのことに興味を持つ姿勢は、脚本家を目指す上でプラスになるだろうと思います。
これからもお互いがんばりましょう!
ご質問のある方はこちらからどうぞ。
※シナリオコンクールの規定、審査基準に関してはお答えできませんので、その点はご了承ください。
脚本、小説の有料オンラインコンサルも行っていますので、よろしければ。
これまでに脚本家志望のみなさんからいただいたご質問への回答は、こちらのマガジンにまとめてあります。
#脚本 #シナリオ #エンタメ #質問 #マシュマロ
***********************************
Twitterアカウント @chiezo2222
noteで全文無料公開中の小説『すずシネマパラダイス』は映画化を目指しています。 https://note.mu/kotoritori/n/nff436c3aef64 サポートいただきましたら、映画化に向けての活動費用に遣わせていただきます!