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ご質問にお答えします!『コンクール受賞後について』

脚本家予備軍の方から、こちらのご質問がありました。

送ってくださった文面からの推測でしかありませんが、質問者さんが「何らか問題のある対応」をしている確率は低いのではないかと思います。
私のプロットライター時代を振り返っても、何度か同じような経験がありますし、質問者さんは度々こういった経験をされているようなので、私の認識よりも「よく起きること」なのかもしれませんね。
だからといって、「この業界ではそういうものと考えて受け入れるしかない」とは私は思いません。
そこで、過去の自分の対処法をもとに、「もし今、私が質問者さんの立場だったらこうするだろう」ということをお伝えしたいと思います。

例えば最初に書かれているケースならば、返信を待ち続けるだけでなく、「〇月×日付のメールは届いていますでしょうか? メールトラブルで届いていないかもしれないと思い、ご連絡させていただきました」と自分から再度メールすると思います。
「プロット依頼の相談を受けた」というのが、明確に「執筆を依頼された」ということなのか、「とりあえず原作を読んでみてください」と言われた程度なのかが分かりませんが、「プロット執筆を引き受けること」を前提としたやりとりがあったならば、先回りをしてプロットを作成し、それを「先日のメールは届いていますか?」のメールに添付した上で、「原作を読んで自分なりに考えてみた結果、『ドラマ化する際の見どころは〇〇ではないか?』と思い、その前提でプロットを書いてみました。お手すきの際にお目通しいただき、ポイントがずれていたらお知らせいただけますでしょうか?」といったことを書き添えると思います。
いわゆる”叩き台”となるプロットがある方が、先方は返答がしやすいだろうと思いますし、こちらの積極的な姿勢が伝われば、この企画の優先順位が上がることにも繋がるのではないかと思います。

ただし私の場合、どんな相手に対しても上記のような対応をするわけではありません。
深追いしない場合もある、ということです。
それはどんな時かと言えば、例えば極端にぞんざいな言動をされ続けている等、相手を「信頼できない人物だ」と感じている場合です。
「知り合って間もない人なので、その判断が難しい」という場合もあるかと思います。
もしそうならば、「二度目の連絡に対して返答が来るかどうか?」「返答が来たなら、それはどんな内容か?」ということを判断材料にして、その後の対応を決めてはどうでしょうか?

ここまで書いているうちに思い出しましたが、あるシリーズ物の企画案を募っているプロデューサーから、
「連日大量の企画書が届くため、全員に返信することは不可能です。見どころがあり、『次のステップに進もう』と判断した企画書に対してしかお返事できないので、その点は了承してください」
と言われたことがありました。
事前にこう明言されていれば、提案する側は不必要にモヤモヤせずに済みますよね。
もし、この投稿を読まれている方の中に同じ状況のプロデューサーがいらっしゃったら、是非このように対応していただければと思います。

コンクールで受賞する等して、「脚本家志望者」から「脚本家予備軍」にステップアップするのは喜ばしいことですが、その時期に特有の悩みも色々あり、大変だと思います。
ですが、今回のご質問の件に限らず何事も、「仕方がない」とあきらめたり、受け入れたりしてしまう前にできる限り知恵を絞り、ご自分なりの対応を考えてみることを私からはお勧めしたいです。
そういった粘り強さ、「何とかしようとする力」は、脚本家を職業としていく上で大切なものだと思います。

これからもお互いがんばりましょう!


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※シナリオコンクールの規定、審査基準に関してはお答えできませんので、その点はご了承ください。



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