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ご質問にお答えします!『リサーチはどのように行っていますか?』

脚本家志望の方から、こちらのご質問をいただきました。

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ご質問ありがとうございます。

特定の事象を作品の題材とする場合や、主人公の職業がストーリー内で重要な役割を持つ場合、ある地域を舞台とし「その土地ならでは」のストーリーを描く場合など、脚本を書くにはさまざまなリサーチが必要ですね。

私のリサーチ方法は、主に以下の四つです。
「書籍によるリサーチ」、「ネットによるリサーチ」、「対面取材」、「現地取材」

それぞれ具体的にご説明していきましょう。


【書籍によるリサーチ】

「正確な知識、情報」を得る方法としては、校閲、編集を経て出版されている書籍が、信頼性が高いと考えています。

図書館を利用すれば、費用を抑えつつ正確な情報を豊富に得ることができます。
具体的には、地域の図書館のネットサービスを利用し、「キーワード検索でヒットした書籍を、貸出冊数の限界まで借りる」ということを頻繁に行っています。
借りたものは一通り目を通して、役立つ部分を書き出して独自の資料を作ります。
また、読み終えた中から、決定稿になるまで手元に置いておいた方が良いと思う書籍や、他の作品の資料にもなりそうな書籍を選び、それらは購入します。

【ネットによるリサーチ】

ネットでのリサーチは手軽ではありますが、信頼に足る情報なのかが判別しきれない場合もあるので、「正確な知識、情報を得るため」というより、「個人の意見、体験を知るため」に使うことが多いです。

具体的には、各種SNSで主要登場人物と共通点のある人のアカウントを見つけて、日常投稿を読み込むことが多いです。
例えば過去作品に「中高一貫の男子校の生徒たちの群像劇」があるのですが、それを書いていた時は、現役の男子校の生徒のアカウントを見つけては、言葉遣いや興味の対象などを観察していました。

最近は、自分の仕事や日常についてYouTubeで発信している人も多いので、それらを参考にすることもあります。

【対面取材】

「”お仕事モノ”を書く場合に、実際にその職業に就いている人への対面取材をする」といったこともしています。
その際に大切なことは、以下2点だと思います。
1)事前に書籍やネットでのリサーチも行い、基本的な事項は把握しておくこと
2)ある程度、原稿を書き進めた段階で取材させてもらうこと

基本事項を事前に把握しておくことで取材内容が充実しますし、ある程度まで原稿を書き進めていれば「書籍やネットでのリサーチでは調べきれない疑問点」が浮かびあがってくるはずです。

具体的な取材経験をご紹介すると、2020年の緊急事態宣言中に「オンラインキャバクラ(ネット上でキャバクラの接客が受けられるサービス)」で働いている女性に取材を行っています。
一般のお客さんと同様に予約を取り、料金を支払った上で、「実は脚本家なので、取材をさせてほしい」とお願いして、話を聞かせてもらいました。
その上で、以下のリモートドラマの脚本を書いています。


【現地取材】

いわゆる”ご当地モノ”を書く場合などは、限られた時間であっても現地で過ごし、そこで暮らす人と接するようにしています。
これによって作品のリアリティが増しますし、発想も膨らみやすくなります。

例えばこちらの作品は、舞台である石川県珠洲市で取材を行った上で書いています。

現地取材の補足として、「その地域のラジオ放送を聴く」ということもします。
radikoのプレミアム会員になれば、全国のラジオ局の番組が聴けますし、地域のコミュニティFMの放送は、ネットで聴けるものも多いです。

リスナー参加型の番組ですと方言が聞けたりもしますし、その地域の人ならではの関心事が掴めたりもして、参考になる部分が多いです。

これからもお互いがんばりましょう!

ご質問のある方はこちらからどうぞ。
※シナリオコンクールの規定、審査基準に関してはお答えできませんので、その点はご了承ください。


脚本、小説の有料オンラインコンサルも行っていますので、よろしければ。


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#脚本 #シナリオ #エンタメ #質問 #マシュマロ
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