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ご質問にお答えします!『新人脚本家がステップアップする方法』

新人脚本家の方から、こちらのご質問がありました。

プロットライターとは

まず、脚本家志望の方々以外の皆さんのために「プロットライター」とは何かをご説明しておきます。

ドラマにせよ、映画にせよ、企画が立ち上がった後、すぐに脚本家がシナリオに着手するとは限りません。
多くの場合はまず、シナリオの前に「プロット」が作成されます。
「プロット」は、ストーリーの展開やキャラクターがある程度まで把握できるように書かれた「あらすじ」のようなもので、脚本家がプロットを書く場合もあれば、脚本家とは別に、プロットを書く役割だけを任される人がいる場合もあります。
この「プロットを書く役割だけを任された人」がプロットライターです。

プロットライターは、”脚本家予備軍”と呼ぶべき状況の人(例えば、シナリオコンクールで入賞する等、何らかの客観的な評価は受けているが、まだプロデビューはしていない人)が担うことが多いです。
この場合はプロットライターを務めることが、プロデューサーとの繋がりを作ることにもなり、プロットライターとして評価されれば、脚本家デビューに繋がる場合もあります。

以下ご質問への回答です。
ご質問が複数ありますので、一つずつお答えしていきます。

ご質問1)プロットライター期から抜け出すために意識していたことは?

私はこちらの投稿に書いたことを意識していました。

上の投稿では「キャラ立ち」と表現していますが、言い換えるなら、「自分と同様のプロットライター期の人たちの中で埋もれてしまわないよう、自身の差別化ポイントを熟考し、それを適切にアピールすることを意識していた」ということです。

ご質問2)プロデューサーへの営業活動はしていた?

「プロデューサーへの営業」というのが具体的にどんな行動を指すのか、よく分かっていませんでしたので(正直、今でもよく分かりません)、お返事としては「していなかった」ということになります。
ただ、広い意味で言えば、1)に書いたようなことも「営業」なのかもしれません。

一般的なイメージとして営業マンがしそうな行動、つまり「アポイントを取って顧客、クライアント候補に会いに行き、商品やサービス(つまりは自分自身)の良さを伝える」「飲食等を共にすることで打ち解け、親近感を持ってもらい、それを仕事の受注に繋げる」といったことは、したことがありません。
ですが、「私はしていなかった」というだけで、この種の行動が無意味だと言い切ることもできません。
上記1)にも書いた通り、「自分の差別化ポイントの見極め」が重要だと思うので、この種の売込みが得意な人ならば、良い結果に繋げられるかもしれません。

ご質問3)事務所に所属したのはどのぐらいのキャリアの時?

私の場合、映像作品デビューのきっかけは「後に所属することになる事務所が主催する、新人脚本家・脚本家志望者向けのワークショップへの参加」でした。
そのワークショップを通して企画提案やプロット執筆、舞台作品の脚本執筆等の機会を得ることができ、それぞれの結果に対して一定の評価を得られたことが事務所所属に繋がりました。

正式契約前に「事実上、所属脚本家に近い状態」の時期もありましたし、キャリアを豊富に積んでから所属したのではなく、「新人」と呼んで差し支えない状態で契約に至りました。


ご質問4)事務所に所属したことで、仕事の幅は広がった?

こちらの投稿に書いた通り、私は事務所所属には十分メリットがあると感じています。
但し、上記3)の通り、新人の頃から事務所所属なので、「所属前と後の変化」は経験していません。
そのため、「事務所に入ると仕事の幅が広がる」と言い切ることもできないわけですが、自分自身に営業のノウハウがない人であっても、「事務所の営業力」を活用できるようになるのはメリットだと思います。

十分注意すべき点は、「事務所ごとに、契約時の条件やマネジメントの方針に違いがある」ということです。
所属を検討する際は、しっかりと情報収集をされることをお勧めします。

あれこれ書きましたが、何よりも重要なのは「引き受けた仕事で良い結果を残すこと」だと思います。
「『ぜひやりたい!』と思える仕事を連れて来てくれるのは、過去の自分の仕事の成果」というのが私の持論です。
野球に例えると、バッターボックスに立つ機会がもっとほしいなら、まずは限られたチャンスの中で確実に結果を残すことが一番重要なはずです。
監督やコーチにうまく自分を売り込むスキルも、あればあったに越したことはないでしょうが、「試合で結果を残すこと」こそが何よりのアピールとなり、上手な売込みなどできなくても、監督やコーチを「起用したい!」という気持ちにさせられるはずです。


これからもお互いがんばりましょう!


脚本、小説の有料オンラインコンサルも行っていますので、よろしければ。

ご質問のある方はこちらからどうぞ。
※シナリオコンクールの規定、審査基準に関してはお答えできませんので、その点はご了承ください。



これまでに脚本家志望のみなさんからいただいたご質問への回答は、こちらのマガジンにまとめてあります。

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