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ご質問にお答えします!『学歴や経歴にコンプレックスがあります』

脚本家志望の方から、こちらのご質問をいただきました。

ご質問ありがとうございます。
まず最初にお伝えしたいこととして、「脚本家ってみんな大卒」ではありません。
あえてどなたが、とは書きませんが、有名作品を数多く書いている方で、質問者さんと同じ高校卒業の方もいらっしゃいます。

また質問者さんは、ご自分に「人材としての武器がない」と感じていらっしゃるとのこと。
脚本家にとっての「人材としての武器」とは何かといえば、「観る人の心に響く作品が書けること」に尽きます。
仮に、いわゆる”業界人”に「脚本家にとって何が武器になると思いますか?」と尋ねれば、筆力以外に「コミュニケーション能力」ですとか「柔軟性」「粘り強さ」等々、いろんな答えが返ってきそうな気がしますが、これらはすべて「筆力があった上でのプラスアルファ」でしかありません。
言い換えれば「面白い脚本が書ける人」であれば、あとは「なんでもあり」だと私は思っています。

今、質問者さんが「人材としての武器がなくて落ち込んでいる」のであれば、考えるべきは、「どうやってプロになれるだけの筆力を身につけるか?」です。
「大卒じゃないこと」を思い悩んでいる場合ではありません。

ご質問の最後に「努力やスキルでどうにかなるものでしょうか?」と書かれていますね。
「たとえ自分に自信がなくても、努力次第で脚本家になれますよ!」とお答えしたした方が私の好感度はあがるんだろうな……とは思いますが、このマガジン『脚本家志望の皆さんのご質問にお答えします!』は、誠実にお答えすることをモットーとして続けてきていますので、その方針でお返事をしたいと思います。

脚本家に限らず、あらゆる職業には「向き、不向き」があります。
特に脚本家は、向き、不向きの傾向が強い類の仕事なのだろうと感じています。
ですので、私から「自信のない人でも、努力次第でどうにかなりますよ」とお答えすることはできません。
頑張ってもなれないこともあり得る、ということです。
さらに言えば、努力するのは”基本のキ”です。
本気で目指している人は全員努力しているはずですし、そういう人のなかで競り勝つ必要があります。
その意味でも、ご自身の経歴について悩んでいる場合ではないと思います。
悩んでいる分の時間も、筆力を上げるために費やした方がいいです。

……と、スパルタっぽいことをあれこれ書きましたが、私が脚本家を目指していたころにも、「どんなに頑張っても、なれないんじゃないか?」「そもそも向いていないのでは?」と思い悩んでいた時期があります。
その時期にさんざん考えて私がたどり着いた答えは、
「向いていようが、いなかろうが、とにかく私は書きたいから書くんだ」
ということです。
そして、「結果として脚本家になれないなら、努力したって無駄だ」と考えたりはせず、プロになれないかもしれないと分かっていながら書き続けていること自体が、私が脚本を書くのに向いているという証拠なんだ、とも思っていました。

これと言った根拠もない思い込みのようなものですが、それでも当時の私が自分なりに考え抜いてたどり着いた答えでした。
そして、こう考えられるようになってからは無闇に悩んだり、迷ったりすることは随分少なくなったように思います。

その辺りのことをこちらの投稿にも書いてありますので、よろしければ。

これからもお互いがんばりましょう!

ご質問のある方はこちらからどうぞ。
※シナリオコンクールの規定、審査基準に関してはお答えできませんので、その点はご了承ください。


脚本、小説の有料オンラインコンサルも行っていますので、よろしければ。


これまでに脚本家志望のみなさんからいただいたご質問への回答は、こちらのマガジンにまとめてあります。

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#脚本 #シナリオ #エンタメ #質問 #マシュマロ
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