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ご質問にお答えします!『タイムトラベルものの書き方について』

先日、こちらの投稿で「タイムトラベルもの」の脚本の人物表の書き方についてお答えしました。

その後、別の方からこちらのご質問もいただきました。

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脚本家志望”ではない”みなさんのために、念のため補足します。
脚本上にセリフを書く場合、

中川「おはようございます」

のように、セリフの頭に話者の名前を表記するわけですが、質問者さんが書かれた作品はタイムトラベルものだったため、「57歳の辻村という男性」と「20歳当時の辻村」が同時に出てくるシーンがあり、その場合は、

辻村57「おはよう」
辻村20「おはようございます」

のように表記されていた、ということです。

ご質問には「それで合っていたでしょうか?」とあります。
まずお伝えしておきたいこととして、「タイムトラベルものを書く時のルール」というものが明確に存在しているわけではありません。
仮に同じ条件で複数のプロの脚本家が書いたとして、全員が同じ表記を選ぶとは限らないということです。
では各自がどのように表記方法を選ぶかといえば、「一般的な書式に従いつつ、書き手の意図が初見の人にも伝わるような表記を選ぶ」ということになるでしょう。

この前提で私が考えるならば、

辻村(57)「おはよう」
辻村(20)「おはようございます」

のようにすると思います。

質問者さんの書き方とほぼ同じですが、年齢を( )でくくってありますね。
これは、人物表、ト書きで年齢を書き表す際は( )を付けるという一般的なルールに従っています。

だからと言って、必ずしも「私の書き方が正解で、質問者さんの書き方が不正解」というわけではありません。
くり返しになりますが、重要なのは「書き手の意図が初見の人にも伝わること」です。
セリフ部分だけでなくト書きも含めて、冒頭から質問者さんの原稿を読んでいった場合に、ストレスなく「これは57歳の辻村のセリフで、こちらは20歳の辻村のセリフだな」と理解できるのであれば、それで問題ありません。
私は質問者さんの脚本全体を読んでいるわけではないので、「おそらく『 辻村57 辻村20』でも伝わったんじゃないかな?」と推測することしかできません。

今後も作品を書き続けていくと、同種の問題に出くわすことがあると思います。
全てのジャンルのあらゆるシーンに対して個別のルールが存在しているわけではないので、書き手自身が判断をしなくてはならない場合も多々あります。
迷った時は、身近な人に原稿を読んでもらい、意図が正しく伝わっているか確認されることをおすすめします。

こちらの投稿も参考になると思いますので、よろしければ。

これからもお互いがんばりましょう!

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