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ご質問にお答えします!『明るい脚本を書きたいのにうまく行きません』

脚本家志望の方から、こちらのご質問をいただきました。

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ご質問ありがとうございます。

「明るい脚本を書くにはどうしたらいいですか?」というご質問からお答えします。
まずは、明るいトーンの作品のインプット量を増やすと良いのではないでしょうか。
完成した作品を観賞することも、脚本を読むことも、両方できるとより良いと思います。
そして「観賞するだけ」「読むだけ」では終わらせずに、「私はどうしてこの作品に惹かれるのか?」ということを自分なりに分析し、言語化することが重要ですね。

例えば、「なんかいいんだよねぇ」というのは「観客としての感想」でしかありません。
脚本家を目指しているならば、キャラクター、セリフ、ストーリー展開等々、色んな側面から自分の”グッと来たポイント”を「書き手の視点」で言語化することが大切です。
そうするうちに、「自分はこういうストーリーを書きたい」「こういうキャラクターを描きたい」ということが浮かびあがってくるのではないでしょうか。



二つ目のご質問は「ゼミの仲間と距離を縮めるために、なにかいい方法はないでしょうか?」とのこと。
まず前提として、脚本家も、脚本家になりたい人も、「社交的で底抜けに明るくて、学生時代はいつもクラスの中心人物でした!」みたいな人って少ないんじゃないかと思います。
(同業の人たちに怒られたらどうしよう……(笑)。)
だから質問者さんのゼミにも、質問者さんをウザがっているわけじゃなく、「そもそも人との関係を、”知り合い”から”友だち”に切り替えるのが、得意じゃないんだよね」という人がいるかもしれません。

私自身も、すごく理屈っぽくて面倒くさいところのある人間だと自覚していますし、例えば上述の「学生時代はスクールカースト上位者でした!」みたいな風情の人と出くわすと、内心「こういう人と何しゃべったらいいか分かんないな……」と思ってしまう性質です。

そうは言っても、仕事をしていく上でそういうキラキラしたオーラをまとった人とのコミュニケーションが必要になる場合もあります。
(何となくプロデューサーって、脚本家に比べるとキラキラ系の人が多い気がするんですよね。あくまで”個人の感想”ですけども。)
仕事の上では、そういう人とも自然にやり取りができますし、徐々にプライベートの話もするようになります。
これは決して「仕事だから無理をしている」ということではなく、相手との間に「原稿」が存在していて、コミュニケーションの入り口に「良い作品をつくりたいですよね!」という共通の思いがあるからだと思います。
「今からこの人と、脚本の話をするのだ」という前提があれば、心理的なハードルが消えるということです。

……という私の経験を踏まえると、質問者さんもゼミの人たちと「くだらない話や他愛のない話」をすることを目指すより先に、まずはお互いの作品について話をする機会を増やすと良いのではないかと思います。
ゼミ内では各自が作品の発表をすると思うので、休憩時間や授業後に、
「今日の○○さんの作品の主人公が面白いキャラクターだと思ったんですけど、どういうところから着想したんですか?」
という具合に話しかけてみてはどうでしょうか。
「あなたの作品に興味がありますよ」ということ示した上で質問をすれば、会話が弾みそうな気がします。

個人主義だったり、内省的だったりする人でも、自分の作品に興味を示してくれる人には好感を持つと思いますし、自作について語るのは単純に気分がいいので、話の糸口としては最適なんじゃないかと思います。
そこを入り口に距離を縮めていってみてはどうでしょうか。

これからもお互いがんばりましょう!

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