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ご質問にお答えします!『人脈の作り方を知りたいです』

脚本家志望の方から、こちらのご質問をいただきました。

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ご質問ありがとうございます。

「デビューするには、技術を上げるのはもちろんのこと、プロデューサーなどの制作側の人たちと繋がりを持つことが必要だと考えています」とのこと。
間違ってはいないと思いますが、質問者さんの執筆歴がどのぐらいなのか分からないので、無条件に「人脈作りもがんばってください」とは、私からは言えません。
例えば作劇を学び始めて日が浅い人が、「技術を上げること」と「プロデューサーと繋がりを持つこと」を同時並行で行うことは、私からはお勧めしません。
筆力が初心者レベルの状態でプロデューサーと出会っても、特に意味がないと思うからです。

立場を入れ替えて、プロデューサーの視点から考えてみましょう。
プロデューサー側も、有望な新人脚本家や脚本家志望者とは出会いたいはずです。
ポイントは”有望”であることです。
脚本家志望者はプロデューサーと出会ったり名刺をもらったりしただけでも、「人脈ができた!」という高揚感があると思いますが、プロデューサーは一般に非常に忙しく、例えばの話「まだまだ勉強中で筆力には自信がありませんが、やる気だけは負けませんっ!」みたいな脚本家志望の人に出会っても、「じゃあ、がんばってくださいね……」と思うのが関の山だろうと思います。
(実際にプロデューサーが、脚本家志望の人からの売り込みについて「やる気ありますって言われても、やる気あるのは当然だから、そこをアピールされてもね……」と言っているのを聞いたこともあります。)

逆に脚本家志望者として有望であることが客観的に分かる人(コンクールに入賞するなり、最終選考に残るなりしたことがある。自主制作作品が評価を得ている等)とであれば、いわゆるWin-Winの状態になるわけで、プロデューサーも積極的に出会いたいはずです。
ですので多くのコンクール主催者は、「入賞者を決めたら終わり」ではなく、入賞者とプロデューサーが繋がるための場を設けているのでしょう。
「脚本家志望者は客観的な評価を得ることで、自ずと出会いの場に恵まれる」という言い方もできますね。

脚本家志望の人が目指すところは、プロデューサーと出会うことそのものではなく、「出会ったプロデューサーに筆力を認められて、仕事に繋げること」ですよね。
1)プロデューサーと知り合う。
2)「原稿を読ませてほしい(あるいは、書いてみてほしい)」と言われる。
3)筆力を認められて、仕事を依頼される。
というのが理想の流れなわけですが、筆力がなければ、2)の段階でストップしますし、プロデューサーの心証を損ねることもあり得ます。
ですので、筆力に自信がなく、客観的な評価も得ていないうちは、むしろ出会わない方が良いぐらいでは?と個人的には思います。

逆に筆力がついたら、「出会うこと」にも積極的になった方が良いでしょう。
例えば、プロデューサーが講師を務めるワークショップやセミナーの類に参加すれば、出会いのきっかけになります。
SNSを積極的に活用しているプロデューサーならば、そこでのコミュニケーションをきっかけに距離を縮めることもできるかもしれませんね。(私が脚本家志望だった頃はSNSは今ほど広まっていなかったので、実践したことはありませんが。)

ともあれ、まずは筆力を上げる。
その後は人脈作りにも励む。
という順序でがんばってみてはいかがでしょうか。

これからもお互いがんばりましょう!

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