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ご質問にお答えします!『実在する場所を”柱”に指定したいのですが…』

脚本家志望の方から、こちらのご質問をいただきました。

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ご質問ありがとうございます。

脚本家志望ではない方もお読みになるかもしれないので、念のため補足します。
脚本を書く際は「シーンの頭の行で、場所と時間帯を指定する」というルールがあり、その部分を「柱」と呼びます。
例えばこのように書きます。

○中川のマンション・リビング・中(夜)


以下、ご質問への回答です。
まず「渋谷109」という柱は”あり”です。
柱、ト書きは簡潔に、スタッフ、キャストにとって分かりやすく書かなければなりません。
「渋谷109」であれば、スタッフ、キャストはあの外観を思い浮かべることができるでしょうし、若い女性向けのファッションビルであることも認識しているはずです。

次に「喫茶なかがわ」という店が実在しているとして、そこが脚本家にとっては馴染みの場所だとしましょう。
脚本家が実在の店をイメージすることで、筆が進みやすくなるということはあると思いますが、その店の知名度が低く、スタッフ、キャストが知らないならば、店名を書いたところでイメージ共有はできません。

また、どうしても「喫茶なかがわ」で撮影しなければストーリーが成立しないということでもない限り、知名度が低く、他でも代替できるような実在の場所をピンポイントで指定するようなことは通常しません。

ストーリー上の必然性まではないけれど、実在する店の雰囲気が、作品のトーンや、マスター役のキャラクターを表すのに適していたりして、脚本家が「ああいう感じの店がいいんだよなぁ」と思っているならば、ト書きで店の雰囲気を簡潔に表しておけば良いです。
例えば、「カウンターとテーブルが二つだけの小さな店。クラシック音楽が静かに流れ、テーブルも椅子もアンティーク」といった具合です。

これからもお互いがんばりましょう!

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