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#13 公務員だった私のキャリアの悩みを宮崎駿が解消してくれた話。

これは、結婚後子供を授かる前の、約10年前のお話。


当時の私は新卒入社後4年目ぐらい。


既にピカピカの新入社員でもなく、学校的価値観が社会に通用しないことにも気付いたお年頃。
また、自分の人生において子供が欲しいか、何人欲しいか、そのためにはどの時期から仕事より家庭優先にするか、などなど、色々考えることの多い時期でした。

その新卒からの就職先は、公務員試験の中ではもちろん、私の人生において初めての第一志望でした。それまでのあらゆる受験、演劇部の役のオーディション、スポーツの試合など、第一志望に合格したことは一度もありませんでした。
ですので、人生初の第一志望!初めて自分が最も進みたい道を自分の手で掴み取った!と、入社当初は意気揚々としていました。

さて、入社後4年目ぐらいに話を戻します。

私は

東京へ遊びに行きました。


高校の同級生に会いに。
東京のとある街で、その同級生と、同級生の先輩(初対面)と私とで食事をしました。

同級生は、地方から東京の大学へ進学し、大企業に就職しましたが、辞めて夢を追いかけていました。
同級生の先輩は、韓国人の彼女と付き合っていて結婚したいのだが、日韓問題のせいで上手くいかないと言っていました。
地元で就職・結婚し、次は子供かーと考えていた私にとって、二人の会話はかなりのカルチャーショックでした。
これは映画ですか?いいえ、私の眼の前で繰り広げられている会話です。次元が違う!!!

自分の手で自分の進む道を掴み取った気でいたが、例えば東京の大学で1校補欠不合格だった学校があったが、もし合格して東京に住み続けていたら、私の人生は全然違うものになっていたのではないか。地方で就職したから適齢期に結婚や出産のことを考えてしまっているが、もし東京に住んでいたらエンタメでも何でも遊ぶところは行きつくせない程あるし、仕事の規模も違うだろうし、結婚や出産よりやりたいことをしていたかもしれない。と、私の生き方そのものがひっくり返るような、足元の地面さえ信用できないような感覚に陥りました。

そもそもなぜ私はその職業を第一志望にしたのだろう。

就活の時もしたであろう自己分析をさらに深く行うと、幼少期の記憶に辿り着きました。

小学校低学年ぐらいの頃、土曜か日曜の朝にやっていたTV番組。その番組を見て、私はその分野に子供ながらに親近感を持っていたことを思い出しました。

そしてナイスタイミング!なのか、思い出した数日後、そのTV番組は公の機関が制作に携わっていたことを当時の上長から知らされるのです。
まあよく考えればわかることですが、私は公の宣伝により公のその分野にプラスの感情を抱き、公のその職業に純粋に就職したということです。
こんなの自分で掴み取った人生と言えるのか???
宣伝に導かれただけじゃないのか??

自暴自棄は言い過ぎですが、マリッジブルーも正直あっただろうし、とはいえ真面目な性分なので、私の人生って何なの??とモヤモヤしながらも日々働いていました。

その数ヶ月後、

ジブリ美術館へ行きました。

企画展だったか常設だったか忘れたのですが、宮崎駿が子供の頃読んでいた本の紹介の展示がありました。
そして、これまた何の本だったか忘れたのですが、その本の紹介にこのようなエピソードが書いてありました↓↓

「宮崎駿はナウシカやもののけ姫に出てくるような、おどろおどろしいキャラクターが好きで、しかも幼少の頃から好きで、何をきっかけに好きになったかは覚えていなかったが、この本を本棚で見つけて、あ!僕はこの本を子供の頃読んで、変で気持ち悪いようなキャラクターが好きになったんだ!と、自分自身が世に出てだいぶたってから気付いた」
というような趣旨のエピソードでした。

わ!

宮崎駿、私と一緒じゃん!


しかも、私の方が気付くの早いじゃん!!
天下の宮崎駿と同じなんだから、私この道で大丈夫じゃん!

と、無礼ながら思いました。

幼少期に私が見たTV番組。
その番組がたとえ公により何らかの意思を持って作られたものであっても、それを見てその道を志さなかった子も5万といる。
番組を見たことはきっかけには違いないが、その分野に興味を持ったこと、その道を志した選択は、オリジナルの「私」の要素なのだということ。

もし私が宮崎駿が幼少期に読んだ同じ本を読んでも、アニメや映画監督の道に進まないし、進めないことと同じ。

こうして私のキャリア選択の悩みは、宮崎駿大先生のエピソードにより解消されました。

何が自分の悩みを解消させてくれるのかわからないものです。様々な事柄に興味を持って、アンテナを貼って、本を読んだりコンテンツに触れたり旅行をしたり、そういう人生をこれからも生きていこうと思いました。

ま、結局その数年後、転職したんですけどね。

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