小説「三体(第1部)」感想
いまさらながら、三体の第1部を最後まで読む。オバマ前大統領の発言がよく引き合いに出されますが、「中国から出てきたサイファイ」というのが最大の評価軸で、例えばFBIなどによる「中華人民の心性を知るために熟読する」といった視点が、読み手の興味の半分ぐらいを占めている気がします。
前半は近年の個人的な関心にクリティカルヒットする「物理学は死んだ」「三体問題に解は存在しない」に駆動されてグイグイ読んだんですけど、後半はアルファ・ケンタウリに知的生命体がいるベタさとか、その知的生命体の思考と文明が地球人のそれらを延伸したものでしかないとか、「少女」に向けた男性作家の視点がいちいちキモい(グロ趣味だし)なとか、そもそも史アニキぐらいしかキャラが立ってないんじゃねえのとか、全体的に事前情報で予期していたハードSFというよりは、大衆向けの武侠小説ノリだったのは意外でしたねー。
あれですかね、全3部作はマトリックス・シリーズのように推移するんですかね、「理論」「ドンパチ」「宗教」っていうね。続きを読むべきかどうか、ちょっと迷っています。
質問:アンチを許さない空気感、みたいなものは感じざるを得ないなあと思いました
回答:小説の巧拙でいうと上手い方の作品ではないので、オバマからの言及が世間の評価を確定したように思います。中国共産党の中央政治局さえ許せば、少女をリョナりたいという欲望だけはビンビンに伝わってきました。
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