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私に会って貰えますか

異動のダシンがあったとき、「ことり」は断らないと決めていました。遅かれ早かれ、その日が来ることを何となく感じていたのです。予想より、少し早かったのですが、その日はやって来ました。

その日が来るまでに、会いたい人には会っておきたかったのです。今生の別れではありませんが、しばらく会えそうにないので。

今日の「ことりのつぶやき」は、異動辞令と私の想いについて綴っていこうと思います。

【異動の辞令】

コロナで世界が混乱する中、私が働く病院でも、コロナの患者さんの受け入れが決まりました。都心の病院と異なり、一度に重症の患者さんの入院がある訳ではありません。

第3波といわれる波がやってきました。コロナ患者さんを受け入れている病棟の異動希望は多く、その話は病院全体に広がっていました。ある日、上司から面接があると言われ、異動のことだろうと想像しました。『強制ではありません。あくまでも、希望を聞くだけです』そう言われましたが、私には断る理由も断る気持ちもありませんでした。どんな異動も受けることは、就職当初から変わらない気持ちでした。今回の異動先がコロナの患者さんを受け入れている病棟なだけです。

大変な仕事をしているとアピールしたい訳ではありません。だって、私は『コロナの陽性結果が出た患者さん』と分かって、看護をしているのです。そして、自分がする事は他の患者さんに行うことと何一つ変わらない。

きっと、不確定な複数の人を対象にしている人の方が余程大変な仕事だと思っています。そして、感謝をしています。いつも本当にありがとうございます。

【会わない理由】

『きちんと感染予防しているなら、会いたい人にも会いに行けばいいのに』

そんな言葉が聞こえてきます。
時々、そう言われる方もいらっしゃいます。

では、ここで質問です。

『あなたは私に会ってくれますか』

『コロナの患者さんの受け入れをしている』ということで、心無い言葉を投げかけられる話があります。実際に、職員同士でも『同じ場所にいたら感染する』なんてことを言われた時期もありました(今、直接言ってくる人はさすがにいませんが)。そして、社会的にも。子どものためや家族のために、異動を希望される方もいます。自分が働いていることで、保育所の通園や、介護施設の利用に制限があるからです。

そんな事を身近に感じて、『ちょっと会いたくないな』と言われるのは、淋しいです。それも理由の1つではあるのですが、もう1つの理由が大きいのです。

【もう1つの理由】

現在、私の職場では、院内感染は出ていません。それも、みんなの感染予防に対する努力からです。もし、私が不用意に外出し、感染を広げたら職場のこれまでの努力はどうなるでしょうか。院内で広まれば、それはクラスターと言われてしまいます。だから、私は出かけないという選択をしました。

今の職場で働くことに不安が無いかと言えば嘘になります。少しでも体調に変化があれば、『もしかして』なんて思うこともしばしばです。検温だって頻繁にしています。そして、食事や休息、体力作りも大切だなと感じています。

こんな時だからこそ、きちんと生活しないといけないと。

そんな、緊張感の中で仕事をしている人もいることを知っていただけると嬉しいです。同じ状況で働かれている方も、一緒に頑張りましょうと言う気持ちを込めて。

いつまでもこの状況が続くとは思いません。ですが、いつまでこの状況が続くかも分からないのです。

会いたい人に会えないのは、淋しいですが、この状況が変わったらまた、会いに行きたいと思っています。

もし、自由に移動できるようになったら

『私に会って貰えますか』

最後まで読んでくださってありがとうございます。あくまでも、私の個人的な思いです。

早く会いに行きたいなぁ。


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