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さつまいものこと

秋の味覚。芋栗南京は女性の好物とよく言うけれど、私はそれに思いっきり首をかしげる系の女だ。
嫌いではないのだけれど、女はみんな好きでしょ〜?ほらぁ?とニヤニヤ寄ってこられると

『あたしゃ塩辛!あん肝!蟹味噌が好きだね!』

とデカめの声で主張したくなる。
スムージー?タピるぅ〜??何意味わかんネェこと言ってやがる、鬼殺しちゅーちゅーだろぉ!
(ちょっと古い情報しか持ち合わせてないのが残念なのだけど今は何が流行ってるんですかねぇ…)


秋の味覚楽しんでますか?

そんな気持ちで今まで芋栗南京をちょっとバカにしてきた。首をかしげすぎて『この角度しか向かないのよね…』と、寝違えた人みたいになっていた。

それが…歳を重ねる度にちょっと変化している。
まだ現時点で芋栗南京と珍味トリオが目の前で戦ったら芋栗南京は負けるだろう。
でも、それはギリギリのところでの敗北で珍味トリオが圧勝してるわけではない。かなり厳しい戦いなのだ。
この先、珍味トリオやエイヒレやカラスミや炙り明太子…私が今まで愛してきたスーパーヒーローが引退する可能性は大いにあるのかもしれない。…ここまで書いてめちゃくちゃ酒が飲みたい気持ちになってしまった。和食で日本酒ちびちび飲むのが大好きです!!
アイラブ酒!アイラブ酒のアテ!

今年はありがたいことにさつまいもをお裾分けでいただいた。秋の始めに嬉しい出来事。
嫌いじゃないけどわざわざ買うほどの情熱はないんだよなぁと、食品売り場でひっそり眺めていたあいつ。いただいたのでホクホク浮かれてさつまいもごはんにした。

鍋炊きごはん生活が華やかになる。
世の中いろんなレシピがあると思うが私のはシンプル。ちょろっと酒、そして角切りにしたさつまいもを加えて、炊き上がりに塩をふって蒸らす。
ただそれだけなのだがさつまいもの素朴な甘みが優しいごはんになる。おにぎりにしても美味しい。


わざわざ買わないけどさ〜と言いながらも人からいただいちゃったら(…無駄にはできないもんね!)とウキウキしてる自分がいる。不可抗力。
こないだ飲んだ帰りに(なんか恋しい…)と閉店間際のスーパーに寄って、最後の一個の冷えた半額の焼き芋を連れて帰ったのは気まぐれワンナイトラブだった、と誰も興味ないだろうに言い訳してしまう。
20代前半の飲み屋バイトでお客さんに『焼き芋にバター』を教えてもらった時はひっくり返るくらいびっくりした。そしてめちゃくちゃ美味しかった。食べなくても予想はつくのだけど簡単スイートポテトである。
焼き芋もバターも知ってる。それを組み合わせるという発想がセンセーショナル。かなり強めの衝撃波をくらって、ハートに焼き芋×バター!と強く刻まれた。
私が実家にいた頃は知らない食べ方だったけど世の皆様は定番なのだろうか?

たまに食べたいな、と思い出す。家にバターを常備してないので買いに行かなきゃ。
バターの旨味、なめらかな喉越しで芋のほくほくが飲み込みやすくなる。芋単品って喉に詰まって死にかける時があるので気をつけたい。
さつまいも、別に好きとかじゃないんだけどさ〜!と言いながらまた焼き芋を連れて帰ってしまう予感がする。

今回のイラストはそのまんま焼き芋バターです。
それでは、ごきげんよう〜!シャローム!

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