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コントラストで魅せる写真 #02

コンプリメンタリーカラー
complementary color

一般的にコントラストが高い低いというのは、明暗差によるトーンのコントラストを指します。今回は、明暗の差が少なくても、配色によってコントラストを生み出せるコンプリメンタリーカラーについて解説します。



コンプリメンタリーカラーとは


下の写真は、光と影を活かしてコントラストを際立たせた一枚です。グレースケールで表現すると、明暗の対比が鮮明で、トーンのコントラストが高いことが分かります。

明暗差の高い画像

次の写真は、夕暮れ時の空を撮影したものです。右のグレースケールで見ると明暗の差がほとんどなく、トーナルコントラストが非常に低いことがわかります。

明暗差が低い画像

しかし、青とオレンジの配色が心地よく、フラットな写真には感じません。これは、青とオレンジが補色関係にあり、互いに対照的な色相を持っているためです。色の組み合わせには、色調和(カラーハーモニー)を基にしたカラーセオリーが存在します。補色関係もその一つで、カラーホイール(色相環)の反対側に位置する2つの色を組み合わせることで、視覚的に際立つ高いコントラストを表現できます。これがコンプリメンタリーカラーです。

▲コンプリメンタリーカラーの組合せ例

以下では、代表的なコンプリメンタリーカラーの組み合わせとその効果を紹介します。


コンプリメンタリーカラー:Red&Green


赤と緑は視覚的に強いコントラストを持ち、鮮やかで目を引く効果が得られます。また、赤は情熱的でエネルギッシュな印象を与え、緑は平穏で安定感をもたらします。

フードや植物での補色関係
背景や衣装を意図的に補色関係に


コンプリメンタリーカラー:Purple&Yellow


紫はロイヤルティや高貴さを表現し、精神的な成長や創造性を象徴します。一方、黄色は陽気さ、幸福感、活力を示す色として知られています。この組み合わせを通じて、高貴さと陽気さ、創造性と活力を結びつけるメッセージを伝えることができます。

自然界にあるコンプリメンタリーカラー
ブランディングにも利用されます


コンプリメンタリーカラー:Teal&Orange


ティール(青緑色)とオレンジは、映画などの映像メデイアでもよく取り入れられる色の組み合わせで、少し非現実的で独特な世界観を生み出します。オレンジはエネルギッシュで情熱的な感情を引き出し、ティールは洗練された落ち着きを提供します。

写真・映像編集などで独特な世界観を演出
小物や衣装を補色関係に配色


コンプリメンタリーカラー:Blue&Yellow


黄色は明るく陽気な印象を持つ一方、青は落ち着きや信頼性を表現します。これらの要素を組み合わせることで、楽しさと安定感を両立させたデザインやイメージを作成できます。このため、多くのブランドや広告で見られる組み合わせです。また、 青色はクール、冷静さ、黄色は温かさや幸福感を表現します。この組み合わせを通じて、対照的な感情やメッセージを伝えることができます。


まとめ


コンプリメンタリーカラーは、お互いの色を引き立てる効果的な配色です。撮影をする際の、衣装、背景、小物の色、デザインをする際の配色など、コンプリメンタリーカラーを意識することで、写真やデザインが洗練され、整理されていきます。その一方で、適切なバランスを保ちつつ、コントラストが強すぎないように注意することも大切です。



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