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客席からの眺め

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お箏の演奏会は楽しい! お箏の演奏会に行くといろんな曲、いろんな情景に出会うことが出来ます。 どんな物を聴いて、何を感じたのか。素人が聴きに行った演奏会の感想を、綴ります。
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#胡弓

「第三回川瀬露秋の会 ~懐い継なぐ~」

「第三回川瀬露秋の会 ~懐い継なぐ~」

紀尾井ホール小ホール。
生田流箏曲白秋会を率いるお家元の会。
江戸時代の曲を、箏・三味線・胡弓で演奏。

と聞くと、
堅苦しそう、かしこまって聞かなくてはならなくて、そして眠そう。
そんなイメージを持たれるかもしれません。
しかし、そのイメージが覆る「演奏会」ではなく「ライブ」でした。

幕開けは2面の長磯箏で「みだれ/京みだれ」
長磯箏は、豪華な装飾がなされたお箏です。
蒔絵や螺鈿、鼈甲で彩ら

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「小池典子 箏・三絃・胡弓 リサイタル」

「小池典子 箏・三絃・胡弓 リサイタル」

数多くの舞台で素晴らしい演奏を披露してくださる小池典子さん。
記念すべきリサイタルと伺い、万難排して馳せ参じました。

長磯箏での「梅が枝」
柳川三味線での「ゆき」
胡弓での「荒城の月」
三絃での「尾上の松」
いずれも小池さんでなければ叶わないプログラムです。

合間に、野川美穂子さんによる楽器の解説がありました。
長磯箏は、京都を中心に使われた装飾性に富んだお箏です。
普段見かけるお箏より、

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「中井智弥 砧の系譜 箏・二十五絃箏リサイタル」

「中井智弥 砧の系譜 箏・二十五絃箏リサイタル」

中井智弥さん。
二十五絃箏をメインに演奏され、ご自身で作曲もされます。
リサイタルは毎回凝ったプログラム。
今回のテーマは「砧(きぬた)」です。

昔、麻や葛の着物の繊維を和らげるためや、木綿のしわを伸ばすために、布を木槌で叩いていました。
この動作や道具を「砧」と呼びます。
秋の夜長に、あちらこちらから聞こえる砧の音は、秋の風物詩となり、様々な文化芸能に取り入れられています。

箏曲にも数あ

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