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10年後を楽しみにできるジーンズに出会った

昨夜はプロ野球のCS最終戦にのめりこんでしまって、日曜日ということをすっかり忘れていた。両チームの選手やコーチングスタッフのみなさまに心から感謝と敬意を送りたい。

ある写真から考え方が変わった話|コトノハ (note.com)

↑のつづき。

出会ったのはTSUKI(ツキ)というノンウォッシュデニムクロップドパンツ。フォルムやフロント、バックのドレープ感など、これまでに見たことがないタイプのものだった。

一目で好きだと思った。自分のテンションがビュッと爆上がりして、激しく反応したから、その瞬間に買おうと決めた。

試着して、自分では似合っているのかわからなかったけど、ショップスタッフさんがこう教えてくれた。

「徐々になじんでいくから、10年後が楽しみな商品なんですよ」

ハッとした。そういう視点で服やアイテムを選んだことがなかったのだ。

ジーンズの糊を落とす方法を教えてもらい、家に帰ってから再度YouTubeで検索。ファーストウォッシュという段階を経てから履くのだな。ふむふむ。それ以降も糊は効いているけれど、徐々に落ちて行き、生地が柔らかくなり、身体になじむらしい。ああ、だから10年後が楽しみなのかと納得。

ドキドキしながらファーストウォッシュを終え、陰干しをして、いつでも履ける状態でスタンバイOK。洋服にこれほどの時間をかけるのは初めてかもしれない。

若い頃の私なら、10年ともに過ごせる服と言われても、ピンと来なかっただろう。私はいつも「今」と「ちょっと先」だけを見ているタイプで、半年先さえイメージできないのに、10年先と言われてピンとくるはずがない。

若い頃の私は、人間いつかは死ぬと理屈でわかっていても、その「いつか」はずっと先だと思っていた。若さゆえとも言えるが、それよりは目の前の「生きる」に必死だったのだ。

思い返せば、やらねばならないことや、自己成長ばかりに気を取られていたし、キャリアアップばかり気にしていた。たぶん私は、常に戦いを挑んでばかりいたのだろう。

しかし、ここへ来て老いを痛感し、「いつか」はそう遠くないと思いはじめた。そしてようやく、もう戦わなくてもいいのではないかとやっと、やっと思えるようになった。加えて、すごくなくても、誇れるキャリアがなくても、「等身大の私」で大丈夫、生きていけると思えるようになったのだ。

「もう、しっかりしなくていいし、いい人でいようと奮起しなくていいのよ」

この日、かけてもらった言葉は、こんなニュアンスだった。今になり思うけど、これは自分がもっとも欲していた言葉だったかもしれない。

10年後、生きているかはわからない。でも、今日のこの瞬間に、10年後が楽しみと思えるアイテムを身につけ、ウキウキする。そんな風に過ごせる時間があることが、今の私には大切で意味があると感じている。

10年をともに過ごしてくれる素敵なアイテム探し、これからも楽しみたい。


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