天使たちとの共同戦線(五章、天地開闢の神)
ビランチ「あら皆さん。今の状況はどうなっていますか?」
ヌーラ「あなたの役割を私が。フォルテの役割をオッソが務めています。あとは見ての通りです。」
ビランチ「・・・確かオッソは潜入中でしたね。大丈夫なのですか?」
ヌーラ「オッソなら大丈夫です。寧ろ今はセイの行方が知れないようでオンブとネラが探しているそうです。」
ビランチ「成程。分かりました。申し訳ないですが私の役割をもう少しだけ務めていただけますか?」
ヌーラ「・・・下界に降りるんですか?」
ビランチ「はい。私もその少年に少し興味がありまして。一度見ておきたいのです。」
ヌーラ「そういうことであれば分かりました。」
ビランチ「ありがとうございます。ヌーラ。」
〜〜〜〜〜
ミィディア「それにしてもまさか神話の天使に実際に会えるとはな・・・。」
こうして色々な天使に会ってみると色々スピリチュアルな知識?が身に付いたような気がして少し大丈夫か心配になるが退屈はしなかった。
しかしこうなると神様って一体なんだろう?と普通なら考えないことを考えたくもなる。
何故ならただの作り話だった天使に会って身近に感じると神の存在も興味本位で知りたくなる。
例えるなら友達のよく話す面白い友達の話を聞いて実際に見てみたくなるような感覚と少し似ている。
実際どうなんだろう。神っているのかな?
そんなことを考えているとまた一人天使が現れた。
ビランチ「こんにちはミィディア。ビランチといいます。」
ミィディア「ビランチ?」
ビランチ「あら・・・やっぱり変わっているわねぇ笑。」
ミィディア「変わってる?」
ビランチ「あなた私を見ても驚かないじゃない。」
ミィディア「いやもう・・・驚くのも飽きたというか・・・疲れるというか・・・。」
ビランチ「まぁそうでしょうね。フェアだのセイだの色々な天使が来たんですってね笑。」
ミィディア「まあね。それよりいきなりで悪いんだけどビランチに聞きたいことがあるんだよね。」
ビランチ「聞きたいこと?何?」
ミィディア「ぶっちゃけ・・・神様っているの?」
ビランチ「あぁ神様?いないわよ。」
ミィディア「え⁉いないの?」
ビランチ「ええ。」
ミィディア「じゃ、じゃあビランチたちが使う〝神の力〟はどうなるんだよ?神から授かった力なんだろ?」
ビランチ「あぁあれはね・・・なんて言ったらいいのかしら・・・ミィディアのその言い方だと神様は存在でそこから私たち天使が力を授かって行使している・・・みたいな言い方だけど、実際神って言うのは力の呼称の一つにすぎないわ。」
ミィディア「・・・はい?訳わかんないんだけど?」
ビランチ「そうよね・・・じゃあこれから分かりやすく説明するわよ?いい?」
ミィディア「・・・お願いします。」
ビランチ「まずあなたが〝神の力〟って呼んでる私たちの力は一言で言うなら万能エネルギーなの。」
ミィディア「万能エネルギー?」
ビランチ「そう。人間界にはさまざまなエネルギーがあるでしょ?」
ミィディア「火とか水とか?」
ビランチ「そう。そして火は燃えることでエネルギーが生成される。水は水素と酸素を融合させる時にエネルギーが生成されるでしょ?」
ミィディア「うん。」
ビランチ「でも神の力はそんな過程はすべていらないのよ。」
ミィディア「そんなものって?」
ビランチ「態々水素と酸素を合わせて・・・なんて作業いらないの。神の力を使えば大地が無から作られるし水も出てくる。それに火もおこせる。雷も発生させることもできる。」
ミィディア「つまり?」
ビランチ「つまりあなたたちはエネルギーを作る時に火力発電だの原子力発電だのしてエネルギーを生み出してるでしょ?あたしたち天使の場合は神の力一つあればエネルギーを必要とする事象すべてを起こすことができるの。」
ミィディア「余計分からなくなったんだけど・・・要するに俺たちが神様って呼んでるのは〝存在〟なんかじゃなく〝エネルギー〟を崇めてるってこと?」
ビランチ「そうそう。神の力があれば天変地異だって人間から命を取ることだって空間を消滅させることだって出来るわ。そうね・・・まぁそのエネルギーを一番行使する天使を神と称するなら・・・私がそうなるかもねぇ。」
ミィディア「へ?ビランチが・・・神?」
ビランチ「ええ。人間界をどのようにして作るか天使たちに指示して作らせたのはわたしだからねぇ。」
ミィディア「ビランチって一番偉い天使なの?」
ビランチ「そうよ。第一階級の熾天使でその中でも一番の力を持つの。だから私は熾天使の中でも別格なの。」
ミィディア「ってことは天使の中でも一番力を持ってる天使=神なんだな?」
ビランチ「そうなるわね。下界でもあたしの名前は絶対神や最高神で語り継がれてるみたいだし。私は神なんて意識したことないけど。」
ミィディア「唯一神でもあるよ。そしたら俺は今本物の神様と話してるのか・・・。」
ビランチ「エネルギーと話してるのよ笑。」
ミィディア「・・・‼。笑。」
ビランチ「わたしはこれから戻るけどほかには何かある?」
ミィディア「いえ、ありません!」
ビランチ「現金ね笑。じゃあまた来るよ。」
そういうとビランチは消えていった。
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