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あとがき(天使たちの天外戦線)


初めにこの天外戦線を最後までお読み頂き誠にありがとう御座います。

この天外戦線。

天使の戦線シリーズ第五作となります。

今作ではチクエというビランチやネニア以上に力を持った天使やグラヴィーネの最愛の天使であったソレが登場します。

そしてこの作品は天界戦線、共同戦線、能力戦線、日常戦線に至るまでに作られた天使たちの関係性は何処から始まったのか?そういったものが表されています。

そしてこれらすべての伏線を回収したつもりです。

また今作は前作でとてもご立腹であったシュルケルの悩みが解消されました。

まさか五作目にしてこんなにも重要な位置に関わるとは私自身思ってもいませんでした。

天使たちは天外戦線から日常戦線に至るまで様々なことがありました。

初作の共同戦線では天界で一番の力を持つとされていたビランチ。

しかし第三作ではその上であるネニアが登場します。

そして今作ではその更に上の存在としてチクエという天使長が存在します。

この世界線の天界はチクエの意思を引き継いだネニアとビランチ。そしてセイやイプノ、ドラークが主に支えています。

皆それぞれ時が流れるにつれてあり方は随分と変わってしまいましたが気持ちは同じなのです。

天界戦線でイプノとセイが大逆を起こしたのもチクエが消える前に唯一会っている天使の一人ということで他の天使たちとは一線を画す思いなのです。

日常戦線では絶対的に揺るがない存在のように描かれていたネニアも今作ではとても悲観的で他の天使たちと同じように感情を揺らす天使の一人なのです。

人間から見れば絶対的に見える天使たちも内側から見ればこんなにも儚い存在なのです。

ビランチも元々は天使長になるはずじゃなかった。

いわば仮初の天使長。

始まりは必ずしも純粋ではなかった人間の創造。

次第に天使たちは様々な経験をしていきます。

そして今までならば決して得ることの出来なかった経験もします。

それは失敗です。

完璧であるということは出来ないことが無いということ。

一度も失敗をせずに生きていくと失敗した時にとても狼狽えてしまいます。

ビランチも天使たちが災厄に脅かされた時とても狼狽えていました。

ネニアは“自分の都合でビランチに天使長を押し付けてしまったのだから”という覚悟からビランチを上手くサポートしていました。

そして人間創造が開始されるところで物語は天界戦線に移り多くの時が流れ天使と対話が出来る少年ミイディアと出会いそして別れます。

こうしてみると天使も人間も合わせ鏡のような関係なのです。

過去から今現在へと続く天使たちの物語は次で終幕となります。

次は遂にミィディアがとても大事な決断を致します。

ですのでもう少しだけお付き合いください。

それではまた・・・。



著者Midi

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