天使たちとの共同戦線(二章、天使の道示し)
?「セイが人間界に降りた形跡があるとフォルテから伝えがありました。モルテ。人間界に降りて事の詳細を調べてきてもらえませんか?」
モルテ「セイですか・・・。分かりました。もしかしたら、人間に憑依したのかもしれませんね。」
?「・・・何か心当たりでも?」
モルテ「以前人間界に降りた際に私の声が聞こえる少年を見つけました。」
?「あら、それは珍しいですね。ソロモン以来ですか?」
モルテ「会話ができるという点ではそうですね。」
?「へー‼下界に会話が出来る人間がいるの?ちょっと興味あるかもー♪。」
モルテ「まぁ、かなり変わり者の少年でしたよ。私が現れた時に驚きもせず普通に話していましたし。」
?「もしかしたら仲良くできるかな?(ワクワク)」
モルテ「・・・変わり者同士、気が合うんじゃないですか?」
?「なによー、モルテだって変わってるわよ。なんせ自他共に認める私が言うんだから間違い無いわ‼」
?「はい、話はそこまでにして。下界の件。頼めますか?モルテ。」
モルテ「仕事ですので、分かりました。」
?「先にオルゴ、ノーヴェ、ブッピラ、フォールを下界に遣わしています。もしかしたら会うことがあるかもしれません。その時はよろしく。」
モルテ「分かりました。」
?「何?ブッピラとフォールも動いてるの?ってことは・・・アイツらまだ懲りてないんだ。セイとイプノ。」
?「はい、また何か企んでいるようで・・・。フォルテから伝えがありまして。お暇であればシェンスも手伝ってくれません?」
シェンス「ほーい。」
〜〜〜〜〜
モルテ「では、下界に降りますか。」
シェンス「降りたらどうするのー?」
モルテ「まずは、以前あった少年のところにいきます。」
シェンス「え!じゃあさっき話に出てきた少年に会うんだ!楽しみだなー‼」
〜〜〜〜〜
ミィディア「はぁ・・・。」
モルテ「相も変わらず大変そうですね。」
ミィディア「モルテか。久しぶりだな。」
モルテ「君が中学生の時以来ですね。お久しぶりです。」
ミィディア「で、何か用でもあるのか?」
モルテ「いえ、君の生活の中で最近変わったことはありませんか?例えば私以外の天使が来たとか・・・。」
ミィディア「ああ、セイって名前の奴なら一、二回来た。」
モルテ「・・・‼(なんてことだ。もう人間に接触していたとは。)それでそのセイはあなたに何をしていきましたか?」
ミィディア「・・・力を貸してもらった。」
モルテ「!、力を・・・ですか?セイの力を誰かに使ったのですか?」
ミィディア「・・・使った。」
モルテ「そう・・・ですか・・・。」
シェンス「ねぇ、思ったより一大事じゃない?あんたはビランチに早く報告した方がいくない?」
モルテ「そうですね。かなりの一大事です。」
ミィディア「・・・俺は何かまずいことでもしたのか?」
シェンス「ああ、心配しなくてもだいじょーぶよ!こっちの話だから。」
ミィディア「あんたは・・・誰なんだ?」
シェンス「あたし?あたしはシェンスよー。よろしくね♪(ミィディアは私に任してアンタは早くビランチに伝えてきなさい。)」
モルテ「・・・少し外しますね?(恩に着ります。シェンス。)」
ミィディア「?、あ、ああ。」
シェンス「でさでさ!あたし人間と話すの初めてなのよ‼そのセイって奴のこと教えてくんない?」
俺はセイと何をしたのかをシェンスに話した。
〜〜〜〜〜
モルテ「ビランチ!大変なことになりました!」
ビランチ「あら、モルテ随分と早く戻ってきましたね。」
モルテ「セイの件ですがいち早く報告を。」
ビランチ「・・・何があったの?」
モルテ「先程下界で会話ができる少年に会ってきたのですが、その少年セイと会ったことがあるらしいです。」
ビランチ「なんですって?では、セイはすでに人間と接触していたのですね?」
モルテ「はい。そしてその少年、名をミィディアと言うのですが、ミィディアはセイと共に力を使ったと。」
ビランチ「・・・成程。分かりました。事態はかなり深刻なようですね。」
モルテ「はい。今ミィディアにはシェンスがついています。なのでこれ以上はシェンスに聞いてください。」
ビランチ「分かりました。モルテ。あなたは少し休みなさい。遣いに出したオルゴたちにはフォルテから事の詳細を伝えておきます。フォルテ!聞いていましたね?」
フォルテ「ああ、全部聞いたよ。既にオルゴとノーヴェには天界に戻ってきてもらってる。あとブッピラとフォールにはミィディアという少年の周りを警戒しておくように伝えてある。」
ビランチ「助かります。必要であれば中天使を遣わしても構いません。」
フォルテ「了解したよ。」
ビランチ「あとフェア!聞こえますか?」
フェア「ええ。最初から聞いていますよ。」
ビランチ「私は少し休みます。引継ぎお願い出来ますか?」
フェア「分かりました。」
ビランチ「もうすぐオルゴとノーヴェが戻って来ます。一緒に今後の対応について考えておいてください。」
フェア「了解です。」
〜〜〜〜〜
シェンス「んー成程ねぇー。まぁ、やっちゃったもんはしゃーないわねー。向こうにも落ち度はあるし。でもアンタもやっちゃったからには償わないとね。」
ミィディア「償いって・・・何をするんだ?」
シェンス「償いって言っても特に何かしなきゃいけないわけじゃ無いわよ。アンタの不幸が暫くちょっと増えるだけよ。アンタは親に対して天使の力を使ったじゃない?本来ならこんな事態は起こらないのよ。」
ミィディア「起こらないって・・・なんで?」
シェンス「だってあたしたち天使の声が聞こえる人間なんて基本的にいないもん。稀に感じとる人間はいるけど話ができるなんて片手で数えても指が余るくらいよ。」
ミィディア「・・・それって特殊ってこと?」
シェンス「まぁ間違ってないけど・・・正確に言うなら特殊であり稀有よ。それよりアンタは人間でありながら天使の力が使えるじゃない?その力をいい方向に使えば人間界でいう幸福になって返ってくるんだけど・・・今回は親を貶めるっていうかなり重い使い方しちゃったからね。だから本来ならアンタの魂も四割持ってかれるんだけど・・・。」
ミィディア「え!今ここでか‼」
シェンス「話は最後まで聞く‼〝本来は〟よ。今回は“信号守ってたらトラックに轢かれました‼”みたいなもんだから一度で幸と不幸の帳尻を合わせるようなことはしないわ。だけど不幸の量は変えられないからなるべく分散して不幸を与えないといけないの。」
ミィディア「・・・つまり本来なら一度にくる不幸を複数に分散させることで無理なく罪を償えと?」
シェンス「そゆこと。今一度に与えるとあなたは死ぬからね。まぁ親があれなら復讐したいって感情が湧くのは仕方ない面もあるし堕天使が干渉するのを止められなかったあたしたちにも責任があるからね。」
ミィディア「でも分散した不幸って具体的にはどんな内容なんだ?」
シェンス「どんな内容なのかは・・・私にも分からないわね。ってか言えないわね。天使の決まりで。でもね償いの不幸は直感で分かるようになってるらしいわ。まぁ心配しないでもその不幸が降りかかる時は天使が上から降りてサポートするから。あと最後に言っておかなきゃならない大事なことがあるわ。」
ミィディア「ん?最後に?どうした改まって。」
シェンス「アンタがやらかした罪を償い終えたら私たちの声が聞こえなくなるから。」
ミィディア「え?なんで‼」
シェンス「天使的には一人の人間に天使たちが関わり続けるのはまずいのよねー。まぁ聞こえなくなるって言っても急に聞こえなくなるわけじゃなくて徐々に聞こえづらくなるって感じよ。」
ミィディア「・・・そうか。」
シェンス「ちょっと残念って感じ?」
ミィディア「・・・大分ね。」
シェンス「残念がってくれるなんて嬉しいわ!まぁ聞こえづらくなるのはそれだけ罪の償いが終えてきたって目安でもあるしアンタ自身の人生のためにも良いことなのよ?これで私から話しておくことはとりあえず終わりだわ。・・・最後だけど何か質問ある?」
ミィディア「最後ってシェンスはもう来ないのか?」
シェンス「いや?時々降りてくるわよ。」
ミィディア「そっか・・・少し安心した。」
シェンス「他にも色々なタイプの天使が降りてくるから楽しくなると思うわよ?笑。」
ミィディア「そっか笑。・・・っていうかさっき罪の償いについて色々決めちゃってたけど・・・大丈夫なの?」
シェンス「・・・大丈夫って何が?」
ミィディア「天使の世界的に。そういうのって神様とか偉い天使が決めるんじゃないの?」
シェンス「笑。あたしこれでも天界じゃ結構偉いのよ?位としてはそうねー、上の中よ♪」
ミィディア「んーあんまりしっくりこないな・・・。」
シェンス「まぁそんな感じだから私は天界に帰るわね。」
そういうと、シェンスは消えていった。
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