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境遇条件世界{序章、神々よ、僅かな繋がりを辿り給え}

「(・・・聞こえる?)」

「(・・・聞こえるわ。)」

「(どうやら成功したようね。)」

「(そりゃ成功するでしょうね。会えてるんだから。)」

「(そうなの?)」

「(ええ。もっと先の私が会いに来たことがあってね。)」

「(なるほどねぇ。)」

「(で、態々過去から何の用?)」

「(ちょっと私の時代の子たちが危うくてね。)」

「(危うい?)」

「(詳しく言うと力の返納の真実を知って自身の存在を無為に感じてる。)」

「(成程。)」

「(子孫に肯定こそされたもののどうしても実感できないみたいなの。どうしたらいいかしらね?)」

「(それを言ったら私の時代の子たちも経緯は違えど同じものを抱えているわよ。)」

「(いつの時代も人の悩みは同じなのね。)」

「(そうねぇ・・・。)」

「(・・・今思ったんだけどその子たちを会わせたらどうなるのかしら?)」

「(どういうこと?)」

「(私の時代の子たちとあなたの時代の子たちを会せたらどうなるかしら?)」

「(・・・どうなるのかしらね?)」

「(・・・会わせてみましょうよ。)」

「(・・・そうね。あの子たちと私の時代の子たち意外と共感できる部分は多いかもしれないわね。)」

「(じゃあどっちがどっちに行く?)」

「(私たちの時代の子たちがあなたの時代に行くわ。)」

「(了解。ついたら後は任せて。こっちが責任をもって見るから。)」

「(頼むわね。信頼してるわよ。)」

「(大丈夫。これでも自信はあるつもりだから。)」

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