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天使たちとの共同戦線(四章、フェアの塔)



フェア「あのー・・・ヌーラ?」


ヌーラ「なんですか?」


フェア「私と交代してくれませんか?」


ヌーラ「何故です?」


フェア「・・・下界に降りてそのミィディアという少年を見てみたいのです。」


ヌーラ「いいですよ。ですが少し待ってもらえますか?私の代わりを今呼ぶので。」


フェア「ありがとう御座います!」


?「代わりって誰を呼ぶんだ?ヌーラの役割はそうそういないだろう。」


ヌーラ「オッソを呼びます。」


?「あ、今潜入中のオッソちゃんなら階級としても堕天使の状況を把握してる点でも適任ね♪」


?「成程な。オッソなら文句ない。」


ヌーラ「皆さんありがとう御座います。しかし呼ぶと言ってもオッソは今潜入の身です。ことの詳細を伝えたらすぐに戻ってもらいます。よろしいですね?」


?&?「「了解‼」」


ヌーラ「(オッソ・・・潜入中失礼します。今少し抜けられませんか?)」


オッソ「(今?もしかしてセイとイプノのこと?)」


ヌーラ「(そうです。一大事なのでできるだけ早くきてもらえませんか?)」


オッソ「(もしミィディアという少年に近づいた・・・という報告なら不要よ?)」


ヌーラ「(‼。知っているのですか?)」


オッソ「(偶然鉢合わせたノーヴェから一大事になっていると伝えがあったから。)」


ヌーラ「(・・・成程。しかし今回伝えたいのはそれだけではないのです。)」


オッソ「(何?状況が変わったの?)」


ヌーラ「(いえ、ミィディアの状況は特に変わりはありせん。今ビランチの役割をフェアがフォルテの役割を私がやっています。)」


オッソ「(そうなの。)」


ヌーラ「(しかしフェアが下界のミィディアに会いに行きたいというので私がビランチの役割をすることになりフォルテの役割が空席になってしまうのです。ですのでその役割を代わって頂けませんか?)」


オッソ「(お安い御用よ。最近アイツら姿を晦ましていてね。今オンブとネラが調べてるけど・・・多分アイツらまだ何か企んでるわ。)」


ヌーラ「(それは私も同感です。とりあえず役割の件お願いします。)」


オッソ「(承知。)」


?「随分長いこと話してるみたいだったけどダメだったの?」


ヌーラ「いえむしろその逆です。オッソはことの経緯を全て把握していました。」


?「どういうことだ?」


ヌーラ「ノーヴェに聞いたようです。そして役割の交代もお願いしました。」


フェア「本当ですか!ありがとう御座います!では、早速下界に降りさせて頂きます。」


ヌーラ「どうぞ、いってらっしゃい。」




〜〜〜〜〜


スパツが消えてから一週間ほど経ったある日。


フェア「ミィディアさん!こんにちは‼」


ミィディア「ん?誰だ。あんた?」


フェア「フェアと言います。よろしく!」


ミィディア「よろしく・・・ってフェア?」


フェア「そうですよ?どうかしましたか?」


ミィディア「いや、昔どっかでその名前を見た気がして・・・。」


フェア「もしかして・・・〝フェアの塔〟ですか?」


ミィディア「そう!それ‼確か神話で聞いたやつ!もしかして・・・それに関係してる天使?」


フェア「関係してるも何も当事者ですよ♪」


ミィディア「マジで‼じゃあ人間を守る為に言葉を分けたってのも本当なのか⁉」


フェア「あー・・・んーそれは・・・半分合っていて半分違うというか・・・まぁ何というか・・・。」


ミィディア「何だ言葉に詰まって。違うのか?」


フェア「・・・人間界ではなんと言い伝えられているのですか?」


ミィディア「人々は天界に行く為に塔を建設し始めた。しかし天界に行くは肉体を捨てなければならない。それは人間にとって死を表すため神の使いであり言語を司る天使フェアは塔の建設を中止させる為、人間界の言葉を咄嗟に分けた。ってなってたよ。」


フェア「・・・成程。ふむふむ。」


ミィディア「ふむふむ・・・じゃないよ笑。実際どうなの?」


フェア「まぁまず天界に行くには肉体を捨てなければならない・・・それは合ってます。」


ミィディア「うん。」


フェア「それと言葉を分けたのも私です。」


ミィディア「うん。じゃあ何が違うのさ?」


フェア「人間を守る為ってところ・・・。(小声)」


ミィディア「・・・え?なんて?」


フェア「人間を守る為というのが違うんです‼」


ミィディア「うわっ!声大きいよ汗。」


フェア「す、すみません汗。でも人間界の言い伝えと事実は違うんですよ・・・。」


ミィディア「事実は・・・どうなの?」


フェア「事実は・・・登ってきて欲しくないなー・・・なんて思っちゃたり・・・みたいな?」


ミィディア「みたいな・・・ってまさかそれだけの理由で⁉」


フェア「だ、だって‼友達でもない赤の他人に家に入ってこられてその上ウロウロされたらあなたも嫌でしょう⁉」


ミィディア「まぁそれはそうだけど・・・言葉を分ける程なの?」


フェア「・・・テヘペロ♪」


ミィディア「・・・ってレベルじゃないよね。これ。」


フェア「勿論ビランチに怒られましたよ。でも少し様子を見て結果的には人間が成長することに一役買ったのでお咎めなしで済みました!」


ミィディア「済みましたって・・・スレスレじゃねーか・・・。」


フェア「と、とりあえず!人間界ではそのままで語り継いでおいて下さいね?」


ミィディア「んー・・・非常に悩ましいな・・・。」


フェア「お願いですから!ね?」


ミィディア「・・・じゃあさ、天使と悪魔の違いについて教えてよ。そしたら言わない。」


フェア「はいはい分かりました。それで口外しないで頂けるのであればお話ししましょう。」


ミィディア「よっしゃ!」


フェア「まずは天使から。天使とは神の力を使うことで人々に幸福をもたらす存在のことを示しています。」


ミィディア「うん。」


フェア「この神の力は私利私欲の為に力を行使してはいけないとされています。しかしこの天使の中で私利私欲の為に力を行使したり神の力を持つことで思い上がり神の被造物の中で最も大切とする人間に対して力を行使するものが現れたとしましょう。」


ミィディア「それが悪魔ってこと?」


フェア「その通りです。天使の名を穢し天使として堕ちることを堕天といいそして堕天した天使・・・つまり悪魔となるわけです。」


ミィディア「じゃあ天使と悪魔の力の源は同じ訳ね?」


フェア「そうなんですよ。なので彼らは手強いです。」


ミィディア「堕天使ってどれくらいいるの?」


フェア「上天使・中天使・天使合わせて十一ですかね。(セイがミィディアに私との会話の内容を聞いた時に数が合わなければ潜入中のオッソ達の身が危なくなる。ちゃんと整合性を合わせておかなくては。)」


ミィディア「意外と少ないんだな。十一って。」


フェア「今の時点でという意味ですよ。大分仕留めたんですよ。あたし達天使が。」


ミィディア「マジか・・・!フェア強いの?」


フェア「私は専門外でして。別の天使が仕留めました。まぁどうしようもなく仕留めたのが殆どですね。稀に一度堕ちても行動を改めることで天使に戻れた悪魔もいますからね。」


ミィディア「へーなんか人間関係みたいだな。」


フェア「まぁ複雑ですね。天界も人間界も。堕天使の中には一番位が高い天使が二人もいましてね。天使としても手を焼いてるんですよ。」


ミィディア「じゃあセイって熾天使なの?」

フェア「そうですよ?・・・というか詳しいですね。ミィディア。」


ミィディア「スパツから階級について聞いたんだ。」


フェア「ああスパツからですか。」


ミィディア「でもさセイってそんなに悪い奴には見えなかったけど・・・なんで悪魔になったの?」


フェア「セイはね・・・ちょっと拗らせちゃったんですよ。」


ミィディア「・・・色々あった感じか?」


フェア「まぁそんなところですね。」


ミィディア「これ以上は聞かない方が良さそうだな。」


フェア「配慮感謝します。では私は上に帰ります。・・・くれぐれも登って来ようなんて考えないでくださいね♪」


ミィディア「それはないよ笑。」


そういうとフェアは消えていった。

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