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天使たちとの共同戦線(三章、天使の階級)

シェンス「戻ったよービランチ‼」

フェア「あ、戻りましたね。シェンス!」

シェンス「あれ?ビランチは?」

フェア「今は休んでいます。モルテもです。」

?「やっと帰ってきやがったか。」

?「お、帰ってきたか。」

?「お待ちしていました。シェンス。」

シェンス「あれ?アンタは・・・。」

スパツ「ブッピラとフォールの遣いで来ました。スパツです。ことの経緯を聞いてくるように言われて来ました。」

シェンス「あ、なる〜。」

フォルテ「で、どうだったんだい?ミィディアとやらの様子は。」

シェンス「大分衰弱した様子だったわね。あとセイの力を使って父親の魂を飛ばしたみたい。全てではないけど。」

フォルテ&?&?&スパツ「‼」

フェア「・・・それで他には?」

シェンス「・・・一応罪についてとこれからについて色々伝えたわ。あと罪の償いを分散にしたわよ。」

フェア「分かりました。では下界は一旦落ち着いたということですね?」

シェンス「そゆこと。」

フェア「じゃあシェンスは休んでください。」

シェンス「ほーい。」

フェア「とりあえずこの事態を天界全体に伝えなくてはいけませんね。ヌーラ‼聞こえますか?」

ヌーラ「はい聞いていますよ。」

フェア「ヌーラはフォルテと交代してもらえませんか?」

ヌーラ「承知致しました。」

フォルテ「僕は天使・中天使に指示を出してから休むよ。」

フェア「分かりました。ありがとう御座います。ノーヴェはグラントたちに、オルゴはウナたちにこの事態を伝えたら交代して下さい。」

オルゴ「ああ、分かった。」

ノーヴェ「分かったぜ。」

スパツ「私はブッピラたちに報告してきます。」

フェア「お願いします。」


〜〜〜〜〜


はぁ・・・なんか疲れたな。

天使といっても色々なタイプがいるな。

良く喋るシェンスに堕天使のセイ。

堕天使ってことは・・・要するに悪魔だよな。

なんか目に見えない人間関係を持った気分だ。

そんなことを考えていると新たな天使が俺の前に姿を現した。

スパツ「こんにちは‼ミィディア。」

ミィディア「‼、・・・今度は誰だよ汗。」

スパツ「僕はスパツ。よろしくね。」

ミィディア「よ、よろしく・・・。」

スパツ「ちょっと君の話が聞きたくて来たんだ。」

ミィディア「最近色んな天使が来て疲れるんだけど・・・。」

スパツ「ごめんごめん汗。でも今少し天界が騒がしくてね。」

ミィディア「そうなんだ。まぁ知らないけど・・・。」

スパツ「まぁそうだよね。」

ミィディア「あ!そうだ‼スパツに色々聞きたいことがあるんだけど・・・いいかな?」

スパツ「んー・・・僕が答えられる範囲で良ければなんでも答えるよ?」

ミィディア「まず天使って何?」

スパツ「難しい質問だね・・・一応人間界では神の使いってことになってる。」

ミィディア「その神の使いって具体的に何をしてるの?」

スパツ「具体的には人間界を見てるんだよ。」

ミィディア「・・・見てる?それだけ?」

スパツ「そんなわけないでしょ‼笑。人間界を独立した状態に保ってるんだ。」

ミィディア「・・・どういうこと?」

スパツ「今は天界と人間界って二つの世界が其々独立した状態になって存在してるだろう?でも昔、人間界は無かったんだよ。」

ミィディア「無かったって・・・存在しなかったってこと⁉」

スパツ「そう。君たちのいる人間界は天使である僕たちが作ったんだよ。」

ミィディア「・・・スパツいくつ?」

スパツ「天使に寿命はないよ笑。」

ミィディア「・・・スパツも人間界を作ったってこと?」

スパツ「僕は実際に作ってない。僕よりも優れた力を持つ天使たちが作ったんだよ。世界を作れる力を持つのは上天使だけだからね。」

ミィディア「上天使・・・天使たちの中での階級みたいなもの?」

スパツ「みたいなものってよりそのものだね。」

ミィディア「そういう階級って何を基準に決まるの?」

スパツ「純粋に力が及ぼす影響力だよ。上天使たちは世界を作れる程の力をみんな持ってる。だけど僕は精々空間と時間を超える力があるだけだね。」

ミィディア「人間の俺からしたら十分凄いよ・・・。」

スパツ「確かにそうかもね。でも天使の中じゃ下から数えたほうが早い。」

ミィディア「天使の階級って全部で何段階あるの?」

スパツ「大きく分けて三段階。細かく分けると九段階。」

ミィディア「意外とあるんだな。」

スパツ「まあね。でも階級で分かれてるからってそれが人間界でいう上司と部下の関係になるかって言われると違うんだ。」

ミィディア「そうなの?俺はてっきり階級が低いことを気にしたりするのかと思ってた。」

スパツ「全然ないね。寧ろ階級ごとにそれぞれ苦労が違うからお互いがお互いを労い合う感じかな。」

ミィディア「そうなんだ・・・それで一番偉い天使とかは何ていうの?」

スパツ「一番偉いのは上天使。次に中天使。最後が天使だ。この三段階の中で更に三段階ずつ分かれてるんだ。まず上天使だけど上から順に熾天使・智天使・座天使に分かれてる。この中で2番目に偉い智天使に君はもう会ってるんだよ?」

ミィディア「もしかして・・・モルテとシェンス?」

スパツ「そう。だから天界としては2番目に偉い天使が下界に降りるほど大きなことだったんだよ。」

ミィディア「副社長が動くほどの事態ってこと?」

スパツ「まぁたとえはアレだけど・・・そういうこと。」

ミィディア「そりゃ慌ただしい訳だ・・・。」

スパツ「こういう時は人間界だと階級が低い人に責任を押し付けたり下の人ほど動くのを星の数程見てきたけど・・・天界だと力のある天使程忙しいんだ。」

ミィディア「何で?」

スパツ「力があるってことは力のない天使よりも力の使える幅が多いだろう?その分色んなことに対処しなくちゃいけない。何でも出来るからなんでもやっちゃうんだよ。多分責任かな。こっちとしては少しは僕たちに任せたり休んで欲しいけどね。」

ミィディア「・・・なんかブラックだな。」

スパツ「天使のイメージはホワイトなのにね。で、次の階級が中天使。この中天使は主天使・力天使・能天使で分かれてる。中天使たちは上天使が作った世界を慣らす役割を担ってる。」

ミィディア「慣らす?」

スパツ「具体的には大地を作り海を作り空を作る。」

ミィディア「・・・スパツはどこに入るの?」

スパツ「次の天使かな・・・。」

ミィディア「悪い、失言だった。」

スパツ「別に良いよ・・・。少しホロってきちゃったけどね・・・。」

ミィディア「・・・そっか。(全然良くないじゃん・・・。)」

スパツ「さて!最後の天使だ‼この天使は権天使・大天使・一介天使で分かれてる。天使の役割は作った世界の調整だ。」

ミィディア「へ、へー‼で、具体的には何をするのー?」

スパツ「基本は下界に降りて見回ったり人間のサポートかな。」

ミィディア「サポートってどういうこと?人間には天使の声が聞こえないってシェンスから聞いたんだけど・・・。」

スパツ「話せなくても環境をいじって気づかせることは出来るでしょ?ま、それでも気づかずチャンスを逃す人間が殆どだけどね。」

ミィディア「まぁそれは・・・ね。」

スパツ「それに直接介入することはできれば避けなければならないんだ。」

ミィディア「え?何で?」

スパツ「さっきも言ったけど人間界を独立した状態に保つ・・・これは全天使の責務なんだ。人間が人間だけで人間の世界を回せるように。それを目指して天使は動いてる。人間界の他にも独立した状態にした世界を僕たちは幾つも完成させてきた。独立するということは僕たち天使が不要にならなければいけない。その為には天使の助けがなくても生きてもらわないと困る・・・っていうのが理由かな。」

ミィディア「成程・・・そういうことか。スパツ、色々教えてくれてありがとな。」

スパツ「いや、僕も良い気晴らしになったし、こちらこそありがとね♪じゃ、僕はそろそろ天界に戻るよ。」

そういうとスパツは消えていった。

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