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天使たちの天界戦線(一章、天地開闢)







ビランチ「それじゃ、今から地球の核を作るから、みんなでタイミングを合わせて力を集中させてね?」


イプノ「なんでこの僕が・・・。」


オッソ「まあいいじゃない。あたしたちの模倣物を創るんだから。」


グラント「そうそう。どうなるかは私たちにも分からないけど、楽しみよね。」


オルゴ「まあ、気が進まないのはわかるが・・・今は集中しろ。」


イプノ「・・・お前に言われなくても分かっているよ。」


フォルテ「君の減らず口は、相変わらずだね。」


イプノ「いつもお堅い君には、言われたくないな。」


ビランチ「あんたたち、こんな時までケンカしないで頂戴。」


グラント「そうよ。こっちまで気が散るじゃない。」


オッソ「まあ、らしいっちゃ、らしいけど。」


セイ「そうですね笑笑。」


ヌーラ「会話も結構ですが、そろそろ頃合いではないですか?」


ドラーク「そうね。もう十分溜まったんじゃない?ビランチ。」


ビランチ「ええ。じゃあこれから、私たちの力の支点を一か所にまとめ上げるから少し静かにしててくれる?」


ノーヴェ「・・・だってよ?イプノ。」


イプノ「名指しとは、いい度胸じゃないか。ノーヴェ。」


ビランチ「イプノ乗らない‼ノーヴェも焚きつけない‼」


ノーヴェ「はい・・・すいません汗。」


ビランチ「それじゃいくわ・・・・・・・・・。」


セイ「・・・ッ‼・・・結構、吸われますね。」


ビランチ「・・・・・・はい、完成。これからすぐに物質の引き寄せが始まるから、智天使のシェンス達と、座天使のイアス達はありったけ物質を生み出しなさい。」


シェンス「はいよ~~‼」


イアス「了解‼」


フォルテ「・・・ビランチ。大丈夫かい?」


ビランチ「流石に、ちょっと疲れたわね。」


ヌーラ「そしたら、ここは一旦天界に戻って休みましょう。」


セイ「いくら熾天使と言っても、力を枯渇した状態で無の空間にとどまるのは負担が大きいですからね。」


ビランチ「それもそうね。」


グラント「じゃ、戻りましょ‼シェンス‼イアス‼あと頼むわね‼」


シェンス「それはいいけど~~、なんかあったらどうすればいいの?」


ドラーク「そしたらあたしに言ってくれればいいわ。もうしばらく力は戻りそうにないけど、指示だけは出せるから。」


シェンス「なる~~。了解‼」


イプノ「一人じゃ心もとないだろ?僕も残るよ。」


ノーヴェ「イプノも残ってくれるなら安心だな。」


オッソ「あたしも残るわ。割と力残ってるから。」


イプノ「・・・とのことだ。こっちは心配いらないから、早く天界に戻って力を戻すんだね。ビランチ。」


ビランチ「助かるわ。そしたら、あたしは一旦天界に戻るわ。あとよろしくね。」


イプノ「はいはい。」


ドラーク「・・・あたしたちがビランチとやり取りしている間に大分出来てきたわね。」


オッソ「そうね。」


ブッピラ「・・・ドラーク。あらかた物質は核に吸い寄せられたが、まだやるのか?」


ドラーク「そうねぇ。とりあえず物質はもういいかもね。」


フェア「ですよね・・・これ以上生み出せと言われたらどうなってしまうことやら・・・・・。」


イプノ「みんなお疲れ。そしたら僕たちも戻ろうか。」


オッソ「いや、待って。その前に核の周りをある程度整えておかないと。」


ドラーク「そうね。まあ、熾天使三人もいれば整えるくらい造作もないでしょ。ってことで、整える前に一つおまけ。」


イプノ「・・・?。ドラーク、今何をしたんだい?」


ドラーク「ヒミツ笑笑。」


オッソ「笑笑。それじゃ、整えたらあたしたちも天界に戻りましょ。さすがに疲れたわ。」


イプノ「そうだね。僕は疲れてないけど。」


オッソ「・・・意地っ張り。」



~~~~~




イプノ「戻ったよ。ビランチ。」


ビランチ「お帰りなさい。首尾はどう?」


オッソ「上乗。」


ドラーク「それに、力が割と余っていたから、空を作ってきたわよ。」


フォルテ「仕事が早いね。」


ドラーク「ま、出来ることはちゃっちゃとやっておかないとね。」


セイ「それもそうですね。」


イプノ「ところで調子はどうだい?」


ビランチ「大分戻ったわ。」


イプノ「それならよかった。」


ヌーラ「そしたら、ビランチが回復する間にもう少し進めましょうか。」


グラント「そうね。あたしたちはビランチをみているから、ヌーラ。天使たちへの指揮をお願いできる?」


ヌーラ「はい。ビランチをお願いします。」


ビランチ「ヌーラ。カリタルには私からもう指示を出してあるから、自由にさせてあげてくださいね。」


ヌーラ「分かりました。」



~~~~~


ヌーラ「それでは、始めましょう。今、下界にはドラークの作った空とビランチの核によって一か所に固められた大地。そしてフェアたちによって生み出された様々な物質があります。私はこれから人間を生み出すので、モルタは生命の木を。チュルは知恵の木を植えてきてもらえますか?」


チュル「了解だ。」


モルタ「・・・植えていいのか?」


ヌーラ「はい。ビランチからは私たちの模倣物を創造すると聞いているので、その二つは必要不可欠です。お願いします。」


モルタ「俺たちの模倣物を・・・そうか、なら必要か・・・分かった。植えてくる。」


ヌーラ「お願いします。」


カリタル「俺は、ビランチの指示通り、砂漠を創ってくる。」


ヌーラ「そちらもお願いします。・・・では、こちらも始めますか‼」



~~~~~




シェンス「ヌーラは今頃、上手くやってるかな~~。」


フェア「ヌーラのことだから心配ないと思いますよ?」


シェンス「でも、ちゃんと伝わっているかな?不完全。」


フォール「・・・不完全?なんだそれは。」


シェンス「模倣物の話。そもそも、今回私が人間を生み出すのをビランチに頼んだのは、私たちの不完全な姿を見てみたかったからなの。なんでも出来るあたしたちだけど、そのあたしたちだからこそ、出来ないものってのがあるっしょ?」


ブッピラ「・・・出来ないこと、だな。」


シェンス「そ。“出来ないこと”が出来ないの。でも、それって完全じゃないっしょ?」


モルテ「・・・確かに、考え方によっては欠けていますね。」


シェンス「その欠けたものを補うために人間を作ってもらったのよ。」


プロイビー「そしたら、あたしたちと全く同じ模倣物を、もしヌーラが創っているとしたら・・・。」


ウナ「創る意味がなくなってしまうな。」


イアス「やべーじゃん‼」


ヴェッキ「今すぐ、ビランチに確認しに行くぞ‼」



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