見出し画像

波の音

 私は波の音が子供の頃から好きである。
母が猟師の娘で実家が横須賀で、何かにつけてよく海に連れて行ってくれた。
多分その影響が大きい。山も嫌いは訳ではないが、どっち行きたいか選びなさいと聞かれたら、海と即答する。優柔不断の私にしては珍しい。
海の何が好きと聞かれると、別に海水浴やマリンスポーツをする訳ではない。だだ海の音が好きなのである。海の音🟰波の音。波の音が私にとって最高で極上の音楽である。いつまででも聞いていられる。
当時は知らなかったが、波の音にはヒーリング効果もあって、不安な心を落ち着かせてくれる。波の揺らぎが不安をさらってくれる感じだろうか。
波の音は母親の心音にも似てるので、本能的にも落ち着くのだろうか。
またアメリカの研究でポジティブな感情を高め、健康を増進させる効果もあることが分かっている。
 自宅から海が近かったことも私にとっては幸運だった。
 よく母と観音崎までドライブに行った。旅行先も自然と熱海、伊東、沖縄、グアム、ハワイと海があるところが多かった。
 ハワイでディナークルーズや飛鳥船でのクリスマス、鳥羽 ・熊野大花火クルーズ。どれも楽しかった思い出だ。ただしディナークルーズだけは景色を楽しむより、どうしても料理に集中してしまう。そこで歌やダンスに目を奪わられてしまう。それに加えて私は食べるのが人より遅い。本来なら船から美しい夕陽が見えるのだが、気づくとあっという間に夜の帳が下りてしまった。ちょっと残念な思い出ででもある。
母が私と弟が大学生の時に家族(私、弟、母、父〕4人でハワイ旅行をした素敵な思い出だ。母は社会人になるとなかなか家族揃って海外旅行に行けないから今のうちに行っておくのと言っていた。実際その通りでだった。母と2人、弟と母。父と母と少人数では旅行に行ったが、なかなか4人揃わなかった。
 社会人になって一度だけ家族でカナダ旅行に行く計画があったが、直前に祖母の具合が悪くなって、結局計カナダ旅行が実現することは無かった。
 振り返ると海は母との思い出の場所であり、私が1番落ち着く場所である。 
私にとって海とは第二の故郷である。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?