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【1】結局ダイヤモンドの4Cは何を重視すれば良いのか

こんにちは、KoToNeと申します。

宝石・ジュエリーに携わって十数年、培った知識やら知見やらどこかの誰かの役に立てればと、気ままに綴ることにしました。

初っ端がこんなちょいコアな話?
という感じでしょうが、基本の基本はネットに既にたくさん転がっていると思いますので、数だけはめちゃくちゃ見てきた私なりのものを書きます。

経歴

私のジュエリー業は、リユースジュエリー販売から始まりました。
その後、ダイヤモンドとパールの卸業にて製品を作るためのセレクション(石合わせ)をしてきました。

扱うダイヤモンドは直径1mm未満のものから時には10ctを超えるものまで。
パールも南洋、アコヤ、淡水の大小ピンキリを取り扱い、孔あけ、糸組みもやりました。

リユースジュエリーも扱っていたので、見てきた宝石やジュエリーは数十万点。

お陰様でやたらと目利き力は養われ、ジュエリーの質は、宝石(ルース)のみの価値だけでなく、構造・爪留め・鋳造・彫金技術の質の良し悪しまでわかるようになりました。

職人さんとのやりとりの経験から、修理・フルオーダー・リメイクに関する知見も持ち合わせています。

ダイヤモンドの4Cとは

そもそもダイヤモンド4Cってなに?

4Cとは、カラット、カラー、クラリティ、カットの頭文字をとったものです。

こちらにつきましては、BRILLIANCE+(ブリリアンス・プラス)様のホームページの解説が、非常にわかりやすく丁寧に作られています。

(SEO対策としても素晴らしい……)


そして、BRILLIANCE+様の4Cで重視すべきことについて、私も概ね同じ考えです。

4Cはどれもダイヤモンドにとって大切な評価基準ではありますが、その全てを求めると、とんでもなく高価で手の届かないものになってしまいます。

家電だってどこまでの機能を求めるのか、予算はどれだけ割けるのかで選ぶと思います。
ではその中で何を重視すべきかが問題になります。
これはダイヤモンドも同じです。

なお、カット評価は「ラウンドブリリアントカット」のみされるため、この記事でのお話は「ラウンドブリリアントカット」を前提としています。


4Cで重視すべきこと

結論から言うと「カット」を重視すべきだと考えています。

なぜならば、4Cのうちカットのみが人の手が加えられた結果の評価だからです。

(厳密に言うと、重量に関しても多少技術とテクノロジーの話が入ってくるのですが、長くなるのでまたの機会に)

ダイヤモンドは原石のままではその輝きを十分に発揮できません。
人の技術でカット(研磨)することにより、漸くその潜在的な輝きを発揮できます。

そして、いくら原石の質が高くても、それをカットする人の腕が悪ければ、ダイヤモンドはその本領を発揮できないのです。

逆に言えば、多少原石の質が劣っていても、正しくカットすることにより、そのダイヤモンドは十分な輝きを発揮することがあります。

ダイヤモンドが美しい輝きを放てるか否かは、最終的に人の手にかかっているのです。

ダイヤモンドを選ぶ際には優先順位を付け、まず見た目に分かりやすいカラットとカットに重点を置き、次にカラーやクラリティのグレードを決めていくことをお薦めします。これが“2C+2C”という考え方です。
https://www.brilliance.co.jp/engagement/select/criterion.html


よって、BRILLIANCE+様のホームページに記載があるように、私もこの「2C+2C」の考え方は素敵だと思っています。

カラットとカットで迷ったら?

とはいえ、最終判断をどちらで下すべきか?
の課題は残ります。

個人的にはやはりカット重視です。
よほどカラットにこだわりがない限り、同じ価格だったら、

大粒でカットグレードが低いものより、
小粒でカットグレードが良いもの

をおすすめします。
実際、販売員時代もそうでした。

ダイヤモンドは強い衝撃が与えられたり、燃えたりしなければ、変質しません。
だからこそ長く愛される特別な宝石です。

たとえば、婚約の証としてエンゲージリングをえらぶ方は少なくないと思います。
でも実際はマリッジリングと入れ替わり、日常生活で身に着け続ける方は殆どいないのではと思います。

それはとても寂しいことなので、よりカジュアルなリングやネックレスにリメイクする方もとても多いです。
また、使わないならと、売却にいらっしゃる方も多いです。

その時よく見かけるのが、大粒でクラリティは良いのに、カットプロポーションが悪い為に、全く本来の輝きを放てていないダイヤモンドです。

こちらも長くなるのでまた別記事にしますが、「1ctアップ」ということが重視されすぎて、カットプロポーションなんて微塵も考慮されていなかった時代があったためです。

そのままではとてもリユース品としても売りにくいため、小さくなるリスクを追ってでも研磨師さんにお願いしてリカット(再研磨)を行います。

すると見違えるほどに輝きを放ち、結果としてダイヤモンド自体の価値も、元の状態より上がるのです。

それほど、カットはダイヤモンドの輝きと価値を左右します。

美しいプロポーションにカットされたダイヤモンドの輝きは、ある程度のカラー、クラリティの欠点をカバーできるのです。

とはいえ、価値基準は人それぞれです。
私が今回お話したのは、あくまでダイヤモンドの市場価値としての観点からです。

もちろん、多少カラーが劣っても、クラリティが低くても、カットが良くなくても、1ctアップのダイヤモンドが絶対欲しい!
という方もたくさんいらっしゃいます。

私も業界に入るまでは大きくて透明度の高いものの方が良いと思ってました。

でも、もしダイヤモンドを購入する時に迷った時は、カットにも着目してみてください。
正直クラリティ(透明度)に関しては、VSクラス以上の差なんて肉眼でわからないのです。

自然が生み出した奇跡的な鉱物ダイヤモンド。

折角ならその宝石が秘めている本来の輝きを、十二分に楽しんでみませんか?


次回はいわゆるジューンブライドも近いことですので、個人的におすすめのブライダルブランドを紹介しようかなと思います!

お読みいただきありがとうございました!
それではまた。

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