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「その人がその人であることを否定すること」

「その人がその人であることを否定すること」って、「人を人とも思わない」ということだと思う。
――ある種の「想像力の欠如」ではあるが、それにとどまらない、ということだ。



いい加減、いい大人になれば、「人はみんなそれぞれ違う」ことくらい、誰だって、本当は解ってはいるはずだ。

しかし、それを無視して、「少数者は多数者と同じになれ」と言う。――「多数者が絶対だ」と言わんばかりに。

ロシアのプーチン政権が今月上旬、性的少数者を含む「非伝統的な性的関係」に関する宣伝を全面禁止する法律を成立させたことに絡み、モスクワの図書館の「廃棄処分リスト」に日本の文学作品も入ったことが分かった。

――これを読んで、「遠い異国の話」だと、思うだろうか?

ちなみに。
「今現在の」我が国の総務政務官は、「LGBTは生産性がない」「国内の少数民族は存在するだけで日本の恥さらし」、性被害者女性に対し「落ち度がある」「女性は嘘をつくものだ」、「男女平等は絶対に実現し得ない反道徳の妄想」、等々……こんな発言をしておきながら。
その、これまでに数多ある「問題差別発言」を、指摘されても発言撤回をすることもない。
で、そんな人間が、除けられることもなく、国のトップ行政で重用され続けている。
というかそれ以前に、国会議員にも、選挙時に比例名簿上位に配され、つまり所属政党により優遇されて、当選し続けているわけである。
――つまり、我が国「も」また、「国の考え方としては」割とロシアみたいな「そんな国」に、いまだに寄っていっているのである。

至極簡単にまとめてしまうと、そういう考え方の看板掲げた人間たちが中心となって、「国を動かしている」――それが「我が国」の「今現在の姿」なのだ。



そりゃあ誰にだって、他人に対する想像力自体は、「不足している」ことはある。

でも、上に上げた、ロシアの図書館の「非伝統的な」本の廃棄や日本の政治家の例、これらは言うなれば「欠落」であるし、――いや、「意識的に欠落させている」わけであるから、それより余程悪い。
冒頭に戻るが、これこそが、「人を人とも思わない」である。


「でも、我々はそれとは違う考え方だから。」って?
――ならば何故、彼らのような考え方の政党が最も支持され、選挙で、つまり「国民によって」、国の代表として選ばれるのだろうか?
――支持している当事者は「誰?」なのであろうか??




原作漫画のほうを読んでから記事にしようかと思ったが、いま触れておこうかと思う。


(あ~、もっと早く紹介すればよかったかな。そうすれば見逃し配信が全話まだ観られたと思うので。)
(続編期待!……でもこれ、たぶん制作してくれるんじゃないかな?)

「作りたい女と食べたい女」、とても素晴らしいドラマだった。

NHKの夜ドラ枠で、15分ずつ、全10話。
――でも、このサイズで作ってくれて、このドラマは良かったと思う。


大声で叫ぶわけでもなく、声高に訴えかけるわけでもない。

しかし。
人の心に、「そっとすべり込む」ような、そして「さり気なく寄り添う」ような、そんなメッセージ性が、このドラマにはあった。

もしかしたら、こういう作品こそが、今の世の中に「届く」作品なのではないか?と、私は感じているし。

そこに私は今、どこか、「期待」をかけ、「希望」を持っている。



※トップ画像は、NHKのサイトからお借りいたしました!

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