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化粧品のこと、環境のこと。

今日イベントへ行った。テーマは、「化粧品と環境問題を考えよう」 これは私がずーっと気になっていたこと。なんてぴったりなテーマ!と思い参加させてもらった。

まず突きつけられたのは、2022年に一年間で出荷された化粧品は25億個で、そのうち半分は廃棄されたという現実。わお、私の想像より遥かに悪いじゃないの。まずその数に驚く、そして廃棄が半分って。。。どういうこと?
これはどうやら供給過剰な状態、つまり一人当たりの消費量よりも供給量がはるかに多いこと、人口が減っているのに製造企業が増加していることが原因らしい。
なんでそんな状態に陥っているのよー?!

これには化粧品業界の歴史(特に法律)と関わりがあるようで。。。
私の理解だと、ターニングポイントは2001年。「全成分表示」制度が導入されたことにより、化粧品承認制度が原則廃止となった。(それまでは全ての化粧品が厚生省(現在の厚生労働省)で、成分、配合比率、製造方法に至るまで「承認」を受ける必要があった)
法律が大幅に緩和されたことで、申請すれば誰もが化粧品を製造できるようになったんだそう。
そのため異業種からや、中小企業の参入により、化粧品製造販売の免許をもつ会社は今や4300社、企画だけする会社も含めると6000社あるそうな。
化粧品戦国時代の幕開けと言っても過言ではなさそう。

それで、何が問題かっていうと、製造をしていない(製造するには化粧品製造の免許が必要で、化粧品製造販売の免許とはまた別)それぞれの企業が自社のオリジナルの化粧品をOEMでつくるとする。そうすると最低ロットというのが決まっていて、最低1000個とかをつくる必要がでてくる。競争が激しいために売れ残りがおこり、化粧品には消費期限があるので、廃棄される。という仕組み。。。
また、量販店などに卸す場合、欠品をふせぐために過剰に生産する必要があるので、売れ残りは返品され廃棄される。

他には、化粧品のパッケージに使われるプラスチックが、リサイクルしにくいという問題もある。なぜなら、ほとんどの化粧品の基材に油がつかわれているから。洗っても洗っても落ちない油のついたプラスチックはリサイクルできないのだそう。
そして、綺麗に見せるために着色、加飾された容器もリサイクルが難しい。
プラスチックは1種類じゃないこと、単一素材じゃないとリサイクルできないこと、なんかは知らなかった。。だって、プラマークにぐるぐる矢印マークみたいなのがついていて、あたかもリサイクルできるよーみたいなていでいらっしゃるじゃないですか!

じゃあ、容器をつかいまわして量り売りすればいいんじゃないの?って思いますよね。そこにも法律が関わってくるのです。ようは、皮膚から洗い流すものに関しては量り売りOKだけど、皮膚にとどまっている化粧水やクリームなんかは衛生的でなければいけない、というルール。だから、綺麗な(衛生的に)容器に入ってなきゃいけないし、腐らないようにしなきゃいけないし、そのために防腐剤も入ってる、と。そりゃ、そうか。私たちが安全に使用できるように定められているルールが、もどかしく感じることもあるのね。もどかしいといえば、無添加、という言葉の裏には、添加物として指定されていないものをつかうだけ、やってることは同じ、というのも、もどかしい。日本の法律では、化粧品はあくまでも工業製品であり、(この表現なかなか衝撃だった。こ、工業製品。。。)くさったらダメだし、安全じゃないとダメ。

最後に、きわめつけのもどかしさ。化粧品の製造工程のどこでCO2が出ているのかという問いの答えが、全部。だったこと。エネルギーとしての石油だけでなく、原料としても石油が使用されている。
口紅、日焼け止め、ファンデーション、マスカラ、アイシャドウ、チーク、コンシーラー、。。。ほぼ全てに石油由来成分が使われています。

今私たちを悩ませている石油、でも、石油が悪者なのではなくて、それをどう使っていくかをコントロールできない人間の問題である、と塩原さんがおっしゃった時、希望が見えた気がした。
環境問題、地球の温暖化を解決するために石油を排除することが第一優先なのではなくて、人間がどこまでもエネルギーを使い尽くす、その問題を解決する方法を考えれば、少しは改善できるのかもしれない。
近年の夏の暑さを考えるとそんな悠長なことを言ってる時間もないようにも思えて、絶望的な気持ちになるときもあるけれど、今、私ができることを粛々とやるしかない。なにをするかって?

消費は投票、という言葉が浸透してきているけれど、私たちの消費行動が経済と地球につながっている。化粧品を買うことが悪いことではなくって、何を選ぶかが大事。私が決めた(以前から決めていた、も含め)基準は
・原料がなるべくシンプルな化粧品を選ぶ(特に基礎化粧)原産地もわかるとなお良い
・共感できる精神やストーリーのあるブランドを選ぶ
・輸送費の観点からなるべく国産を選ぶ
・Less is more の精神で物をえらぶ
・見栄のための消費をしない
・心が惹かれたものは買う(自分ルールに縛られすぎてストレスをためない)

まだこのリストは改革途中、どんどん変化させていこう。

私たち一人一人が化粧品についての知識を深めていき、一人一人の「選ぶ力」が上がれば、おのずと良い企業が残って行くのではないかなと思う。
これからも自ら学び、本物の企業、化粧品を選んでいきたいものです。
トライアンドエラーアンドトライ!の気持ちで。





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