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建部弥希『全面絵画展』(スペースプリズム)

建部さんの絵画には、この世界の色が全部詰まっている。

建部さんの作品に出会い、私が生きるこの世界にはこんなにも美しい色彩が溢れているのだと知れた。
目には見えない空気や光、風や音にも色がある。

作品は1点だけでも、とても力強いエネルギーを放っている。
更に個展だと、全方面から建部さんの色を浴びることができる。どこを向いても美しく、全身で吸い込みたい気持ちになる。

今回はスペースプリズムさんにて、開催を楽しみに待っていた個展!
更に「全面絵画展」という、他では聞いたことがないタイトル。
箱型の立体、その全面に建部さんの絵画が描かれている…そしてその作品がギャラリー中を埋め尽くしている!
大型の作品は宙に浮く形で展示されていて、横から下から鑑賞可能。

最も数の多い10×7.5×4cmの作品は、両の掌にすっぽりおさまる。
なんとこの展示、ビニール手袋をつけたら、作品を手に持って鑑賞してOK!
もう大興奮。
以前別の画廊で少しだけこの形の作品を観たけれど、全てが全面絵画という展示は初めて。
触れるのも、もちろん初めて。
手に持ってくるくるさせると、さっきまで正面だと思っていた面が見えなくなって新しい面が目に飛び込む。
これは見る時の気分やその日の気持ちによって正面と思う面が変わるはず。
普段はカンバスの枠に遮られる絵画が、私の手の中で無限の広がりを放つかのよう。
箱型だから小さくも感じるけれど、絵の部分を広げたらかなりの大きさなはず!これを100個近く制作された建部さん、圧巻。

次から次に作品に触れて、隅々までその色彩を味わう。
初日に行ったら、ギャラリーオーナーさんが「手で触る人がまだ少ない」とおっしゃっていた。もったいない!こんな機会はまたとないのだから、どんどん自分の手で堪能すべき展示。

この日はギャラリーが閉まる30分前に駆け込んだのだけど、全面絵画に囲まれる体験をしたらもういてもたってもいられず。
時間ギリギリまで悩みに悩んで作品をひとつ購入。
興奮して迷い過ぎて、ビニール手袋を外したら自分の熱気が手袋の中にこもってた。
もう一度観に行きたいけど、次行ったら欲しい作品が別のものに変わりそうでこわい!

自立するから壁がいらないし、好きな場所への移動も簡単にできる。
作品がお家にきたら、どこにまず置こうかな。
考えるだけで楽しみが止まらない。

7/9(日)まで。週末お時間ある方はぜひ!平面じゃない絵画の世界を浴びてみてください。

建部弥希 全面絵画展
2023.6.29〜7.9
12:00〜19:00(最終日17:00)
スペースプリズム
名古屋市東区泉1-14-23


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