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映画 不思議の国の数学者

昨日見てきました。
学問の自由を求めて脱北した天才数学者ハクソンと、優秀者ばかりの高校で数学の成績が振るわず、転校を勧められている学生ジウの交流を描いています。

ハクソンは数学に没頭したいけれど脱北者として韓国で暮らす中で、息子と対立し、死別した背景があり、高校で警備員として身分を隠して働いています。

ジウには貧困層向けの特例枠で入学した背景があり、母子家庭で母親の期待を背負っているため転校したくないという事情があります。

そんな2人が出会って数学を通して信頼関係を築いていく物語でした。

ハクソンは天才数学者なので、数式の美しさや解く過程の大切さを説き、
入試問題を解くためのテクニックで躓いているジウは、最初は「そうじゃなくて・・・」という感じがあったものの、そのうちに数学の魅力に気づいて没頭していきます。

ジウと交流するうちに、人生を諦めていたハクソンが少しずつ前を向き、終盤でジウの苦境を助けるために行動を起こします。そのことがジウを助け、さらに周囲の人を動かして大きく展開します。

全体的にコメディタッチな演出が多く、ちょっと大袈裟では・・・と思うところや、粗さを感じるところもないではないのですが、それは些細なことで、物語の展開がとても温かくステキなラストへ連れて行かれて涙しました・・・劇場内でも泣いている人多数・・・。

明確には描かれていなかったですが、名のある数学者として韓国に迎えられれば、ちゃんと研究できる環境にいられたのでは?と思うものの、北に存在を知られることになって身の危険がある、ということなのかなと解釈。純粋数学を愛するハクソンは、北では軍事技術の開発に貢献せねばならなかったのが辛かったという話もちらっとありました。

韓国ドラマでは脱北者がしばしば出てきますが、日常のことなのでしょうかね・・・。と疑問に思っていたら、こんな記事を見つけました。

映画「不思議の国の数学者」と脱北者

やっぱり多いんだ・・・そして韓国での生活にさまざまな困難があるんですね。ま、政治があれだけ違ってしまっているから、言葉が通じても日常生活として難しいことがたくさんあるのだろうなとは思います。

途中、Netflixドラマ「愛の不時着」で北朝鮮の若くてかわいい兵士クム・ウンドン役をやっていた役者さんが出てきて、おーっ!てなりました。とてもつらい役でしたが。

あと、この映画、英題が In Our Prime なんですが、この意味がいまいち理解できなくて考えています。

単純に考えると、私たちの最良の時、みたいな意味で、2人が数学を通して交流していた時間のことや、ラストをさしてのタイトルかなと思うのですが、primeには素数とか数学的な意味合いもあるようなので、もっと含みを持たせた意味があるのではないか・・・と思ったり。

韓国語のタイトルは英訳すると Mathematician in Wonderland なので、日本語タイトルと変わりないですが。

とても良い映画だったので、配信始まったらまた見たいなと思っています。

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