迷えるわたしに捧ぐ「変わりたい」背中を押す、何度も読みたい80ページ

このままじゃダメかもしれない。

一度はそう思ったことがきっとあなたにだってあるはずだ。
今いる場所から抜け出したい。変わりたい。
でも追いかけっこのような日々に忙殺されて動けない。

そんなあなたの背中を押す1冊。
スペンサー・ジョンソン著『チーズはどこへ消えた?』
変化を恐れる気持ちは、未来を現実的にイメージすることで勇気に変えられる、らしい。

人生の選択に影響を与える80ページ

さくっと読めるのでまずは手に取ってみて

『チーズはどこへ消えた?』は世界中から支持されるビジネス書で、
日本だけで400万部、世界で2800万部以上の累計発行部数を誇るロングセラーだ。

堅苦しいビジネス書ではなく、スッと読みやすい寓話テイスト。
発売から20年を超えても愛され続けている。


なによりもおすすめしたいポイントは、わずか80ページの書籍ということ。
2時間もあれば読めるお手軽さがうれしい。


短い物語に一歩踏み出すための教訓が詰まっている

物語の主人公は、迷路で「チーズ」を食べて暮らす2匹のネズミと2人の小人。
手に入れたいものの象徴として描かれる「チーズ」がある日突然消えた。

それぞれ「チーズ」があれば幸せと信じているけれど、行動はさまざま。
ネズミたちは敏感に変化に気づき、チーズを見つけるためにすぐに動き出す。
小人たちはなぜチーズが消えたのか考えるが、保守的で動き出すことができない。

今のわたしは登場人物の誰に近いだろう?


変化を恐れて今いる場所から動けない?

遅れをとっても何もしないよりいい!

わたしたちは一度手に入れた幸せがずっと続くと思ってしまいがちだ。
でも一度消えた「チーズ」は決して戻ってこない。


チーズが消えてから気持ちは落ち込み、次第に体調も悪くなっていく。
時間ばかり無為に過ぎていくなかで小人のホーは気づく。
"あれこれ事態を分析するのはやめて、新しいチーズを見つけたほうがいい"

好転しない状況を誰かのせいにしたり、憤ったりしても何も変わらない。
だったら遅くてもいい。新しい場所へ動き出すべきだ。
恐怖がなければ、なにがしたい?と自分に問いかけてみる。
凝り固まっていた考えが変われば、行動も変わる。


未来は思うほど悪くないよ

膨れ上がったネガティブ思考に囚われて、
身動きが取れなくなることだってあるだろう。
そんな時は、望む未来をできるだけ具体的に思い描いてほしい。

たとえば、
成城石井で値札を見ないで買い物をする。
晴れた日には近所を散歩して綺麗な写真を撮る。
毎日ゆっくりとお気に入りの紅茶を飲む時間を持つ。

現実的で細かいところまで想像してみると、
ほくほくと心躍って、変化を楽しむ余裕ができていく気がしない?

常に変化が起きるのは当たり前のこと。
動き出せば、案外必要なものは見つかるし、
たぶん実際の未来は想像するほど悪くないのだ。

大切なのは、自分で道を見つけること

できるうちに変化を起こすのがベスト

周囲の結婚だったり、転職だったり……。
自分だけが置いて行かれたような気持ちになってしまうことがたまにある。
自分ひとりでぐるぐる考えて、周囲の変化に気が付かないから余計焦る。

でも、やらなきゃいけないことは案外カンタンだ。 
出会いがないなら、出会いの場所へ、
転職を考えているなら、転職サイトを覗く。

どんな選択肢があるか知っていれば、すぐに動けるから時間も節約できる。

わたしだってやれると自分を信じてみる

今はどうしようもなく悩んで、道しるべのない場所で停滞しているかもしれない。
そんな自分をばかばかしいと笑えるようになった途端に行動が変わる。


物語の中では単純なネズミたちでさえ新しい「チーズ」を見つけられた。
だからわたしにだってできるはず。
動き続けていればきっと違う選択肢も見えてくる。

誰も自分の代わりに選んでくれないから、自分で道を見つけるしかない。
理想の未来を楽しんでいる自分を想像すれば、実現に近づいていく。
変化は災難に見えても、新しい「チーズ」を見つけるように仕向けてくれたギフトだ。

読み返すたびにヒントをくれる

『チーズはどこへ消えた?』を読んでがっかりするかもしれない。
80ページの中に具体的なアドバイスはないから。

でも大切なことは、物語のネズミと小人が教えてくれる。
それは状況に対応する心構えだったり、前に進む恐怖との付き合い方だったり。
得られるものは、その時の悩みやモヤモヤによって変わるだろう。

物語の登場人物の名前にはそれぞれ意味があり、
ネズミのスニッフは「素早く動く」、スカリーは「嗅ぎ付ける」。
小人のヘムは「閉鎖的」、ホーは「口ごもる」だがやがて行動するようになる。
ホーの考えのなかでわたしに一番刺さったのは、
変化は何かを失うことではなく、新しい「チーズ」を得るステップだということ。

格言だらけの一冊、きっとビジネスだけでなく人生の選択を変えてくれるはずだ。


この記事が参加している募集

#読書感想文

189,568件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?