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2023明治安田生命J3リーグ第5節FC大阪VSカターレ富山の個人的な見どころを紹介

3月に開幕した今季のJ3リーグ。3月には全国各地で熱戦が4試合
Jデビューを果たした選手や、復帰をした選手。様々な想いが交錯する中で今季も混戦模様のJ3リーグ

すでに全勝のチームはなく勝ち点は拮抗
シーズン序盤ではありますが目指す目標に向かって1試合1試合積み上げていきたいところ

FC大阪は前節アウェイで愛媛と対戦し1-2の敗戦。今季初の連敗を喫しましたが、「まだまだ発展途上の若いチーム」と語る志垣監督
ホームでの勝利を待ちわびるサポーターの前で今季2勝目を飾りたい一戦

一方の富山は前節ホームで長野と対戦。先制するもそこから3失点
しかしながら途中交代の選手含めて諦めずに戦い、終盤で追いつき3-3の引き分け
雨の中、タフなコンディションで負けなかったという自信を持ってアウェイに向かいます

リーグでのFC大阪と富山の対戦は初。4月最初の試合で勝ち点を積み上げるのはどちらのチームか?90分の熱戦に期待しましょう

(J3リーグ  実況:能政夕介(J3は1人実況です)※追記、修正の可能性あります

順位と前節の振り返り(2023/3/29時点)

FC大阪:1勝3敗で勝ち点3 (3得点7失点)-4 19位
前節はアウェイで愛媛と対戦し1-2の敗戦。今季はアウェイ宮崎でJリーグ初勝利を飾った。2勝目はホームでのリーグ戦初勝利を狙うFC大阪

FC大阪は前節愛媛とアウェイで対戦。雨の影響もあり、ピッチもスリッピーな状況。ロングボールを使い、前線の島田・古橋にボールを供給するも、愛媛はボールをサイドに広げ対応し、FC大阪陣内へ迫っていく
愛媛はGKから左サイドへ大きく展開し、早いタイミングでクロスを送る。CBとSBの間に上手くポジションをとった松田力がヘディングシュートを放ち先制

しかしFC大阪も徐々にボールをコントロールしながらコートを広く使いチャンスをつくる。舘野のクロスに島田が折り返し、古川がヘディングシュートで冷静にゴールを決めて今季初ゴール。サイドからの攻撃で前半の内に試合を振り出しに戻しました

後半は立ち上がりからゴールに迫られる場面があるも、そこからは膠着状態に。しかし、後半の28分に前がかりになったところを奪われショートカウンターを受けて失点。終盤は高さを生かしてゴール前にチャレンジするも追加点は奪えず悔しい敗戦となった

高さのある選手も揃い、キックの精度が高い選手もいる中でどのようにコントロールしながら打開を図るか?CBの選手が攻撃参加する際はリスクマネジメントも重要になる。新戦力との融合と、攻守でのコミュニケーションをより向上させより粘り強く戦いたい

2023明治安田生命J3リーグ第4節愛媛VSFC大阪の試合結果(Jリーグ公式HPより引用)


カターレ富山:2勝1分1敗で勝ち点7 (9得点8失点)+1 5位
前節はホームで長野と対戦し3-3の同点。セットプレーから見事な先制ゴールを決めるも後半立ち上がりから失点を重ねて3失点。一時は2点差でしたが、終盤にアルトゥールシルバ、高橋駿太が得点し3-3の同点に追いつき勝ち点1を得た

こちらも雨の影響がある一戦となった
富山も長野もハードワークし球際での競り合いが激しい一戦だった
結果多くのセットプレーが生まれ、富山は前半に坪川のキックを大畑が合わせて先制に成功。前半はお互いにゴールに迫るシーンを見せながらその後は得点生まれず1-0で後半へ

長野はより相手の裏を意識したプレーが増え、後半の立ちあがりから勢いを持って臨んだ。結果的に後半の2分、6分、15分と立て続けに得点を重ね逆転に成功
富山はサイドからのアーリークロス、ショートカウンター、セットプレーのこぼれ球を豪快にミドルシュートを打たれ一時は2点差に

それでも今季の富山はより粘り強く、最後までにタフに戦う姿勢を見せる
長野のPK失敗に加え、選手交代で流れを引き寄せる
後半38分に右サイド大山のクロスにアルトゥールシルバがヘディングで合わせて1点を返す
そして後半43分にはSBにポジションを代えた坪川からのクロスをアルトゥールシルバが収め、高橋駿太にパス。高橋は冷静にゴールを決めて土壇場で同点に。タフな試合展開だったがホームで勝ち点1を得た試合になった

2023明治安田生命J3リーグ第4節富山VS長野の試合結果(Jリーグ公式HPより引用)

FC大阪は富山のプレス強度をかいくぐりながら試合をコントロールできるか注目したい。セットプレーでは優位性のある高さを生かしてバリエーションのあるプレーも展開していきたい
富山は開幕から続く失点の部分を修正しつつ、持ち前のアグレッシブなサッカーを展開したい。ここまで8失点中後半の失点が7失点。内4失点が後半開始15分以内の失点になっている

攻守で両チームの成長を見せつつ、粘り強く90分間集中できるのか楽しみにしていきたい

過去の対戦戦績(初対戦)リーグ戦のみ

リーグでの対戦は今節が初めてとなる

大阪に3番目のJリーグチームとして今季からJ3でプレーするFC大阪
2015-22年まで8年間JFLで戦い、悲願のJリーグ昇格を昨季勝ち取った
大阪からJクラブが誕生したのは、ガンバ大阪、そして1995年のC大阪以来27年ぶりとなる

一方の富山は2007年に富山県にJリーグをとチームが発足。2008年からカターレ富山としてJFLで戦い、1年で昇格。2009-14年までJ2リーグで戦い、2015年からJ3リーグで戦い9シーズン目。来季10年ぶりとなるJ2の舞台に向けて戦う一戦になる

◆両チームの古巣対戦
FC大阪
舘野(富山出身:2012年の途中から2013年まで在籍)
服部(2017-2018の2年間プレー)

カターレ富山
大山(2020-21年まで2年間在籍。34試合3得点)富山には2022年加入の2年目

FC大阪の舘野はJデビューが富山在籍時。2013年8月4日 J2第27節の対札幌戦。あれから10年が経過した。9年ぶりとなるJの舞台で古巣と対戦する
舘野は前節同点ゴールの起点となる精度の高いクロスを送っている
JFL時代もセットプレーから多くのチャンスを作りだしてきた
前節守備面で悔しいプレーはあったが、今節ホームでその悔しさを晴らせるか注目したい

富山の大山は2019年までセレッソ大阪に所属
U23でのプレーが主でしたが、急性肺血栓塞栓症を患い治療を試みるも慢性化により退団。そこから治療を経て競技復帰を果たしている
復帰後最初に所属したのがFC大阪。その後富山に移籍し昨季はJ初ゴールもマーク。前節もアシストを記録している大山からチャンスメイクできるか

今シーズンの成績(リーグ戦のみ)


FC大阪:1勝3敗で勝ち点3の19位 (3得点7失点)

先制試合:2試合 1勝1敗(1節の鹿児島戦では前半2分に先制も逆転負け)
先制された試合:2試合 2敗(現在2試合続けて先制を許す)
スコアレスドロー:なし

ホーム: 0勝0分1敗 勝ち点0  0得点  3失点 得失点-3
アウェイ: 1勝0分2敗 勝ち点3 3得点  4失点 得失点-1

リーグ戦では2名が得点(島田が2得点、古川が1得点)
ここまで島田、古川、美馬が1アシスト

複数得点:0試合  
複数失点:3試合
無失点:1試合(2節の宮崎戦)
無得点:1試合(3節の岩手戦)

<得点>前半に3得点 後半に0得点 
<失点>前半は1失点 後半は6失点
今季ここまで得点は全て前半。そして前線の島田、古橋が得点を記録
一方失点は後半に6失点特に後半30分以降に4失点と終盤まで粘り強く戦えるかを修正に期待がかかる

セットプレーからの得点はまだなし。失点は7失点中3失点(CK、PKなどで失点)JFLではセットプレーからの得点も多かった。メンバーや相手の強度が変わる中でも自分たちの良さをシーズン通じて出せるか楽しみだ

カターレ富山:2勝1分1敗で勝ち点7 (9得点8失点)+1 5位

先制試合:3試合 2勝1分0敗(リーグ戦では先制すれば負けなし)
先制された試合:1試合 1敗(2節の沼津戦で今季初の敗戦)
スコアレスドロー:なし

ホーム: 1勝1分0敗 勝ち点4  6得点  5失点 得失点-1
アウェイ: 1勝0分1敗 勝ち点3 3得点  3失点 得失点0

リーグ戦では4名が得点(アルトゥールシルバ、吉平が3得点、高橋が2得点、大畑が1得点)
松岡が2アシスト、坪川、アルトゥールシルバ、大山、末木がアシストを記録

複数得点:3試合  
複数失点:3試合(3試合連続で複数失点中)
無失点:0試合
無得点:0試合(全試合で得点を記録)
現在2試合連続で3得点を記録。一方で開幕から失点が続いている

<得点>前半に4得点 後半に5得点 
<失点>前半は1失点 後半は7失点

ここまでセットプレーで4得点(内PKが2得点、FKからも得点を記録)
一方でセットプレーからの失点も4失点(CK、PK、FKからも失点)

攻守の切り替えが早く、前線から積極的なプレスでチャンスをつくり今季はここまでリーグ3位の9得点を記録
ポゼッション志向というよりは、奪って早く、連動した攻撃を見せている
アシスト数は7とリーグ2位。そしてシュート数自体は1試合平均7.5本とそこまで多くないが、そこから9得点と約30%の高い決定率
それだけ良い状況で最後のフィニッシュまで繋ぐことができている

しかしながら失点数はリーグで3番目に多い8失点
特に後半の立ち上がり15分以内で4失点。90分通じて集中力を持って戦えるかがシーズンを通じて勝利を重ねていくために必要になる

個人的な見どころ

FC大阪は昨季JFLを戦い最終順位2位で終え、観客動員数もクリアし今季からJリーグで初めて戦う。特に昨季はホームでの強さが際立った(9勝6分で無敗)ホーム開幕戦の岩手戦こと0-3で敗戦も、ホームでの強さを昨季同様に発揮し勝ち点を積み上げたい。今節、次節は富山・今治と上位チームとの対戦が続くが、これまでの4試合で積み上げたJリーグでの強度を活かして戦いたい

個々の経験値で言えばJ1経験もあるアルトゥールシルバやJ3得点王にも輝いた川西翔太(元FC大阪所属の川西誠の兄)、高橋駿太等実績のある選手が揃う富山
昨季の主力もほぼ残留する中で、昨季からの積み上げをしつつ、勝ち切る姿をサポーターに届けたい
昨季は石崎監督体制下ではアグレッシブな守備で1-0の勝利で5連勝を飾った。その強度を保ちつつも、小田切監督体制では攻守一体で勝利を狙う

注目ポイントは攻守の切り替えとサイドの攻防を挙げたい
共にハードワークを主にプレーを行う。FC大阪は、強度やスピード面で上回る富山に対して、チームでどのように対策を施し前へ前進できるか
高さのあるCBが前線へ攻撃参加する際の切り替えや、運動量のある西矢や町田がボールを上手く奪い、早い縦への攻撃やサイドに広げて幅を使った攻撃を行いたい。プレスをはがすのは容易ではないが、勇気を持ってプレーできるかはポイントになりそうだ

富山は連動したプレスからボールを奪い、そこから確実にゴールに繋げていきたい。プレスが前がかりになり、逆にカウンターを浴びる事なく各ポジションのバランスを取りながら攻守一体のプレーを90分間継続したい

また両サイドには両チームクオリティの高いプレイヤーがいる
FC大阪の右サイドは走力のある久保がいる。個人で打開もできれば、守備でもハードワークできる。両足で精度の高いキックが蹴れるSBの美馬との連携も昨季からの積み上げがある

一方富山の右サイドは今季ここまでチームトップの2アシストを記録している松岡がチャンスをつくる。レフティーでカットインしてのクロス、シュートもありチームを勢いづけるプレーをシーズンスタートから見せている
また、右SBには古巣対戦となる大山がプレー。クロスの精度はもちろん縦への上がりもあり、積極的に攻撃にも参加。両チームサイドからチャンスをつくることができるか楽しみにしたい

また流れを変えるセットプレーについてはFC大阪、富山共にキッカーは豊富だ。特に富山は前節も坪川のFKから得点に繋げており、4節まででPKも2つ獲得しきっちり決める等セットプレーから確実に得点を量産

一方のFC大阪は現在セットプレーからのバリエーションを増やし試行錯誤している部分も見える。高さでの優位性を活かしつつ、流れを変えるためにセットプレーも生かしたい

シーズンもスタートして4試合が経過。今季も混戦模様となりそうなJ3リーグ。またJFLとの入れ替え戦などもあるため、シーズンスタートからしっかりと勝ち点を積み上げたい。1試合1試合気持ちのこもったプレーを見せてくれるはず

試合は4月1日の14時~東大阪花園ラグビー場、またはDAZNにて是非お楽しみください!


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