Bリーグ2023-24シーズン第11節京都ハンナリーズ対島根スサノオマジックの個人的な試合展望
バイウィークも終わり、これから年末年始もバスケット熱が再び高まっていきます。リーグ戦も早いもので1/4が終わり、これから巻き返しを図りたいチームも多くあり、シーズン前と今では各チームへの見方も変わってくる部分もあるかもしれません
京都は今節ホームに島根を迎えます
水曜日はアウェイで広島と対戦。今季の初戦と比較すると良い入りもでき、接戦の時間帯もありましたが、負傷者の影響もあり悔しい敗戦に
ディアロ選手の加入も発表されましたが、コンディション含めてチームとしてどのような戦いを見せるか楽しみです
一方の島根は前節ホームで熱いサポートも受けながら、西地区首位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズに勝利
名古屋のオフェンスに対して、ハードな守備とリバウンドで主導権を握らせず、ローテーションをしながら勝利を飾りました
千葉、名古屋Dと強豪に勝利した勢いそのままに更なる連勝を狙います
今季初となる顔合わせですが、同地区同士なので今季また対戦が予定されています。その中でこの週末はどのような戦いを見せるか?
怪我なく、タフな好ゲームに期待です
解説:寺下太基さん
実況:能政夕介
※加執・修正の可能性もあります
両チームの今季と前節について(12/8時点)10節終了時点
京都ハンナリーズ【平均75.1得点(リーグ18位)平均83.1失点(リーグ19位)】4勝13敗で西地区8位(現在2連敗中)
京都は前節アウェイの地で広島と対戦
前田悟は負傷(手術も行い約3カ月離脱中)、ディアロはまだ合流できずという状況もあり外国籍選手は2人という陣容だった
序盤から激しい攻防を見せる両チーム。古巣対戦となる寺嶋にペースを握られる時間帯もあったが、スピードのあるプレーをチームで見せ一進一退の攻防を見せた
ただ、前半に岡田は澁田との接触(後半も接触があり膝を負傷)、ライトは指の負傷(ライトは後半プレーせず)となかなか流れを掴み切れない時間帯もあった
また、外国籍選手2人の疲労度もあり、リバウンドで広島に優位性を持たれ終盤に少しづつ点差をつけられてしまった
この試合3Pは7/30とチームで23.3%とシュートを打つチャレンジは見せた(今季の1試合平均は26.1回)
一方でリバウンドは広島の48回に対し、京都は29回(今季平均は39.6回)
広島にORを20回奪われ、この影響も大きかった
リバウンド後に攻めたい気持ちの選手と、リバウントへの位置
またシュートのタイミングとセカンドチャンスを狙う選手との呼吸
いつもと違うラインナップや疲労度も含め上手くいかなかった部分もあったが、守備で貢献度を見せた澁田を含め良い部分も多くあった
ペイントエリアでの安定した得点と、攻守の切り替えと集中力
島根の得意なアウトサイドに対して、どれだけ守備で奮闘もできるか注目したい一戦になりそうだ
島根スサノオマジック【平均82.2得点(リーグ6位)平均77.6失点(リーグ9位)】10勝7敗で西地区5位(現在2連勝中)
粘り強く迫ってくる名古屋ダイヤモンドドルフィンズを最後の最後まで集中力を切らさずに攻守で戦い勝利を得た
勝ち切れず悔しかった千葉とのGAME1から、2試合続けての90点越え
もちろんチームのエースビュフォードの復調も要因としてあるが、プレータイムの偏りを少しづつ是正しながらファウルトラブルにもチームで向きあった
ホームで得た上位への2勝はチームに大きな自信をもたらしたかもしれない
3Pの成功数こそ9/30と今季のチームの平均よりやや下回った(10.5/31.2)が強みとしているFTでの得点が目立った
今季FTがチームで14.3/18.5の成功率が77.1%(いずれもリーグ上位)だが、この試合は28/37の75.7%と2倍近くの数値を記録
そしてリバウントはチームで40本(OR16/DR24)、そしてTOの数は8本とチームとしての安定感を見せた
相手に16のTOを与える守備と、そこから得点に繋げる遂行力
ポールヘナレHCの掲げるバズソースタイルがより強固で強くなろうとしている
ビュフォードの足首など懸念材料は0ではないが、中2日の連戦。かつアウェーでの戦いでどのような試合を見せてくれるか楽しみにしたいところです
両チームのメンバー編成
京都ハンナリーズ
HC:ロイ・ラナ(2年目)
■選手(継続)
水野幹太
小西聖也
マシュー・ライト
青木龍史
■新加入(IN)
岡田侑大(信州から加入)
前田悟(川崎から加入)→完治まで約3カ月の負傷中
澁田怜音(新潟から加入)
チャールズ・ジャクソン(横浜から加入)
ラシード ファラーズ(千葉から加入)
ケビン・ジョーンズ(SR渋谷から加入)
半澤凌太(三遠から加入)
鈴木悠介(山形から加入)
ステイシー・デイヴィス(NBA G Leagueから加入)
シェック・ディアロ(NBA復帰から再加入)11月にリリース
■他チームへ移籍、引退、契約満了など
ジェロード・ユトフ(横浜へ移籍)
小澤智将(横浜エクセレンスへ移籍)
久保田義章(三河へ移籍)
満田丈太郎(福井へ移籍)
トビンマーカス海舟(千葉へ移籍)
ザック・モーア
益子拓己(川崎に練習生として参加)
小室昂大(東京八王子へ移籍)
エペウドゥ(引退)
ステイシー・デイヴィス(NBA G Leagueから加入→新潟へ)
ディアロの復帰が先日発表された。昨季は59試合出場しチームのために献身的に走り戦った選手の復帰はチームに大きな影響を与えるはず
ただ、昨季のディアロをチームメイトとして知るのはロイラナHCらコーチ陣と昨季からプレーする4名の選手のみ
昨季の相棒だったユトフに対しまたタイプが違うチャールズジャクソンとケビンジョーンズとどのような融合を見せるのか?
併せて特にディアロを活かすPGにも注目していきたい
昨季共にプレーした水野、小西、ライトらが中心となる事ができれば、おのずと他の日本人プレーヤーたちのプレーにも幅ができる
インサイドで持てる優位性を、アウトサイドにまで広げる事ができればうちも外も強いチームへと進化していく可能性も高まる
まずは、年内にそうしたチームとしての基礎を勝利しながら積み上げる事ができるか楽しみにしたい
■島根スサノオマジック
HC:ポール・ヘナレ(3季目)
■継続
ペリン・ビュフォード(4季目)
安藤誓哉(3季目)
ニック・ケイ(3季目)
北川弘(5季目)高校時代は滋賀県でプレー
津山尚大(2季目)
白濱僚祐(4季目)
ウィリアムスニカ(帰化選手)(4季目)
谷口大智(2季目)
■新加入
★ハッサン・マーティン(琉球でBリーグデビュー、海外でプレーし復帰)
★大橋大空(日本出身。海外でプレーし初のBリーグ)
★ワイリー光希スカイ(日本出身。海外でプレーし初のBリーグ)
★晴山ケビン(富山より加入)京都は古巣
島根はこの3季でポールヘナレHC、そして中心選手は大きく変わることなくチームをつくっている
結果的には昨季CS進出も決め、「島根スサノオマジック」の強さは他チームにも響き渡った
過去島根はB2降格も経験しており、チームとしてBリーグで所属している全てのシーズンで順風満帆だったわけではない
北川・ウィリアムスニカ・白濱と長くチームに在籍しその変化をより肌で感じている部分もあるはずだ
今季は久々となる同一カードでの連敗。点差をつけての勝利というよりは、接戦を戦いきるという部分も多くなっている
それでも、ビュフォード・安藤・ニックケイと主軸を中心に津山・白濱をはじめ日本人プレーヤーたちが輝く試合も多くある
過去の積み上げ、そしてそれに伴う相手の対策を上回るアップデートをシーズン終了時に結果として見せる事ができるかどうか
まだまだ登っていく両チーム。その戦いに注目していきたい
過去の対戦成績(京都11勝 島根9勝)
2016-17シーズン(島根はB2のため対戦なし)
2017-18シーズン(京都6勝)
京都 85-78 島根 2017.10.28
京都 64-57 島根 2017.10.29
京都 94-90 島根 2017.12.09
京都 89-78 島根 2017.12.10
島根 68-83 京都 2018.03.24
島根 68-78 京都 2018.03.25
2018-19シーズン(島根はB2のため対戦なし)
2019-20シーズン(京都2勝 島根1勝)
京都 75-78 島根 2019.10.23
島根 77-79 京都 2020.01.15
京都 95-88 島根 2020.01.29
2020-21シーズン(京都1勝 島根3勝 )
島根 59-84 京都 2020.12.09
京都 86-96 島根 2021.03.24
島根 89-69 京都 2021.05.01
島根 103-88 京都 2021.05.02
2021-22シーズン(京都1勝 島根2勝)
島根 100-66 京都 2021.10.27
京都 74-95 島根 2022.03.09
京都 82-79 島根 2022.05.08
2022-23シーズン(京都1勝 島根3勝)
島根 87-75 京都 2023.03.25
島根 92-89 京都 2023.03.26
京都 71-79 島根 2023.04.22
京都 87-82 島根 2023.04.23
過去の対戦成績では京都が11勝とやや勝ち越しているが、近年の3シーズンに限れば京都の3勝、島根の8勝と島根が大きく勝ち越している
とはいえ昨季は4試合とも大きな点差はなく接戦だった
京都は対島根戦で連勝を飾るか?
それとも島根がアウェーの地で勝利を飾るか?
過去島根は京都のホームで連勝はなし
京都はそのアドバンテージを活かして、連敗を止めたい一戦になる
個人的な見どころ
中2日で迎える一戦の注目ポイント
個人的には3つの視点を注目したい
①京都のコンディションによるメンバー編成
京都はPGの岡田・ライトの状態が気がかりだ
前節の広島戦でライトは手、岡田は膝を負傷
岡田は苦悶の表情を浮かべる時間もあったが、最後までプレー
ライトは前半のみのプレーに留まった
もちろん結果的に澁田のハッスルプレー等もあったが、ゲームプランが難しくなった部分は否めない
そして、今節はディアロがエントリーするか?そしてその状態についても大きな影響を与える
チャールズジャクソンとケビンジョーンズはお互いにリバウンドも取り、得点も取れるプレイヤーではあるが年齢、そして体力面で見た際に、いかにフレッシュかつ良い状況でコートに送り出せるかどうか
ディアロがプレーできれば、ある程度のプレータイムシェアはできるが、そうでない場合にはファラーズ、鈴木の役割や、戦略として高さで対抗しない選択も必要になってくる
島根は相手の出方よりは自分たちのスタイルを徹底する部分も多いが、恐らくアウトサイドの対策としてのゾーン対策や、その際の切り替えなどコート上で起こる変化に対してすぐにアジャストできるか。そしてそのスピードと精度に注目していきたい
②リバウンドと攻守の切り替え
チームの平均リバウンド数は両チームに大きな差はなく、京都が平均39.6回で島根は40.4回だ
島根は帰化選手のウィリアムスニカが前節ORでも大きな貢献を見せた
また、守備面では白濱をはじめ、コートに立つ選手がさぼらずにボールに対して貪欲にプレーする
島根は千葉戦のGAME2からしっかりとリバウンド面で立て直し、より攻守への連動がスムーズになっている
3Pの試投数がリーグ4位の1試合31.2回を誇るが、それもORとDRの後からしっかりとゲームを組み立てる事ができており、自分たちの強みが発揮できている
京都はインサイドでは特にビュフォードとニカ(そしてニックケイ)も注意しつつ1試合平均10本以上の3Pを打つ安藤に対して、どれだけプレッシャーをかけて落とさせるか
そして、リバウンドをしっかりと確保して自分たちの得点に繋げる事ができるかどうか
島根は攻守の切り替えも早くその精度も高い。だからこそ、特に自分たちの打つシュートのタイミング、そして相手に打たせるシュートのタイミングをチームとして連動した攻守にできるかが重要になる
③主力以外のプレイヤーの輝きが勝敗を左右する?
得点源に焦点を当てれば京都はジョーンズ、ジャクソン、岡田の3人がチーム全体の58.2%の得点を担っている
一方島根はビュフォード、安藤、ニックケイの3人がチームの全体の61.7%を担っている
簡単に言えば両チームの3人で約6割の得点を取っている。特に島根については、この比重がより大きい傾向にある
この3人以外のプレイヤーたちが個々でステップアップできるかどうか
拮抗した試合になればなるほど、その重要性が問われてくるかもしれない
京都で言えば今季水野や青木、もちろん半澤や渋田も1つの試合の中で輝きを放った。それを継続し、ベースとして高める事ができるかどうか
ただ、過去の結果を自信に変えて堂々とプレーをし続けて欲しい
島根は津山、晴山、谷口、マーティンと途中から出場してしっかりと流れを変えながら、より長い時間コートに立ち続け存在感を出せるか
もちろんそれは全てのプレイヤーに対して言える事ではありますが、チームとして全員で勝つために、役割を遂行しながらも大きく成長を遂げることができるかどうか。毎試合変化を見せてくれる、選手たちに胸躍らせながら、週末の試合を楽しみにします
そして高校生年代のお祭りでもあるウィンターカップも12月23日から年末にかけて激闘が幕を開ける
京都の岡田が出身校でもある東山高校や、島根の安藤が出身の仙台大学付属明成高校、北川の出身校でもある光泉高校、津山出身の福岡大大濠、白濱の出身校佐賀北高校など、未来のBリーガーとなる選手たちの活躍も楽しみですね
また、来年にはオールスターやパリ五輪など、バスケットを盛り上げてくれるコンテンツが多くあります
今のこうした熱量が未来に繋がるよう、私も中継でしっかりとその良さをお伝えできればと思います
個人的には37歳の初仕事になるこの週末
更には京都・島根はどちらのホームゲームでも今季担当機会があったので縁があり、とても嬉しく楽しみな対戦カードになる
連戦が続きますが、お互いにフェアで怪我のない好ゲームに期待
寒さが続きますが、熱い試合で是非盛り上がってください!
土曜日が15時5分、日曜日が14時5分からティップオフ
お時間のある方は是非かたおかアリーナ京都まで足を運んでみてください
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