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Jリーグインターナショナルシリーズ2024powered by docomo京都サンガF.C.対VfBシュトゥットガルトの個人的な見どころを紹介

近畿地方の梅雨も明けて、本格的な夏がやってくる
今年は例年に比べても異常な暑さかもしれない。そんな中で行われるJリーグインターナショナルシリーズの一戦は京都サンガFC対VfBシュトゥットガルトの顔合わせ

VfBシュトゥットガルトは京都、広島で試合を行いシーズンに備える

サンガスタジアムで迎える一戦、京都は今季得点が取れず勝利から遠ざかった時期もあった。苦しい部分を乗り越えて、今確かにチームとして上向きの状況を見せている。シーズンはまだ半ばで苦境は続くものの、こうした1試合1試合を積み上げて、残留に加え、天皇杯のタイトル獲得も強かに狙っていきたい

苦境という意味では昨季スタート前のVfBシュトゥットガルトは難しい状況を迎えていた。その前のシーズンでは2季続けて残留争いとなる、何とか残留を勝ち取った中で、主将でもあった遠藤の移籍

それでも新たに加入した選手の活躍や、攻守での一体感もあり、シーズンを大躍進の2位で終えて15年ぶりとなるCL出場権を獲得

チーム得点王のギラシや守備の要でもあった伊藤を含め、主力の流出はあったものの、昨季のベースを基に新シーズンでも強さを発揮してくれるはず

逆境も、そこからの成長も知っている両チームの一戦。タフなコンディションでの一戦でお互いリスペクトを持って臨む好ゲームに期待です

(解説:松井大輔さん リポーター:江間 丈さん 実況:能政夕介)※追記、修正の可能性あります

両チームの今季と昨季の成績

京都サンガFC:6勝7分11敗 勝ち点25の17位  22得点 38失点(-16)

7月は負けなしで公式戦3勝1分。順位の上では厳しい戦いは続くものの、リーグ後半戦になり京都は粘り強さと選手の連携も高まり勝ち点を積み上げている
京都は前節磐田と対戦。U23の代表選出で離脱している川﨑に代わって新加入の米本が起用され、宮本が2試合ぶり、平賀も5/6以来の先発メンバーに名を連ねた

立ち上がりは磐田が主導権を握り、サイドから点の取れるジャーメインへボールを送るなど積極的にゴールに迫った
一方の京都もロングボールを使って押し込む部分や、前線の原をターゲットにしながら繋いで攻めるなど攻撃に幅を持たせて得点機会を伺った

先に得点を取ったのは磐田。ゴールキックからの繋ぎの部分で競り勝ち、セカンドボールを回収してからサイドに展開
スピード感のある攻撃で最後はエースのジャーメインが得点を決めて先制に成功する

前半はホームの磐田が1点をリードして折り返した

京都は後半から新加入のラファエルエリアスを起用し前線に配置
前線のポジション配置を変えて、ロングボールを使いながらフィニッシュまで持っていく部分を見せるも得点は生まれず1-0のまま終盤へ

すると思わぬ形で得点が動く。金子が前線へ送ったボールがクリアミスとなりオウンゴールに。原のプレッシャーもあり、粘り強く前へ矢印を向けた結果が得点に繋がった

更に後半の37分にはマルコ・トゥーリオのクロスにラファエルエリアスが頭で合わせて追加点。この得点が逆転ゴールとなり、重要な一戦を1-2で勝利で飾り京都は勝ち点3を積み上げ順位を上げた

明示安田J1リーグ2024磐田VS京都の試合結果(Jリーグ公式HPより引用)

VfBシュトゥットガルト:昨季のリーグ戦(23/24)23勝4分7敗 78得点39失点の2位 DFBポカールベスト8

15シーズンぶりのCL行きを決めた大躍進のシーズンだった
近年は厳しい状況ではあった。2021-22シーズンは15位、2022-23シーズンは16位と残留争いに苦しんだ
それでも昨季は2008-2009シーズン以来となるTOP3入りを果たしCL出場権を獲得した

ギラシとウンダフが得点を量産し、中盤のカラゾル、シュティラー、フューリヒも安定感を発揮。GKのニューベルも活躍を見せて攻守のバランスがシーズンを通じて発揮できたようにも見える

4-2-3-1をベースにしつつも、相手に合わせて4-4-2や3-4-3、4-1-4-1などを使い、戦術的な引き出しも豊富な印象だった
攻守の切り替えが早く、全員が賢くプレーするスタイルは恐らく継続のはず
だからこそ主軸の移籍から、新加入選手のフィットは気になる部分でもある

■昨季の主力プレイヤー
・アントン:リーグ33試合プレー(32試合先発)
・ニューベル:リーグ30試合プレー(30試合先発)守護神
・伊藤洋輝:26試合プレー(25試合先発)2アシスト
・シュティラー:31試合プレー(30試合先発)1得点、5アシスト
・ミヨ:31試合プレー(27試合先発)5得点4アシスト
・カラゾル:33試合プレー(31試合先発)4アシスト
・フューリヒ:34試合プレー(33試合先発)8得点7アシスト
・ギラシ:28試合プレー(26試合先発)28得点
・ウンダフ:30試合プレー(23試合先発)18得点9アシスト

他にも韓国代表のチョン・ウヨンも在籍(過去京都でプレーしたチョン・ウヨンとは別人です)

昨季は6シーズンぶりにバイエルンにも勝利。チームの得点王はギラシではあるが、多くの選手が得点に絡んだシーズンでもあった
得点者は13人だが、アシストを記録した選手は15人(内5アシスト以上が4人で各ポジションから出ている)
戦術の引き出しの多さを見せたシーズンだったが、新シーズンはどういった戦いを見せてくれるか?攻守の軸が入れ替わる中で、どのようなパフォーマンスを見せるか注目したい

VfBシュトゥットガルトのメンバー構成

シュトゥットガルトが先日、日本ツアーのメンバーを発表

7月下旬から8月上旬にかけてJリーグインターナショナルシリーズ2024として、京都と広島との2試合を行う予定だ

今回は帯同する選手に加えてブランドアンバサダーの元ドイツ代表FWカカウ、名誉キャプテンで元浦和レッズ指揮官ギド・ブッフバルト、ルーヴェン・カスパー(マーケティング・セールス担当理事)らも参加

帯同するメンバーには司令塔のMFアンジェロ・シュティラーや20歳の日本人DFチェイス・アンリもメンバー入り(太字が新加入で帯同選手)

1 ファビアン・ブレドロー
21 シュテファン・ドルヤカ
33 アレクサンダー・ニューベル
3 ラモン・ヘンドリクス
4 ヨシャ・ヴァグノマン
5 ヤニック・カイテル
6 アンジェロ・シュティラー
9 エルメディン・デミロヴィッチ
10 チョン・ウヨン
11 ニック・ウォルトマーデ
13 フランス・クレツィヒ
14 シラス
15 パスカル・ステンツェル
16 アタカン・カラゾール
17 ジャスティン・ディール
18 ジェイミー・ルヴェリング
22 トーマス・カスタナラス
23 ダン=アクセル・ザガドゥ
24 ジェフ・シャボー
29 アンソニー・ルオー
30 エメル・ベヤズ
31 クリストファー・オリビエ
34 エフェ・コークト
37 マクシミリアン・ヘルワース
40 ルカ・ライムント
45 チェイス・アンリ(U23日本代表経験)
46 サムエレ・ディ・ベネデット
49 ムサ・シセ

EURO2024をでプレーしたドイツ代表のMFクリス・フューリッヒや、スイス代表のDFレオニダス・ステルギウ、新加入のMFファビアン・リーダーらは招集外

それでも新加入選手が8名帯同と新戦力がどのように躍動するのかも楽しみなポイントになる

過去には多くの日本人プレーヤーも所属
岡崎慎司(2011-2013)
酒井高徳(2011-2015)
浅野拓磨(2016-2018)
細貝萌(2016-17)
遠藤航(2019-2023)遠藤はキャプテンも
伊藤洋輝(2021-2024)
原口元気(2023.1-2024)が所属していた

縁のあるチームとの一戦、期待が高まるばかりだ

今シーズンの京都サンガFCの成績(リーグ戦のみ)


京都サンガFC:6勝7分11敗 勝ち点25の17位  22得点 38失点(-16)

先制試合:8試合 5勝3分(先制すれば負けなし)
先制された試合:14試合 1勝2分11敗(前節の磐田戦で今季初の逆転勝利)
スコアレスドロー:6節のガンバ大阪、23節の浦和戦

ホーム:1勝3分7敗 勝ち点6  10得点 23失点 得失点-13
アウェイ:5勝4分4敗 勝ち点19 12得点 15失点 得失点-3

リーグ戦では11名が得点(原と豊川が4得点、川崎が3得点、松田2得点、安齋・宮吉・宮本・ラファエルエリアス・佐藤・平賀・三竿が得点を記録)

複数得点:7試合 
複数失点:11試合
無失点:6試合
無得点:9試合

<得点>前半11得点 後半に11得点 
<失点>前半は14失点 後半24失点

今季は22得点中セットプレーでの得点は6点の27.3%。FKで2得点、CK起点で3得点を記録

38失点中セットプレーからの失点11で割合は28.9%(CKから5失点、FKから2失点、PKから1失点を記録)

リーグ後半戦はいまだに負けなし。20節の柏戦は悔しい同点となったが、リーグ戦直近の5試合は3勝2分で勝ちが先行。複数得点が3試合、複数失点は1試合と攻守の安定感が少しづつ出てきている
とはいえ、粘り強く戦っている側面も多くある。22節の福岡戦は劇的な逆転勝利だった。終盤まで粘って矢印を前に向けながら勝ち点を取りに行き、結果の結びついている部分もある
また、マルコトゥーリオのフィットも大きな要因かもしれない。直近の5試合では3アシストと勝利に貢献している

新型コロナウィルスの影響は不透明だが、できるだけ多くの選手が万全の状態で戦って欲しい

夏の移籍でチームとしても動きが出てきている

谷内田は韓国、一美は岡山、山崎はセレッソ大阪、ヴァルネル・ハーンはスウェーデンへ移籍。麻田は負傷で離脱中という状況で新たに新加入として

米本が期限付きで加入、秋田からGKの圍が加入し、クルゼイロECからラファエルエリアスが加入。また、スペインでもプレー経験のある、ルーカス・オリヴェイラがクルゼイロECより期限付き移籍加入

パリ五輪を戦う川﨑は不在も、U19日本代表トレーニングに参加していた、平賀大空・喜多壱也・安齋悠人ら若きプレーヤーたちの躍動にも期待したい

個人的な見どころ

先日、セレッソ大阪VSドルトムントの一戦を間近に見て、ドルトムントの選手たちの切り替えの早さや身体能力の高さに驚きました

来日したシュツットガルトの選手たちのコンディションも気になるところですが、来日メンバーは昨季主力で戦ったメンバーも多く、新加入選手も活躍してシーズン良いスタートを切りたいと思っているはず

注目したいのはまずはスタメンのラインナップです

京都は先日コロナウイルスの影響もありファン感が急遽中止に。あれから1週間近く経過はしたもののコンディション調整はチームとして難しさはあったかもしれません
リーグ戦からは1週間空きましたが、どのようなメンバー編成で臨むか中もkうしたいところです

新加入のオリヴェイラ選手も合流。リーグ戦に向けて実践の中での練度を高めつつ、海外の強豪相手に挑む姿を見せたいところです

一方のシュツットガルトも新加入選手が8名帯同
中盤はある程度、昨季をベースにしつつも最終ラインと前線の入れ替えは予想ができそうです

FWは新加入のデミロヴィッチ、ヴォルトマデ、ディールの起用はあるか?
DFは恐らくジェフ・シャボ、フランス・クレツィッヒの起用確率は高いように思います。アントンや伊藤、ギラシなどが抜けた穴を誰がどのように埋めていくのか注目したいところです

そして、若手と新加入選手の躍動にも期待がかかります
先日のセレッソ大阪VSドルトムントや、鹿島VSブラントンなどでも若手のプレイヤーがゴールや見せ場をつくりました

京都にも先ほど紹介した平賀大空・喜多壱也・安齋悠人など今後の伸びしろが十分なプレイヤーたちもいます。どのタイミングで起用となるかは分かりませんがそうした選手たちの思い切りの良いプレーに注目したいところです

また、シュツットガルトも新加入選手8人が帯同しており、恐らくこの京都、広島との試合ですべての選手が起用されるはず
フルタイム出場では恐らくない中で、短い時間でもその高いクオリティーで結果を示せるか楽しみです

そして戦術面では強度と切り替えに加えセットプレーも楽しみにしたいポイントです

戦術の引き出しの多さや徹底力はチームとしてシュツットガルトは昨季のベースや結果はありつつも、新たなチーム作りの中で現状どのような立ち位置であるかは不透明です。ただ、恐らく攻守でアグレッシブに、そして切り替えと賢くポジションを取る約束は徹底するはず

京都もアグレッシブな攻守という部分では類似する部分もあります
奪ってからのショートカウンター、ロングボールを活かして縦に早いプレー、最近はサイドの展開からのチャンスメイクも結果に繋がっています
強度高く、この夏場でも走り切れるか楽しみにしたい部分です

また、切り替えの早さ、強度の部分で、スピード感の違いも相まってセットプレーが生まれる機会が多くあるかもしれません
京都は今季のセットプレーでの成績は以下のようになっています

22得点中、セットプレーから6得点で割合は27.3%(FKで2得点、CK起点で3得点など記録)
38失点中、セットプレーからの失点は11で割合は28.9%(CKから5失点、FKから2失点、PKから1失点を記録)
全体の割合で見ると得点面でも失点面でもそこまで多くはない状態だ
ただ、今後シーズンを戦う上でセットプレーでの得点は重要になる。柏戦での三竿の直接FK以来セットプレーでの得点はなし
失点は5/19に悔しい敗戦だった広島戦以来はなしとセットプレーからの守備は粘りが出てきている。身体能力で勝るシュツットガルト相手にどのように攻守で見せるか注目したい

また、シュツットガルト目線で見れば、こうしたセットプレーから確実に得点を取れる事で試合を安定して運ぶことができる。優位な高さや速さの部分で手早く先制点を狙いたいところ

京都を率いる、曺貴裁監督は現役引退後はドイツのケルンに渡り指導者として研鑽を積んだ
広島のミヒャエルスキッベ監督との対戦時はいつもリスペクトある発言をしているところを見ていると、ブンデスリーガでプレーするシュツットガルトの一戦は曺貴裁監督にとっても大きな一戦になるかもしれません

とはいえ、大枠の戦術では対照的なチームでもある。京都は主にプレッシングからボールを奪ってゴールに迫る。シュツットガルトはボールを握りながらしっかりと中盤から組み立てていく。だからこそ中盤の攻防と、どちらが先に主導権を握っていくのか楽しみにしていきたい

ドルトムントやシュツットガルト、ランスやブライトン、ソシエダやトッテナムなど多くの海外チームが来日し私たちを楽しませれくれています

明日の一戦も両チームにとって怪我無く、素晴らしい試合になることを期待したいと思います


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